咳・咳払い恐怖症は、咳や咳払いをするのがこわいという症状ではありません。
咳や咳払いをされたと思ってしまう病気のことです。

ここでは咳・咳払い恐怖症の意味と、その具体的な症状を15項目まとめてみました。
診断テストにもなっていますのでチェックしてみてください。

なお咳・咳払い恐怖症のような概念は精神医学では極めて認知度の低いものであり、以下の説明もあくまでわたしの個人的な意見です。
(そもそも「咳・ 咳払い恐怖症」という言葉はわたしが勝手に作った造語ですし…。)

咳・ 咳払い恐怖症とはどういう病気なのか

咳・咳払い

咳・ 咳払い恐怖症とは、自分以外の人の咳や咳払いに異常な恐怖心を持ってしまう病気を意味します。
念のため説明しますが、咳は「ゴホッ」、咳払いは「ンンッ」みたいな音です。

風邪やインフルエンザなどの病人の方が発するそれらに対してはあまり恐怖を感じません。
咳・ 咳払い恐怖症は、明確な根拠(理由)のない咳や咳払いに対して恐れを抱いてしまう病気です。

そうした恐怖心は自己嫌悪や(咳・咳払いをした相手への)怒りに変わったり、場合によっては敵意にすら悪化することもあります。
咳などをされたという被害妄想が強まり、相手へ何かしらの報復攻撃をしたいと思ってしまうわけです。
そうした敵意がやがて本格的な人間嫌いの感情になり、対人恐怖症を発症することもよくあります。

咳・咳払い恐怖症の症状が出るのは、実際にそれらの音や動作を聞いたり見たりしたときだけではありません。
いつ誰が咳や咳払いをするのか、どこからそうした音が聞こえてくるのかを異常に警戒し、おびえ続けます。

基本的に咳・ 咳払い恐怖症は、人がいる場所(人の気配を感じる空間)では常に落ち着けない精神状態です。
人の存在に気づくといつも心がソワソワしてしまいます。
この点では、ほかの対人恐怖症の症状(視線恐怖症など)と同じですね。

というより、咳・ 咳払い恐怖症の患者はすでにほかの症状を持っている場合が多いでしょう。
わたし自身、視線恐怖症や雑音恐怖症を原因として咳払い恐怖症を発症しています

対人恐怖症の諸症状には被害妄想や加害妄想などが根底にあることが多く、そうした「妄想」が咳・ 咳払い恐怖症と結びつきやすいのです。
たとえば自己視線恐怖症なら、自分が見たから咳をされたと思い込みます。
他者視線恐怖症なら、自分の挙動不審な動作を見られて咳払いされたと勘違いします。

また咳・ 咳払い恐怖症の原因のひとつとして、音に対して敏感な気質というのもあるでしょう。
咳や咳払いの音はたいてい大きく目立つものですが、健常者は不思議なことにあまり気にしません。
しかし音に敏感だと、ひとつひとつの咳・咳払いにいちいち驚いてしまいます。
そしてやがて「今度は驚かされまい」と警戒心が芽生え、咳・ 咳払い恐怖症の発症に至るわけです。

咳や咳払いは人間の生理現象でもあるため、街中はもちろん室内でも人と接する場面では避けられないものといえます。
そのため咳・ 咳払い恐怖症に悩んでいると、人との接触を避けて外出恐怖症になったり引きこもりになりがちです。

咳・ 咳払い恐怖症度診断テスト

それでは、咳・ 咳払い恐怖症度を診断してみましょう。
以下の症状(特徴・癖)のうち、「ある」とおもう症状をチェックしてください。

なお、この診断はもちろん専門的なものではありません(前述のとおり咳・ 咳払い恐怖症というものは精神病と認められていませんからね)。
ただ、わたしの長い患者歴(15年ほど)をもとに作成したものですので参考になるかと思います。

咳・ 咳払い恐怖症のおもな症状15項目

チェック数におうじた咳・ 咳払い恐怖症度(レベル)は以下の一覧表のとおりです。

チェック数 咳・ 咳払い恐怖症度 補足コメント
0 0 咳・ 咳払い恐怖症ではありません。
1~3 30 咳・ 咳払い恐怖症になりかけています。
4~7 60 咳・ 咳払い恐怖症が完全に発症しているだけでなく、対人恐怖症にもなりかけています。
8~12 80 咳・ 咳払い恐怖症と対人恐怖症が発症しています。
13~15 100 咳・ 咳払い恐怖症と対人恐怖症が慢性化しているだけでなく、統合失調症にもなりかけています。

ちなみに上記のそれぞれの症状(特徴・癖)について、下に並んでいるものほど深刻なものだとわたしは考えています。
なので、たとえチェックした個数が少なくても、そのなかに深刻な症状が含まれているのであれば重症レベルの咳・ 咳払い恐怖症といえるでしょう。

繰り返しになりますが、この診断テストはわたし自身の経験をふまえて作ったものです。
咳・ 咳払い恐怖症という概念自体がまだ認められていませんので、テスト結果はひとつの目安程度にとらえてください。
自分の症状がどのくらい深刻なのか把握するくらいで十分でしょう。