持病の対人恐怖症やその諸症状(視線恐怖症・脇見恐怖症など)について調べ物をしていると、たまに「本当?」という話や意見を目にします。
この記事では、そうした対人恐怖症に関するウソ、うわさ、都市伝説をまとめてみました。
症状の悪化や間違った治療をまねかないために、くれぐれも真実と思い込まないようご注意ください。
対人恐怖症・視線恐怖症になるのは日本人だけ?
対人恐怖症や視線恐怖症は、日本独特の精神疾患といわれています。
そうした説があるのは、日本人の対人恐怖症患者の数が外国人のそれと比較してかなり多いからでしょう。
外国に対人恐怖症患者・視線恐怖症者がまったくいないわけではありません。
たとえば対人恐怖症の症状のひとつである視線恐怖症は、英語圏で「scopophobia」「scoptophobia」「ophthalmophobia」という単語があるほど認知されています。
ネットで検索してみると、英語版ウィキペディアの解説ページや視線恐怖症の克服方法を説明したページなども見つかりました。
ほかにも赤面症(英語訳で「erythromania」)、吃音症(同じく「stammering symptom」)、自臭症(同じく「olfactory reference syndrome」)といった対人恐怖症の諸症状が概念として存在しているようです。
血液型と対人恐怖症は関係がある?
血液型と対人恐怖症になんらかの関係性があると信じている人も少なくありません。
しかし両者の関係は科学的に証明されていないのです。
対人恐怖症になりやすい血液型というようなものはないといえます。
対人恐怖症になりやすい「性格」というものはあるとわたしは考えていますが、性格も血液型とは何の関係もありません。
昔からあるような、血液型による性格診断についてもいまだに科学的な裏づけがないのですから…。
つまりやはり、血液型と対人恐怖症はなんの関係もないと考えられます。
対人恐怖症だと高血圧になりやすい?
対人恐怖症と高血圧の関係を疑っている人も一定数いますが、これも無関係といって良いでしょう。
低血圧に悩んでいる対人恐怖症者も見かけます(女性に多いようです)ので、対人恐怖症だから高血圧になるとはいえません。
血圧が高くなるといっても、おそらく一時的なものでしょう。
人前に出るなどして緊張感が高まったとき血圧が高くなるだけで、一人で部屋にいるときなどは落ち着いているはずです。
わたし自身、持病の慢性腎臓病治療のため毎日家で血圧を測定していますが、数カ月おきの通院時に血圧を測ると普段よりかなり血圧が高くなります(上は30、下は10くらい高まります)。
もし人前でなくても高血圧の状態であるなら、別の病気(生活習慣病)の危険性を疑ったほうが良いです。
間違って対人恐怖症のせいにしたままでいると、早期発見で治るはずの生活習慣病が治らなくなるかもしれません。
飲酒・喫煙で対人恐怖症(視線恐怖症)が改善する?
お酒を飲んだりタバコを吸うと対人恐怖症や視線恐怖症の症状が改善するという説もよく見かけますね。
わたしも飲酒で緊張感がやわらぎ、対人恐怖・視線恐怖も緩和されたように感じることが昔よくありました(タバコは吸わないので喫煙については実感がないです)。
ただ、こうした症状緩和は一時的なもので対人恐怖症(視線恐怖症)の根本的な改善とはいえません。
飲酒や喫煙をしていないときは依然として対人恐怖(視線恐怖)が残っているはずです。
しかも酒やタバコに慣れていくにつれ、一時的な改善すらみられなくなっていきます。
わたしは最近では酒を飲んでも対人恐怖や視線恐怖の症状があまり緩和されないです。
また飲酒や喫煙には依存性があるため、摂取していないときにより強い恐怖感を覚える恐れもあるでしょう。
対人恐怖緩和の効き目が減ってきたからといって酒・タバコの摂取量を増やすのは危険です。
脇見恐怖症になると斜視にもなる?
脇見恐怖症が慢性化すると目が横を向いているような錯覚になります。
ただ、そのような状態は斜視ではありません。
くわしくは「脇見恐怖症で斜視(外斜視)にはならない」という記事をご参照ください。
脇見恐怖症者からは電磁波が出ている?
脇見恐怖症の患者のなかには、自分から電磁波が出ていると信じている人が結構います。
しかしそのような説は科学的な根拠に乏しく、あくまで都市伝説的なものです。
くわしくは「脇見恐怖症を電波説で考えると統合失調症になってしまいますよ」という記事をご参照ください。
日本人は咳払いをよくする?
咳払いは日本人特有の癖といわれることがあります。
わたしも海外旅行未経験だったころは、そんなふうに考えていました。
ところが海外旅行を何度か経験してみて、外国人のなかにもそうした癖を持つ人が結構いるといまは感じています。
わたしからみてわざとらしい咳払いをする外国人も結構いるのです。
とくにひどかったのはバリ旅行のときで、現地ツアーで同行したバリ人の何人かは咳払いを頻繁にしていました。
小型車の同じ空間内に長時間いるのが気まずいからなのか理由はわかりませんが、かなりの頻度で咳払いしていたと記憶しています。
また、ツアーで訪れた各観光地でも必ず何度かは現地の人や白人・黒人とわず外国人の咳払いを耳にしました。
日本からだいぶ離れた土地でもそのようなありさまなので、日本人ならではの癖とはいえないでしょう。
国民性というより、その人自身の性格・気性によるところが大きいはずです。
上記のほかにも、さまざまなウソ・うわさ・都市伝説的な話を見聞きすることがあるかもしれません。
そのまま鵜呑みにせず、おかしな考えをふくらませないよう気をつけたいですね。