わざとらしい咳をよくする人や何度も咳払いを繰り返している人をみると、悪意のある威嚇や嫌がらせのように感じたりしますよね。
しかし、この点についてあまり考えすぎないほうが良いでしょう。
わたしのように咳・咳払い恐怖症を発症してしまう(咳・咳払い恐怖症を悪化させてしまう)かもしれません。
いちおう「人がわざとらしく咳や咳払いをする理由(目的)」について9つほど書いてみましたが、すべてわたし個人の推測です。
妄想をふくらませすぎて対人恐怖症がますます悪化したり統合失調症になってしまう恐れもありそうですので、以下は自己判断でお読みください。
1. のどが不調だから
わざとらしく聞こえる咳・咳払いは、単純にのどの不調が原因とも考えられます。
風邪・鼻炎・インフルエンザ、声の出しすぎ、喫煙(たばこ)などで、のどに痰(たん)がからまったりイガイガを感じる人はいるでしょう。
わたしの妻のように、女性でも食後に痰がからまりやすいという人もいます。
いろんな声質(声が高い・低いなどの種類)があるように、咳や咳払いの音の種類もさまざまです。
変な・わざとらしいものに思えても、当人にとっては自然なものなのかもしれません。
のどの不調による咳・咳払いは生理現象なので、もちろん悪意や意図はないといえます。
痰を切らないと苦しい・スッキリしないから、そのような行為をしているだけです。
2. チック症だから
精神障害として「チック症」というものがあります。
その症状のひとつが「音声チック」で、咳・咳払いや鼻すすりなどを行うのが特徴です。
チック症は子どもに多いそうですが、大人になってから発症する人も少なくないといわれています。
周囲への配慮なく咳や咳払いをする癖のあるその人は、チック症(またはトゥレット障害、てんかん)なのかもしれません。
独り言をブツブツと言う癖もあるならその可能性は高いです。
チック症の患者は病気の発作として無意識・無自覚に咳(咳払い)を行います。
そこには意図などがまったくないといえるでしょう。
3. アピールしたいから
何かのアピールや合図・サインをする目的で、故意に咳または咳払いをする人もいますね。
そのほか、相手の気を引きたいなどの心理的理由・自己顕示欲からそうする人も一定数います。
たとえば街で知り合いを偶然みつけ、自分の存在を気づかせるため咳(咳払い)。
図書館など静かにすべき場所で、うるさいグループに対して注意する意味で咳払い。
好きな人や恋愛中の相手と目が合うと(恥ずかしさもあいまって)咳払い。
こういった場面は、ドラマなどでもたまに目にするかと思います。
空気を読む文化の日本社会ならではです。
咳・咳払い恐怖症のわたしからすると、相手に気づいてほしいなら声を出して発言すれば良いのに…と感じますが。
4. 緊張しているから
心理的に緊張する場面で咳払いする癖がある人もよく見かけます。
人前でのプレゼン(発表)、結婚式でのあいさつ、好きな異性(好みのタイプの異性)を目の前にしたとき、授業中に当てられたときなどです。
どうして緊張すると咳払いしたくなるのかはよくわかりません。
緊張でのどに痰が絡まっているからか、緊張感を払拭するためかの2パターンだとわたしは考えています。
前者は生理現象ともいえますし、発声のため痰を切るのは仕方ないことでしょう。
後者はちょっと自己中心的な態度で、自分の気分が最優先というようにみえて個人的には嫌ですね。
5. 気まずいから
単純な気まずさから咳・咳払いでごまかす人も結構います。
この仕草は女性より男性に多いです。
たとえば、ささいな口論で自分の非を認められず咳払い。
自分のミスが意図せずバレて咳払い。
好きな人と目が合うと(恥ずかしさもあいまって)咳払い。
上記のような場面もドラマで見かけますし、日常生活でも少なくないでしょう。
わたしからみると、そのような仕草をすることで余計に気まずい状況になっている気もしますが。
6. 不快だから
不快・不愉快な思いをした(している)ため、その憂さ晴らしやストレス発散として咳や咳払いをするパターンです。
自分の中に湧いた怒り、うっとおしさ、気持ち悪さといった感情を払拭すべく咳払いします。
たとえば道で追い抜きざま・すれ違いざまに咳払いする人は、前方の人に対して「邪魔だ」などと心理的に不快になったからそうしたんでしょう。
通勤ラッシュ時の満員電車でも同じような状況に遭遇したりしますね。
また、わたしが自己視線恐怖症や脇見恐怖症だからかもしれませんが、相手の視線(気配)に不快感を抱き咳払いをする人も多い気がします。
たとえば前の席に座っている人や前方を歩いている人を意識し過ぎると、その人が咳払いすることが少なくありません(「なんか見られている気がする」などと不快になって咳払いしているように思えます)。
7. 威嚇したいから
「6. 不快だから」と似ていますが、他人を威嚇する(自分の存在を誇示する)目的でわざと咳・咳払いしている人もいそうです。
とげとげしさのある、攻撃的な咳・咳払いをします。
自分の心理的なパーソナルスペースに侵入させないための本能的な反応でしょうか。
視界に入っている(と思われる)相手に対して、咳や咳払いで圧力をかけているようにみえます。
対人恐怖症でもあるわたしは他人への警戒心が強いので、それに反応して威嚇してくる人も多いように思います。
こちらが警戒する(≒敵意を向ける)と相手もそれ相応の反応をするという流れは、まさに「人は鏡」という感じです。
また自分より劣っているように見える人に対して、威張るように咳(咳払い)する人も少なくありません。
このようなタイプの人はなんらかの劣等感を強く抱いていることが多く、自分より下と思える人を見つけると相手を見下すように咳や咳払いをします。
おとなしそうな見た目の人がターゲットになりやすいです。
8. 嫌がらせしたいから
職場でのモラハラや学校でのいじめなど、嫌がらせをするための咳・ 咳払いもあります。
そうした行為は何かの拍子であてつけがましく(嫌味たらしく)、または威圧的に行われるようです。
咳(咳払い)の音は、聞いていて少なくとも気分の良いものではありません。
そうした嫌なものを相手にわざと聞かせる行為は、明らかな嫌がらせといえます。
ちなみに赤の他人からこうした嫌がらせをされることはないでしょう。
さすがにそこまでの妄想は、もはや統合失調症です。
9. 咳・咳払い恐怖症だから
もしかすると咳や咳払いを故意に行うその人も、(軽度の)咳・咳払い恐怖症なのかもしれません。
相手の咳(咳払い)が異常に気になってしまうために、自らわざと咳や咳払いをして自分の緊張感・不快感を払拭したり相手を威嚇します。
実はわたしも咳・咳払い恐怖症を発症したばかりのころは、そのような感じでした…。
他人の咳・咳払いに仕返しするかのように同じ仕草をしたり、誰かの咳・咳払いを聞かされる前に自分から意図的に咳払いしたりしていたのです…(いまは深く反省しています)。
ちなみに咳・咳払い恐怖症とはいかないまでも、ほかのメンタル面の不調が原因になっている場合もあります。
心が落ち着かず緊張・不快を感じているため咳や咳払いをするメンヘラの方(うつ病やアスペルガー障害の患者の方)も多少いるようです。
電車などで咳の連鎖反応が起こるのも、上記のような理由がひとつあるのかもしれません。
車内で他人どうしが咳・咳払いの仕返し合戦を繰り広げているようにみえることがあります。
そのほかにも、人が故意に咳や咳払いをする理由・目的はさまざまあるかと思います。
結局は、その人に直接聞いてみないとわからないですし、単純な癖として無意識・無自覚に咳(咳払い)をしている人も少なくないでしょう。
わたしたちが必死に理由や目的を考え抜いても、自分の妄想を悪化させるだけです。
いちばん良いのは、咳も咳払いにもとらわれ続けないことだと考えています(それがなかなか難しいんですけどね…)。