対人恐怖症(視線恐怖症など)になってから、人に「ブス」「ブサイク」などと言われることが増えた気がしますよね。
わざとらしい咳払いや舌打ち・つば吐き・貧乏ゆすりを目にしたときは、自分がやはりブス(ブサイク)だからだと被害妄想をしたりもするものです。

しかし多くの場合、顔立ちは問題ではありません。
「ブス」「ブサイク」と言われたりするようになった理由は別のところにあるとわたしは考えています。

「ブス」「ブサイク」と言われる理由

カボチャの顔

わたしたち対人恐怖症者・視線恐怖症者が「ブス」や「ブサイク」とよく言われるのは、おどおどしていて顔の表情がゆがんでいるようにみえるからです。
たいていの場合は、もともとの顔立ちが原因ではないでしょう。

人前でおどおどしていると逆に注目を浴びやすくなります。
日本社会において、視界にいる挙動不審者をわずかでも目で追う人は多いです。
しかもその不審者の顔がおかしな表情になっているなら、その者のことをブス・ブサイクと思う人がいても不思議ではありません。

人間は緊張すると、顔がこわばったり引きつったような表情になります。
客観的にみて美人・イケメンの人でも、緊張でぎこちない表情になったりするものです。
対人恐怖症者・視線恐怖症者は人や視線への恐怖心から過度に緊張しているために、ブス・ブサイクな表情になりやすいのですね。

また、おどおどした態度でいると人にいじられやすくなる気がします。
相手にとって遠慮せず物を言える空気をかもし出してしまうようなのです。
対人恐怖症者・視線恐怖症者が「ブス」などと言われやすいのは、このあたりにも原因があるのかもしれません。

わたしも視線恐怖症を発症してから、親友にさえ「おまえブサイクだな~(笑)」とからかわれることがありました。
いっぽうで、目つきを良くしようと整形したとき彼から「整形するほど顔は悪くないのに…」と言われてもいます。

やはり問題は顔立ちではないのでしょう。
いま思えば、人前で緊張しておどおどしているときに「ブサイク」などの言葉をよく投げかけられていたと記憶しています。
現在もたまに妻から「ブス」と言われるときがあり、妻によればそんなときわたしの顔は緊張でゆがんでみえるそうです。

「ブス」「ブサイク」と言われないためには

上記のような理屈があるにしても、「ブス」「ブサイク」と言われるのは気分の良いものではありませんね。
わたしのように年をある程度とれば平気になるでしょうが、若いころは傷つく人も多いかと思います。

これ以上「ブス」などと言われないためには、まず自信をつけることが大切です。
自信を持てるようになれば、人前で堂々とふるまえるようにもなります。
挙動不審になりにくく、顔の表情も生き生きしたものになるのでブス・ブサイクに見えなくなるでしょう。

虚勢で堂々とするだけでも一定の効果があります。
体と脳はつながっているため、緊張していても表面上どっしり構えていることで脳が錯覚し、おどおどした気分が小さくなったりするのです。

とはいえ虚勢を張り続けるのは疲れますので、ふと虚勢をやめたときにタイミング悪く「ブス」などと言われることもあるかもしれません。
そんなときは真に受けず聞き流しましょう。
他人に対して悪口を言う人のほうが人間的にブスであり、こちらが時間を割いて相手にする必要はないのです。
友人などに言われたとしても、前述のわたしの話のように悪意のあるものではないので気に留める必要はありません。

もちろん見た目を変えてみるのも、ひとつの方法だと思います。
清潔感のある服装や髪型にイメチェンするだけでも、ブス(ブサイク)に見えにくくなるでしょう。
心の病気で悩んでいると外見にまで気をつかう余裕がなくなったりしますので、試してみる価値は大きいです。
整形については、わたしのような失敗例がありますので止めておいたほうが無難かもしれません。

対人恐怖症や視線恐怖症になると普段からおどおどしやすく、そのせいで健常者からはブス・ブサイクな顔に見えてしまいます。
逆に考えると、たとえ虚勢でも堂々としていれば悪口を言われることはほとんどないはずです。