「脇民は電波(電磁波)を送っている。」
2ちゃんねるなどのネット掲示板をみていると、こんな説をたまに目にします。
しかし統合失調症にならないために、電波・電磁波うんぬんで脇見恐怖症を考えるのは止めたほうが良いでしょう。
脇見恐怖症は電波を送るものじゃない
わたしも含め脇見恐怖症になると自分から電波のようなものが出ていて、それが人に伝わっていると感じることがありますね。
たしかに人体から電波(電磁波)はわずかに生じているらしく、それはミリ波と呼ばれています。
昔、その仕組みを利用して開発が行われていたようです。
とはいえ、ひとりの人体が発するミリ波が別の人体に送られるとする研究結果については今のところ文献が見あたりません。
つまり人から微小な電波は出ているけれど、その電波が人に伝わることはないということでしょう。
今後どこかの研究機関が、ミリ波の人体への影響について発表する可能性はあります。
しかし脇見恐怖症の社会的な認知度は低いですので、脇見とミリ波の因果関係を証明する研究は残念ながら期待できない気がします。
つまり現時点では、脇見恐怖症を電波説で考えるのは科学的な証拠に乏しいことなのです。
妄想の範ちゅうを出ていないといえますし、こうした妄想は統合失調症でいう関係妄想(身の回りの出来事が自分と関係のあるように思い込むこと)とも似ています。
電波説を信じると統合失調症になってしまうかも…
電波説は今のところ妄想でしかありませんので、深入りをするのは危険です。
妄想が進み、統合失調症が本格的に発症する恐れがあります。
電波説を信じていると、たとえばテレビやラジオの映像・音声も妄想でとらえがちになってしまうのです。
自分から送られた電波が受信機を通じて出演者などに何らかの影響を与えていると思い込むようになります。
これはまさしく統合失調症の症状ですね。
電波説が厄介なのは、電波(電磁波)という概念そのものは実際に存在しているという点です。
テレビやラジオは電波の仕組みを使って機能しています。
そのため自分が電波を送っていると信じている限りは、テレビ・ラジオ上でのさまざまな反応を客観的に納得できてしまうわけです。
こうした「妄想⇒納得」の思考パターンを続けていると、やがて妄想が事実であるかのように思い込みやすくなっていきます。
統合失調症が発症している状態といえるでしょう。
このように電波説にこだわり続けると、脇見恐怖症だけでなく統合失調症にもなってしまうかもしれません。
脇民が電波や電磁波を送っているという説は、科学的に証明されていないものです。
いくら電波説を身をもって感じたとしても、それはあくまで妄想といえます。
脇見恐怖症から統合失調症になってしまわないために、電波説への深入りは止めましょう。