対人恐怖症という病気について、「時が経てば自然に治る」などと言われることがありますね(わたしも親や学校のカウンセラーなどからそう言われました)。
残念ながら何もせず自然治癒にまかせても対人恐怖症は治らないでしょうが、やり方しだいでは症状が改善するかもしれません。
時が経てば自然に治るわけではない
対人恐怖症を治すひとつの方法として、人に対する恐怖心をやわらげる必要があるとわたしは考えています。
何もせず時が経てば自然に治るものではないでしょう。
むしろ自然治癒に身を任せていると、どうしても楽なほうを選びがちです。
ますます人を避けるようになり、人への恐怖心がさらに大きくなる恐れがあります。
わたしは過去にアカシジアになり精神医療への不信感が強まったことで薬を飲んだりカウンセリングを受けるなどの積極的治療は行わず自然に身を任せていますが、対人恐怖症はまだまだ治りません。
10年以上経っても人に対する恐怖心は根強いです。
それはおそらく、対人恐怖症に甘えて人前に出ることを避けて生きてきたからだと思います(自宅療養中はだんだんと外に出なくなって引きこもり脱出をあきらめ、家出してひとり暮らしを始めてからもほぼ引きこもって生活していました)。
対人恐怖症は、前述のとおり人への恐怖心を小さくしていかない限り快方に向かいません。
そのためには人前から逃げず、人に慣れていくことが大切でしょう。
引きこもってただ時が経つのを待っているだけで自然に治ることはないはずです。
自然治癒のやり方しだいで改善するかも
ただ、自然治癒にも一理あると考えています。
やり方しだいでは対人恐怖症が改善する気がしなくもありません。
対人恐怖症を治そうとせず、視線恐怖症などの諸症状を抱えたまま人前で日常生活を送るのです。
するとやがて自然と人に慣れていき、人に対する恐怖心も自然とやわらいでいく可能性があります。
わたしも彼女(現在の妻)と再会し定期的にリハビリを行い続けることで、対人恐怖症の症状が緩和してきたと感じることがあります。
また以前に組織で働いていたときも、通い続けているうちに職場に慣れてきた感覚がありました。
それは人前に出て人への耐性がついていくにつれ、人への恐怖心が小さくなっていったからなのではないでしょうか。
つらくても学校・会社や買い物などに行き続ければ、それが自然治癒になるかもしれません。
ただ現時点でのわたしの印象としては、恐怖心はやわらいだものの依然として視線恐怖症や咳・咳払い恐怖症といった症状は根深く残り続けています。
今後もリハビリを続けていきますが、そのなかで視線恐怖症なども改善していくのか検証中です。
対人恐怖症は、人を避けている限り自然に治ることはないでしょう。
いっぽうで何の治療を行わずとも、人前で生活し続ければ対人恐怖心が小さくなったりします。
この意味では、自然治癒は対人恐怖症改善の方法として一理あるのかもしれません。