わたしは以前、対人恐怖症(視線恐怖症や咳・咳払い恐怖症など)を治そうと抗不安薬・向精神薬を飲んでいたんですが、アカシジアになったのをきっかけに断薬しました。
かわりに栄養面から、こういった諸症状を改善しようと現在は試行錯誤しています。
そこで備忘録として、対人恐怖症の改善に役立つかもしれない栄養素(栄養成分)と、それを多く含む食べ物についてまとめてみました。
栄養療法を考えている対人恐怖症者の方の参考にもなれば幸いです。
ビタミンB1(チアミン)
ビタミンB1(チアミン)は、集中力の向上やイライラの沈静化に効果がある栄養素です。
恐怖症になると目の前のことに意識を向けられなくなったり嫌な場面に遭遇した際にすぐイラついたりしてしまいますが、そういった症状の緩和に役立つでしょう。
ビタミンB1には疲労回復の効果もあり、メンヘラ特有の体のだるさも解消してくれるかもしれません。
ビタミンB1が多い食べ物
うなぎ、かも、こい、すじこ、すっぽん、たらこ、ハム、豚肉、ふな、ベーコン
ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB6(ビリドキシン)
ビタミンB3(ナイアシン)とビタミンB6(ビリドキシン)は、心の安定を保つ脳内物質「セロトニン」を作る栄養素です。
常に不安を抱いてしまうわたしたちには必須の栄養素といえますね。
セロトニンは不眠症の解消にも効果があるので、恐怖・緊張で興奮がおさまらず睡眠不足気味なときもこういったビタミン類を摂取すると良いでしょう。
ビタミンB3が多い食べ物
いわし、かつお、牛肉(レバー)、クジラ肉、たらこ、鶏肉、豚肉(レバー)、まぐろ、めんたいこ、らっかせい
ビタミンB6が多い食べ物
いわし、かつお、カモ肉、牛肉(レバー)、さけ、鶏肉、にんにく、ビーフジャーキー、ピスタチオ、まぐろ
ビタミンB12(コバラミン)
ビタミンB12(コバラミン)は、集中力を上げたり、うつ状態になるのを防いだりする栄養素です。
厳密には、ビタミンB12を構成する成分のひとつである「コバルト」にこうした効能があります。
対人恐怖症が悪化してうつ病が併発してしまうリスクを小さくしてくれるかもしれません。
ビタミンB12を多く含んでいる食べ物
あかがい、あさり、 いくら、牛肉(レバー)、しじみ、すじこ、鶏肉(レバー)、のり、はまぐり、ほっきがい
ビタミンC
ビタミンCは、心身をストレスから守ってくれる栄養素です。
不安や緊張をやわらげてくれるだけでなく、睡眠不足や体の疲労感も解消してくれます。
その場の恐怖だけでなく、恐怖を感じたあとのグッタリ感もケアしてくれるわけですね。
ビタミンCを多く含んでいる食べ物
アセロラ、いちご、柿、 キウイフルーツ、グレープフルーツ、ケール、ピーマン、パパイア、はっさく、芽キャベツ
カルシウム
カルシウムは、神経過敏な状態を落ち着かせてくれる栄養素(ミネラル)です。
対人恐怖症は神経症の一種といわれていますので、まさにピッタリといえるでしょう。
恐怖やストレスを感じにくくし、感じたとしてもそこから来る緊張や興奮をやわらげてくれます。
カルシウムが多い食べ物
あゆ、いかなご、いわし、牛乳、桜えび、ししゃも、しらす干し、脱脂粉乳、チーズ、わかさぎ
マグネシウム
マグネシウムもカルシウムと同じく、神経過敏の緩和に効く栄養素(ミネラル)です。
セロトニンを作ってくれたり、体温の調節機能によって冷え症を改善してくれたりする効能もあります。
対人恐怖症だけではなく自立神経失調症にもおすすめの栄養素といえそうです。
マグネシウムを多く含んでいる食べ物
あさり、油揚げ、がんもどき、しらす干し、するめ、なまこ、納豆、干しあわび、干しえび、ひじき
鉄
鉄は酸素と関係の深い栄養素(ミネラル)であるため、呼吸を整えるのに役立ちます。
対人恐怖症になると呼吸が浅くなりがちなので、積極的に摂取しておきたいところです。
またストレスに強くなったり、神経過敏になりにくくなるという効果もあります。
鉄を多く含んでいる食べ物
あかがい、あゆ、牛肉(センマイ)、 しじみ、たにし、どじょう、鶏肉(レバー)、煮干し、豚肉(レバー)、ほっきがい
トリプトファン
トリプトファンもセロトニンの生成に役立つ栄養素(アミノ酸)で、恐怖心や不安感をやわらげたり寝つきを良くしたりするのに効果的です。
そのほかには、集中力を高めてくれるという効能もあります。
トリプトファンが多い食べ物
アーモンド、かつお、牛肉、すじこ、たらこ、チーズ、鶏肉、ひまわりの種、豚肉、まぐろ
ギャバ(GABA)
ギャバ(GABA)は、恐怖症状をおさえる効果が実験で認められた貴重な栄養成分です。
神経の興奮をおさえ情緒不安定になるのを防いでくれるほか、リラックスや安眠といった効能もあります。
また眼球の動きをコントロールするのにGABAが役立つという研究結果があるため、脇見恐怖症や自己視線恐怖症の改善も期待できるかもしれません。
ギャバが多い食べ物
キムチ、小魚(じゃこ)、雑穀米、チョコレート、トマト、納豆、発芽玄米、もやし、ぬか漬け、緑茶
テアニン
テアニンは、対人恐怖症のさまざまな症状に効き目がありそうな栄養成分です。
リラックスできたり、ストレスに強くなったり、寝つきが良くなって熟睡できるようになったり、集中力が上がったり、冷え症が改善したりと、たくさんの効能をもっています。
テアニンが多い食べ物(飲み物)
ウーロン茶、紅茶、緑茶(かぶせ茶、玉露、抹茶)
DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、情緒を安定させてくれる栄養成分です。
DHAには集中力向上の効能もあります。
ふたつの成分を満遍なく摂取すると相乗効果が高いです。
DHAが多い食べ物
あじ、あゆ、いわし、うなぎ、かずのこ、さけ、さば、さんま、にじます、まぐろ
EPAが多い食べ物
あなご、あゆ、いわし、うなぎ、さけ、さば、さんま、ぶり、ほっけ、まぐろ
いまのところ以上の13種類の栄養素・栄養成分が、対人恐怖症の改善に効果がありそうです。
ビタミンB群やミネラルが多くなっていますね。
ちなみにビタミンB群については、いずれかを摂取するよりもB群全体をまとめて取ったほうが良いといわれています。
またこうした栄養素や栄養成分には、熱に弱かったり溶けやすかったりする特徴が種類によってはあるようです。
食べ物を調理する段階で症状改善の効果・効能が失われてしまうかもしれませんので、必要な栄養をきちんと補給したいならサプリメントに頼るのも有効でしょう。
たとえば『元気セブン』というサプリでは1度に30種類の栄養素を摂取でき、『リラクミンSe
』はセロトニン不足をサポートしてくれます。
最後に、今回の記事執筆にあたって参考にした本を以下にまとめました。