ネットをみているとメンヘラ(心の病気を持っている人)同士で付き合っているカップルが結構いるみたいですが、わたしはメンヘラ同士の交際は止めたほうが良いと考えています。
わたし自身メンヘラの方と付き合ったことはないんですけれどね(汗)。
ただメンヘラ気味の人とはお付き合いをしたことがありますし、自分と同じような症状(対人恐怖症など)を持つ人との交際を想像してみるとやはり「止めたほうが良いな」と強く思います。
その理由を5つ書いてみました。
1. 互いに思いやれない
カップルが長続きするには、お互いに思いやることが大切でしょう。
相手を思いやれば相手もこちらに気づかいをし、気持ちの良い関係が続きます。
しかしメンヘラになると自分のことで精いっぱいで、なかなか相手を思いやれません。
メンヘラ同士のカップルは互いにそんな状態なわけですから、交際できても長く続かない気がします。
もちろん恋愛をするからには、相手を思いやる気持ちがまったくないとはいえません。
ただ、症状的につらいとき自分を第一にしてしまうのです。
わたしも対人恐怖症の症状がひどいときは交際相手との約束をよくドタキャンしてしまい、結果として振られてしまいました。
メンヘラ同士のカップルの場合は、こうした出来事が単純に考えて2倍の頻度で起こります。
お互いに相手への配慮を怠り、裏切りを繰り返していたら、それぞれ相手への不信感を強めることになってしまいますね。
不信感を強めれば心の余裕がさらに無くなり、お互いにもっと自己中心的になっていくでしょう。
そうなれば別れは目にみえています。
2. 症状が悪化する
メンヘラ同士で付き合うと、心の病気に関する悩みを共感しやすいでしょう。
症状に違いはあっても同じ「心の病気」を持つ恋人がいるのは頼もしいし、うれしいですからね。
しかしそれが仇(あだ)となって、症状を悪化させてしまうかもしれません。
わたしも含めてメンヘラの方が抱く悩みというのは、妄想といえる部分もあります。
ところが相手に悩みを共感してもらえると、それが現実であるかのように思えてくるのです。
「わかる、わかる」と賛同されることで「自分の考えは間違ってなかった」と感じ、妄想を強めてしまいます。
メンヘラ同士のカップルの場合、こうしたやり取りを双方向で行っているわけです。
互いに相手の悩みに共感し合い続ければ、互いの症状を悪化させることになってしまうでしょう。
誰もふたりの妄想を正せない状況というのは危険だと感じます。
3. 症状が改善しない
もちろんメンヘラ同士で長く付き合っても症状が悪化しないカップルもいるはずです。
とはいえ、症状が改善に向かっているわけでもないように思います。
メンヘラ同士で付き合うと、同じような心の病気に悩んでいる恋人の気持ちが痛いほどよくわかるでしょう。
だから症状でつらい思いをしている姿をみると、つい過保護をしてしまうのです。
しかしそれでは症状改善につながりません。
メンヘラカップルはお互いに過保護をしがちで、症状はずっと現状維持というわけです。
もし少しでも自分の症状を改善したいと思うのなら、こうした環境から脱するべきでしょう。
健常者と付き合ったほうが、相手は自分の病気についてよくわかっていないぶん、症状改善に立ち向かう機会が何度も訪れます。
実際わたしは妻にリハビリの機会をもらっていると感じていますよ。
4. 身の危険がある
メンヘラにも健常者と同じく攻撃的なタイプの人と、おとなしいタイプの人がいます。
ただ、わたし自身も昔そうでしたが、メンヘラで攻撃的な人というのは健常者のそれとくらべて狂気じみているかもしれません(汗)。
もしメンヘラ同士のカップルが揉め事をし、双方が攻撃的な性格だった場合とても危険です。
最初は口論だったものがどんどんエスカレートし、事件沙汰になってしまう恐れがあります。
同じメンヘラでも一方がおとなしいタイプだったらまだマシです。
一方が耐えているうちに攻撃的な態度がおさまるでしょう(これはこれでDV問題ですので警察に相談すべきですが)。
ただ、どんな性格かは付き合ってみないとわからないし、付き合ったとて土壇場になるまで本性を出さないメンヘラもいます。
いつ狂気をむき出しにするかわからないメンヘラがいるのです。
そんなメンヘラ同士で付き合うのはお互いに身の危険があるように思います。
一方が健常者であれば、警察を呼ぶなど何らかの対応がすぐにできるでしょう。
しかしメンヘラの場合は興奮状態では妄想が強くなり冷静でいられないので、そうした対応がおそらくできません。
メンヘラ同士の交際では、こうした最悪のケースのことも考えておくべきです。
5. 結婚(生活)のハードルが高い
日本社会では、カップルのままいつまでも内縁関係でいられるケースは多くありません。
どちらかの親に結婚をするかしかないかの決断を迫られるときが来るでしょう。
そのときメンヘラ同士でも結婚生活をやっていけると説得するのは、なかなかハードルが高いことだと思います。
片方が健常者ならまだマシですが、両方がメンヘラとなると親は心配し猛反対をするはずです。
そしてもし結婚ができたとしても、結婚生活を送るのも大変だと思います。
まず、ふたりで家計をやりくりできるのか常に不安との戦いでしょう。
いまはメンヘラでありながらなんとか収入を保てていても、いつ症状が悪化して家計がピンチになるかわかりません。
どちらかに悪い発作が起きて、前述の4.のように事件沙汰を起こしてしまうリスクもあります。
さらに子どもが出来た場合、きちんと育児ができるでしょうか。
自分のことで精いっぱいなのに赤ん坊を育てられるのか、少なくともわたしには自信がないです。
そもそも子どもにわたしの心の病気が先天的にせよ後天的にせよ受け継がれたら、後悔してもしきれません。
こうしたハードルもメンヘラ夫婦にはあるはずです。
もちろんメンヘラ同士で付き合うと良い面もあるでしょう。
同じような悩みを持つ人が身近にいるのは心強いですし、恋愛を通じて人間的に成長できる可能性もあります。
ただ健常者との交際とくらべた場合、上記の5つの理由からリスクが大きいように感じるのです。
安易な気持ちでメンヘラ同士でくっつくのは避けたほうが良い気がします。
恋人が欲しいなら、メンヘラの殻に閉じ困らず健常者との出会いを探してみてはいかがでしょうか。
「対人恐怖症者の彼氏・彼女の作り方」という記事を参考にしてみてください(うつ病、統合失調症の方にも参考になるかと思います)。