人の視線が気になる。
自分の視線が気になる。
こういった状態が何なのか調べていると、「視線恐怖症」という言葉を目にしますよね。
しかし本当に自分が視線恐怖症なのか、それとも気にしすぎなだけなのか判断できない人もいることでしょう。
そこでこの視線恐怖症とはいったいどんな病気なのかについて、代表的な症状もふまえながら説明してみました。
わたしは専門家ではありませんが、視線恐怖症の患者歴は長い(脇見恐怖症は高校2年で発症)のでそれなりに信ぴょう性はあるかと思います。
自己診断の目安についてもいちおう書いてみましたのでチェックしてみてください。
視線に不安・恐怖を抱く病気「視線恐怖症」
視線恐怖症とは、おおまかにいえば人や自分の視線を意識し、不安や恐怖を抱く病気です。
「気になる」くらいの軽度の症状から日常生活に支障をきたす重度のもの(重症レベルのもの)まであります。
視線恐怖症は、その症状が人前で生じるため対人恐怖症の一種と考えられています。
患者本人は自覚していなくても、心の奥底に「人がこわい」という気持ちがあるわけです。
そのため視線恐怖症が悪化するにつれ、だんだんと人そのものを避けるようにもなります。
対人恐怖症は神経症の一種といわれているため、視線恐怖症は神経症と考えることもできます。
神経症とは簡単にいえば「ノイローゼ」のことです。
「気にしすぎ」という状態ではなく、「とらわれている」(頭から離れない)状態を指します。
視線恐怖症は、視線にとらわれているという意味で「視線ノイローゼ」といえそうですね。
そのほか視線恐怖症のつらさや苦しみから、うつ病を併発する場合は多いかもしれません(わたし自身、大学生のころ視線恐怖を治したくて努力するもなかなか治らず、うつ病気味になりました)。
また、視線へのとらわれから思い込みや妄想が強まれば、統合失調症が発症する恐れもあるでしょう。
視線恐怖症の代表的症状4種類
視線恐怖症には、その特徴ごとに以下の4つの代表的症状があります。
カッコ内におもな具体的症状を書いていますが、ほかにもいろんなものがあるので、くわしくは各リンク先の診断テストをチェックしてみてください)。
これらの病気は完全に独立したものではないため、ふたつ以上の種類を併発するケースがあります。
たとえば脇見恐怖症と他者視線恐怖症、自己視線恐怖症と正視恐怖症はよくみられる併発パターンです。
わたしは4種類すべてにかかっていますが(汗)。
各症状の定義は医療界で統一されていないようです。
とくに自己視線恐怖症の定義と正視恐怖症のそれは混同されている気がします。
精神科医や心理カウンセラーといった専門家でも区別があいまいな方が結構いますので、文献やサイトを閲覧する際は注意しましょう。
視線恐怖症の自己診断の目安
「自分が視線恐怖症かどうか」の自己診断をする目安としては、まず視線について悩むとき、自分の心のなかに不安、緊張や恐怖があるかどうかです。
なぜ視線が気になるのか自分に問いかけてみて、その答えのなかに不安・恐怖などがあるなら視線恐怖症と判断できるでしょう。
視線が気になる状態が日常的に続くかどうかも自己診断の目安になるはずです。
見られること、見ることに対するストレスを毎日どこかしらで感じるのであれば、視線恐怖症が発症しているといえるでしょう。
さらに具体的な症状については、前述した4つの症状それぞれの記事にて診断テストを確認してみてください。
くわしい病状を把握できるかと思います。
なんとなく視線を感じる、たまに人目が気になるくらいであれば視線恐怖症とはいえないでしょう。
ただの「気にしすぎ」です。
人間社会で生きている以上、人の視線は多かれ少なかれ気になるものですからね。
日本人は不安になりやすい民族なので余計にその傾向が強くなります(セロトニントランスポーター遺伝子の組み合わせで日本人は「SS型」(不安を感じやすいタイプ)がもっとも多い)。
以上、視線恐怖症について自分なりに説明してみました。
視線にとらわれ不安や恐怖を感じているなら、前述した代表的4症状のいずれかには当てはまるでしょう。
自己診断をしながら、自分の症状を見極めてもらえればと思います。
ただ、あまり自分のことを病気だと考えすぎないようご注意ください。
病状が悪化してしまうかもしれませんので…。