わたしは対人恐怖症のさまざまな症状を発症してきました。
脇見恐怖症から始まり、自己視線恐怖症他者視線恐怖症咳・咳払い恐怖症などになり、対人恐怖症を本格化させていったわけです。

こうした各症状のきっかけについては各リンク先で触れていますが、それらには共通のものがあると考えています。
対人恐怖症になる根本的な原因ともいえるものです。

以下に、そうした根本原因を3つ紹介します。
それぞれの原因への対処法もあわせて考えてみました。

1. 神経過敏

対人恐怖症の根本原因

対人恐怖症になる原因としてまず、神経過敏というのがあるように思います。
健常者にとってはあまり気にならないことでも、神経過敏だといちいち過度に気にしてしまうのです。

対人恐怖症は、神経過敏の対象が人間の特定の動作・しぐさに向いている状態なんでしょう。
たとえば脇見恐怖症なら隣の人の貧乏ゆすり、咳・咳払い恐怖症なら人の咳や咳払いを異常に気にするといった感じです。

人のさまざまな挙動に対していちいち敏感に反応してしまうので、精神は当然すり減っていきます。
そうなると防御反応で人を避けるようになり、人そのものに恐怖を抱くようにもなっていくわけです。

神経過敏な状態を直すには、反応することを止めるほかありません。
反応してしまうからまた次も反応したくなる、つまり神経が過敏に察知してしまうのです。

神経過敏なのは先天的なものかもしれませんが、理性でそれをコントロールする必要があります。
受け流す、という意識を心がけるのが良いでしょう。
気にしないよう無理に努めても逆に気になったりしますからね。
一時的には気になっても、そこに留まらず受け流すことが大切です。

2. 妄想・こだわり

加害妄想や被害妄想も対人恐怖症の根本原因として挙げられます。
たとえば自己視線恐怖症なら自分の目つきが人を不快にしていると思い込み、結果として人を避け、対人恐怖症につながっていくわけです。
自分という存在と相手との関係性を勝手に見いだし、他人であっても自分が何か悪影響を与えているのではと思い込む癖があります。

対人恐怖症をさらに悪化させるのが、妄想への強いこだわりです。
妄想にもとづいて自説を打ち立て、それにこだわり続けてしまいます。
しかもどんどん悪いように思い込むので、恐怖心が大きくなっていくのは当然ですね。

妄想の癖を直すには、神経過敏の話と同様、やはり妄想を止めることが大切です。
思い込みをし過ぎても自分を苦しめるだけ、と言い聞かせましょう。
たとえ自分の視線が相手を不快にしていると感じても、そこで妄想を止めてリセットします。

こだわりについても同じです。
自説にとらわれ続けないよう心がけましょう。
健常者の人が「気のせいだよ」と言ってきたら、「そうかもな」と思ってみれば良いのです。
「健常者には自分の考えはわかるわけない」と殻に閉じこもる限り、対人恐怖症的思考のループからは抜け出せません。

3. 不信感

対人恐怖症の根本には、人への不信感もあると考えています。
不信感から人づきあいを避けた結果、人への慣れがなくなり、人という存在をこわがるようになってしまうわけです。

過去のいじめられ経験のトラウマ。
対人恐怖の悩みを誰にも理解されない苦しみ。
こういったものが少しずつ積み重なったことで、人を信じられなくなっているんでしょう。

とはいえ人への不信感を完全に消しさるのは難しいかと思います。
世の中には悪い人間が少なからずいますので、不信感が多少あってもおかしなことではありません。
大切なのは、自分の身の回りに信頼できる人をもつことです。

不信感を抱かない人がひとりいるだけでも対人恐怖は結構やわらぎます。
自分をさらけだせる相手がいると自分にも相手のことを受け入れる余裕が生まれ、人を信じてみようという気持ちになってくるのです。
身の回りの人と交流を続けているうちに、ほかの人に対しても少しずつ不信感が薄れていくでしょう。

ほかにもあるかもしれませんが、現時点では上記の3つが対人恐怖症の根本的な原因と考えています。
厳密には神経過敏妄想・こだわりを原因として対人恐怖症が発症し始め、人への不信感で対人恐怖症が本格化する…という流れです。

対処法については、まず信頼できる健常者をみつけたほうが良いでしょう。
その人と付き合いながら「過度に反応しない」「妄想にこだわり過ぎない」生き方を見習っていきます。
対人恐怖症の自分ひとりだと、どうしてもネガティブに考えがちで症状がなかなか改善しないかもしれません(わたしはそうでした)。

できれば彼氏・彼女を作るのがおすすめです。
対人恐怖症だからこそ彼氏・彼女を作るべき5つの理由」という記事も読んでみてください。