対人恐怖症や視線恐怖症になると、電話もこわいと感じたりするものです。
わたしも咳・咳払い恐怖症になったのをきっかけに、軽い電話恐怖症にもなりました。
電話口の相手がいつ咳や咳払いをするか不安で、電話中に脇汗を多くかいたり電話する前から緊張したりといった症状があります。
しかし電話への苦手意識を無理になくそうとはしていません。
電話が苦手でもうまくやっていく方法があり、それを実践すれば良いのです。
こうした考え方が、結局は電話恐怖症の克服につながると考えています。
電話恐怖症を克服するときの考え方
大切なのは、電話恐怖症を完治させようとしないことです。
ほかの対人恐怖症にも同じことがいえますが、恐怖心は消すものではなく消えるものだと思います。
苦手意識を無くそうと無理に努力する必要はありません。
挫折をしやすいですし、かえって症状を悪化させることにもなってしまうでしょう。
そのような姿勢ではなく、「苦手でもうまく付き合っていこう」という考え方がおすすめです。
電話が苦手という事実を受け入れて、そのうえでどのような方法をとるのが良いか考えます。
この考え方のほうが、結局は電話恐怖症の克服につながるはずです。
電話恐怖の症状が出ても冷静に自分をみつめることができ、あわてずに対処ができるようになります。
やがて電話に対して慣れが出来、恐怖心は小さくなっていくでしょう。
恐怖症というものは、意識すればするほど症状がひどくなるという厄介な病気です。
無理に頑張ったり、逆に逃げ続けていては克服の見込みは立ちません。
まずは「電話がこわいと感じるのは性格上、仕方がない」と考えてみてください。
電話への苦手意識との付き合い方
次に、そうした「電話への苦手意識」とうまく付き合う方法についてです。
ありきたりなアドバイスかもしれませんが、 電話の相手とのキャッチボールを心がけましょう。
相手の話をよく聞き、会話の内容に注意を向けるようにします。
電話恐怖症で悩んでいると、ふと症状について考えてしまい話を聞き逃したりするものです。
そんな感じではボールを受け取れず、会話が成立しません。
相手の反応を意識するのではなく、相手が話していることに注意を向けましょう。
また電話中に空白が生まれ無言状態になったら、自分から話しかけます。
とはいえ、自分が話すことばかり気にして相手の話をほとんど無視している状態は良くありません。
会話に集中していれば何かしら言いたいことが生じるはずですので、あくまでキャッチボールに努めてください。
言いたい内容が浮かんでこないなら、無理に電話を続けず終わりにすれば良いだけです。
相手に無理して合わせようとすると、緊張感や苦手意識が生じます。
自然体でキャッチボールをしましょう。
電話の練習方法
電話恐怖症を克服するには、実践を重ねることが大切です。
実際に電話をして練習することで、苦手意識との付き合い方が身をもってわかってきます。
最初の練習方法としては、自分の用件での電話が取り組みやすいでしょう。
会話の内容に集中しやすいはずです。
ただ、用件ばかりを伝えようとするとキャッチボールが成立しませんので注意してください。
上記の練習で自信がついてきたら、今度は相手から電話があったときも練習してみましょう。
とくに仕事上での電話が良い訓練になります。
相手は確実に目的を持って電話をかけてきているわけですので、ボールをキャッチしやすいです。
苦手意識が湧いても、そのままの状態で相手の話に耳を傾け続けてください。
家族や友人など身の回りの人との電話でも練習できますが、相手が目的を持っているとは限らないので雑念が湧きやすく難易度が高いかもしれません。
そもそも身の回りの人に電話恐怖の症状が出ないのなら練習にすらなりませんが(汗)。
苦手意識が出るシチュエーションで練習してこそ効果があります。
仕事をしていない、または電話の頻度が少ない仕事をしているならコールセンターのアルバイトを検討するのも手です。
電話応対がメインですので強制的に練習を積めるでしょう。
変なクレーマーに引っかかり自信を失いそうになるときもあるかもしれませんが、そういう人はどこにでもいますので真剣に悩まなくていいですよ(苦笑)。
電話が苦手な自分と付き合っていくことが、電話恐怖症克服につながります。
そのためには練習を重ね、苦手意識とうまく付き合う方法を体得していくことが大切です。
頭のなかで考えているだけでは症状が悪化しがちなので、できることから実践してみてください。