視線恐怖症(脇見恐怖症)になってから数十年。
治らないのならせめてそのつらさや苦しさをやわらげようと自分なりに対策を考えてきました。
この記事では、そうした自己流の視線恐怖症対策をご紹介します。
視線恐怖症を治療・改善するものではありませんのでご注意ください。
あくまで症状の「緩和」に効果があると感じるものをまとめています。
対策その1. 堂々とする
視線恐怖症対策のひとつ目は、「堂々とする」ことです。
自己視線恐怖症、他者視線恐怖症、正視恐怖症、脇見恐怖症といったすべての症状を緩和してくれるでしょう。
堂々としていると、他人はもちろん自分の視線も気にならなくときがあります。
いま取り組んでいること、目の前の物事に意識を向けられている感覚といってもいいかもしれません。
わたしの経験上、視線恐怖症でオドオドしていると他人から実際に見られやすい、または気にされやすいです。
オドオドして挙動不審になれば「なんか変な人だな」と相手は見てきますし、オドオドして心がソワソワしていれば緊張感が相手に伝わってこちらを意識してきます。
「いちいち見てくるな」という気持ちはありますが、かく言うわたしだって、視界に挙動不審な人がいたら目で追ってしまうことが多いです(汗)。
どうも人間とはそういう生き物らしく、まわりにおかしな人がいれば結構な確率で注目するか注意を向けます。
他人を気にする人の割合が多い日本人ならなおさらでしょう。
だから上記の経験則をふまえて、わたしはできるだけ堂々とするよう心がけています。
挙動不審になりにくく、また心のソワソワも小さくなるので、相手から視線や意識を向けられにくいです。
その結果、自分側でも相手の視線や存在が気にならなくなり、さらには目の前のことに集中できたりします。
ただ、このテクニックは精神力を消耗するかもしれません。
少なくともわたしはそうで、堂々としている時間が長いほど心がクタクタになりやすいです。
基本的にオドオドしながら生きているので、急に堂々とすると疲れてしまうんでしょう。
なのでメンタルヘルス的に良い方法なのかどうかは不確かです。
堂々としようと心がけていて精神状態が悪化してしまったら元も子もありませんからね。
まずは、その場しのぎの対策として実践してみることをおすすめします。
対策その2. フレームの太いメガネ・眼帯
他者視線恐怖症や脇見恐怖症の対策として、フレーム(縁)の太いメガネ
をかけるのも有効でしょう。
とくにテンプルと呼ばれる部分(横のフレーム)の太いものがおすすめです。
このようなメガネにすれば左右や斜めうしろの視界がさえぎられるので、まわりからの視線や隣の視界が気にならなくなるわけですね。
目玉の動きを気にしている脇見恐怖症の方にも、自分の目の動きを隠せるという意味で役立つはずです。
昔なら黒ぶちメガネは目立ってしまって逆に他人の視線が気になったかもしれませんが、現代ではそんなことありません。
フレームの太いメガネはファッションアイテムの定番ですし、度の入っていない伊達メガネでも気軽にかけられます。
最近では花粉対策メガネもあり、こちらも視線恐怖症(とくに脇見恐怖症)の対策になって一石二鳥です。
「脇見恐怖症・視線恐怖症が緩和しそうなメガネまとめ」という記事では、おすすめのメガネを厳選してピックアップしています。
そちらもご参考ください。
ただ極度の神経質または神経症の人には、このテクニックを完全におすすめできません。
わたしは逆に症状が悪化してしまった気もするからです。
フレームの太いメガネを買った最初のころは快適だったんですが、だんだんとフレームの外側が気になるようになりました。
「フレームの外では人がこっちを見ているんじゃないか」
「自分の目玉の動きは本当に見えていないんだろうか」
などという妄想や不安が強まってしまったんです。
結果として、メガネを買う前よりも周囲や隣に意識が向きやすくなってしまいました。
フレームに頼りすぎないことが大切なんだと思います。
視線や視界をさえぎったり目玉の動きを隠せるからといって意識をまわりに向け続けていたら、結果として逆効果になってしまうでしょう。
メガネはあくまで補助的なものと考え、目の前の作業に集中するよう常に心がけておいたほうが良いです。
また同様の対策として、眼帯をつけるという方法も使用シーンは限られますが有効でしょう。
教室の端の列に座ったときなど左右どちらかの視界だけ狭くできれば十分という場面では、眼帯で脇見や他者視線恐怖の症状が多少やわらぎます。
ただ電車のなかなど両方向の視界が気になる状況では、眼帯をつけても効果は期待できません。
ちなみに女性限定な気もしますが、 髪で視界をせばめるという対策もありますね。
脇見恐怖症なら、前や横の髪を伸ばすことで脇の視界がせまくなるでしょう。
自己視線恐怖症なら、前髪を目の近くまで伸ばせば正面の視野がせまくなるはずです。
普段の髪型を変えるのが嫌ならウィッグを使うのもアリかもしれません。
対策その3. サングラス・帽子
自己視線恐怖症や正視恐怖症の対策としては、サングラスや帽子がおすすめです。
目つきを隠せますので、自分の視線が気にならなくなります。
フレームの太いメガネと同様に、他者視線恐怖症や脇見恐怖症の人にも効果的でしょう。
サングラスをかけたり帽子を深くかぶれば周囲の視線から身を守れますし、自分の目の動きも隠せますね。
ただサングラスについては黒ぶちメガネや帽子とくらべて日本社会で普及していませんので、かけていると目立ってしまい余計に人目が気になる恐れはあります。
「それでもサングラスで守られているから大丈夫」と考えられるなら問題ないです。
あと会社や学校ではサングラスは使えないでしょうね…。
もしかすると私服OKの職場なら事情を説明すれば許してもらえるかもしれません。
もちろんフレームの太いメガネの場合と同じく、症状がさらに悪化してしまう危険もあります。
サングラスや帽子を身につけている状態に依存しすぎないことが大切でしょう。
対策その4. 音楽プレーヤー
音楽プレーヤーで音楽を聞くのも、視線恐怖症対策として効果があります。
意識が音のほうにも向き、他人への意識が弱まるからです。
音楽プレーヤーのイヤホンは外部の音が聞こえづらいカナル型のものが良いでしょう。
お金に余裕があるなら、わたしも愛用しているBoseのノイズキャンセリングイヤホンを使ってみてください。
カナルイヤホンの10倍以上は防音性能が高い感じです。
ただし移動中に音楽を聞く際はご注意を…。
事故に巻き込まれやすくなりますからね。
また音楽の種類によっては、集中力がさらに落ちる恐れもあるかもしれません。
ポップソングなど歌声が入っている音楽だと作業に集中しづらいはずです。
ホワイトノイズ、ブラウンノイズ、雨や川の環境BGMをおすすめします(わたし(ケンイッチ)のYouTube再生リストも参考にしてみてください)。
対策その5. ガム
ガムを噛むという方法もあります。
噛むことに意識が向かうので、視線恐怖の対象に意識が向かいにくくなるでしょう。
集中力向上の効果もあり、勉強や仕事をするときにもおすすめです。
わたしは電車やバスなどの公共交通機関を利用するとき、キシリトール入りのガムをよく噛んでいます(虫歯予防にもなって一石二鳥)。
周囲の人の視線がいくらか気にならなくなるのは実感ずみです。
気分を変えてミントタブレット(ミンティアなど)や、あめを食べることもあります。
デメリットは、授業中や勤務中に実践しにくいという点です。
ガムを噛んでいるのは態度が悪いというイメージがありますからね。
ただ、会社なら職場によってはOKのところもあるはずです。
また、視線恐怖症対策としての有効時間が限られている気がします。
ガムを噛み始めたころは集中力が上がるのを感じるでしょうが、噛むことに慣れてくるとその効果が減ってしまうかもしれません。
ときどき噛むスピードやリズムを変えて飽きないようにすると、効果がいくらか持続するでしょう。
いまのところ思いついたのは以上のような対策です。
わたしは何十年も視線恐怖症が治らないままですが、上記の方法を取り入れることでなんとか生活できています。
今後も新しい対策をみつけたら追加していきますね。
ちなみに、日常のさまざまな場面での視線恐怖症対処法も書いてみました。
今回まとめた対策をベースとして、それらの対処法も参考にしてみてください。