9月末ごろ、シルバーウィークを利用して妻とパリ観光に行ってきました。
昨年はバリ旅行でしたが、今年はパリです(少しややこしい笑)。

人生で初めてのヨーロッパ、そしてパリ。
昔からヨーロッパには一種のあこがれを抱いていたので、その中心都市のひとつであるパリを体験できたのには感慨深いものがあります。

いままででもっとも長期間の旅行となりトラブルは多かったですし、世界一の観光地かつ大都会のパリは人だらけで対人恐怖症もちの身にもストレスが少なくなかったです。
しかしそれでも「華の都」には魅力が満載で、十分に旅を楽しめました。

パリ旅行のスケジュール

以上、全日程で8泊9日の旅行スケジュールです。
初日と最終日に機中泊をしているため、パリ現地では6泊7日ほど過ごしました。

写真:エッフェル塔

とくにおすすめしたい見どころは、モネの家と庭園、エッフェル塔、ノートルダム大聖堂、サント・シャペル、ルーヴル美術館、凱旋門、オルセー美術館です。
オープンバス周遊ツアーやセーヌ川クルーズもパリの名所を効率よく観光でき、予想以上に大満足のアクティビティでした。

上記のほかにもパリやパリ郊外にはさまざまな見どころがあり、1週間弱の旅行日程では足りなかったと実感しています。
できれば10日間~2週間くらいの日程のほうが体力的にも精神的にも余裕を持って旅できるでしょう(わたしたちの場合は妻の仕事の都合で無理な話ですが)。

今回もツアーは利用せず個人手配です。
わたしひとりで大半の旅行計画を立て、各所を効率のいいルートで回れるようスケジュールを組みました。
パリ市内の地図や地下鉄(メトロ)の路線図と何度もにらめっこをしただけでなく、美術館などの開館日・開館時間なども考慮しながら計画立てるのは結構しんどかったです。
わたしのようなパリ初心者は素直に個人向けツアーパッケージなどを利用したほうが良かったのかもしれません。

写真:セーヌ川クルージング

また、「パリ・ミュージアム・パスicon」という美術館共通チケットの存在も頭を悩ませました。
金銭的にお得なのは確かですが、利用可能日数の縛りがあるため旅行スケジューリングの自由度が下がってしまうのです。
旅の後半のほうはミュージアムパスの元を取るために焦って美術館めぐりをしていた気がしなくもありません(汗)。

しかも今回の旅行ではトラブルが多く、何度も旅行計画を変更することになりました。
かなりキチキチにスケジュールを詰めていたのが仇となり、臨機応変に変更するのにも一苦労…。
この点でも、余裕のある旅行日数とプランニングが必要だったなと感じています。

9月のパリの天気

写真:紅葉とノートルダム大聖堂

パリには日本と同じく四季があり、9月は日本よりひと足早く秋です。
通常は雨の日が多いようなんですが、わたしたちが旅したのが9月末ごろだったおかげか旅の大半は晴れ・曇りの天気でした。

気温については朝と晩がとても寒く(10度前後の気温)、9月末でも防寒着(ダウンベストやフリースなど)が必須といえる寒さでした。
いっぽう日中は晴れれば体感は暑く(20度~25度の気温)、男性ならロングTシャツ1枚のような服装でも十分という具合です。
一日じゅう観光する場合は重ね着コーデとなるのでちょっと面倒かもですね。
ファッションの街・パリということでジャケットをおしゃれに着こなそうかとも思っていたんですが(笑)、脱いだときにしまう場所に困りそう(リュックに入れればシワが付きますし)だったので見た目より防寒を重視しました。

湿度については、まったくと言っていいくらい感じません。
大陸性気候ならではのカラッとした空気感があったように思います。
とくに晴れの日は日本のそれよりも気持ちが良く、パリジャン・パリジェンヌ(パリに住む男性・女性の通称)がオープンテラスのカフェや公園の芝生でくつろぎたくなるのも納得です。

パリの雰囲気

写真:パリの街角の風景

ヨーロッパの他の都市も同様だと思いますが、パリは大部分が築年数の古い街並みとなっていて重厚な歴史を感じさせる雰囲気です。
わたしのようにヨーロッパが初めてな人にとっては、観光名所に行かなくても街を眺めているだけで楽しい気分になれるかもしれません。
パリ市内の中心部(1区~8区あたり)なら、天候に関わらずどこを切り取っても美しい絵になるでしょう。

東京のようなゴチャゴチャした都市風景と違い、統一感のある建物が整然と立ち並んでいるのも壮観でした。
しかも建物が歴史あるものばかりなので、古き良き時代にタイムスリップしたかのような気分です。
エッフェル塔・凱旋門・ノートルダム大聖堂・ルーヴル美術館といった人気スポットもかなり印象的で、いま思い返すと「夢の国」ならぬ「夢の街」にいたような錯覚に陥ります(笑)。

写真:シャンゼリゼ通り

とはいえ、想像していたほどパリにはおしゃれな雰囲気を感じませんでした。
シャンゼリゼ通り(その近くの高級ブランド街)、高級デパートの多いオペラ座エリアなどを散歩しましたが、東京の銀座あたりの雰囲気と大差ないのではないでしょうか。

街路を歩いている人たちも一般的な観光客ばかりで、ファッションセンスの良さそうなパリジャン・パリジェンヌもあまり見かけなかった気がします(基本ユニクロのわたしが言うのもなんですが笑)。
パリ近郊も含めてどこへ行っても観光客が多数いるため、純粋なパリの雰囲気というのは感じられません(わたしも観光客のひとりですけどね)。
旅行中はちょうどファッションウィーク(パリコレ開催期間中)だったんですが、モデルやセレブっぽい人もあまり見かけませんでした。

市内のあちこちで工事が行われていたのも、パリのおしゃれさや景観を損ねた一因です。
エッフェル塔、凱旋門やシャンゼリゼ通りの周辺でも工事用の大型クレーンやバリケードが散見されたのは少し残念に思います。
おそらく2024年のパリ五輪の準備が始まっているんでしょう。

さて残念な話ではありますが、最近のパリといえば治安も大きな問題ですね。
幸いにもテロの危険には遭遇しませんでしたが、犯罪に遭いそうな雰囲気は市内の各所に漂っていました。

やはり北部(9区・10区より北の地域)のほうが建物への落書きや道路標識の破壊などが多く、治安が悪いように思います。
いっぽうでセーヌ川左岸の南部エリアも油断できず、駅の地下通路では物乞いなどが座り込んでいたりして物騒な雰囲気を感じました。

写真:パリ・メトロの地下通路

人種差別をするわけではありませんが、黒人や中東系の顔立ちの人たちに怖い風貌の方が多かったのは確かです。
駅周辺や街の裏路地などで怪しそうな人を見かけた際は、細心の注意を払って通り過ぎるか道を変えた方が安全でしょう。

差別といえばパリではでは日本人差別というかアジア人差別もあるようですが、わたしたちの場合は一度もそのような目に合いませんでした。
プライドの高そうな高級レストランや高級ブティックに行かなかったからかもしれません。
大衆向けの店に行っておけば大丈夫なのではないでしょうか。

言葉(言語)については、日本語はまず通じないと思っておいたほうが良いです。
かといってホテルのフロントを除けば英語も決して万能ではなく、(イギリスと交流が深そうのに)フランス語しか話せない方々が結構いたのは驚きでした。
ただ不親切という印象ではなかったので、道をたずねる際は地図やガイドブックの写真を見せながら質問すれば熱心に対応してくれると思います。

パリ旅行にかかった費用

写真:夜の凱旋門

9日間のパリ旅行腕の費用は、総額45万円くらいです。
上記の金額の内訳としては、航空券の料金(往復)が約19万円、ホテル代(6泊分)が約11万円、オプショナルツアーや美術館・観光施設の料金が約5万円、食費が約5万円、おみやげ代が約3万円、電車代・コンビニ代などの雑費が約2万円でした。

過去5回ほど海外旅行経験がありますが、これまでで最も高い金額となってしまいました。
世界一の観光都市でもあるパリの物価は、やはり基本的には高かったです。
そもそもユーロ自体の価値が日本円より高いというのもありますね(これはハワイ旅行をしたときのドルと同じでしょう)。

高いホテル代は観光地価格として許容範囲内ではあるものの、食費は予想以上に高くつきました。
節約のため食事はできるだけスーパーで済ませていたのですが、それでも過去最高の出費です。
とにかく外食の相場が高く、カフェ、ブラッセリーやビストロといった庶民向けの店で食事をしても4千円以上は普通にかかります。

フランスにはチップ文化はないようですが、こうした高額な価格設定にサービス料も含まれている気がします。
レストラン(前述のカフェなどより敷居の高い料理店)にでも行こうものなら、最低でも2万円くらいの予算はかかると思っておいた方が良いかもしれません。

美術館や観光施設の入場料は意外と良心的な価格といえるでしょう。
有名なルーヴル・オルセーといった美術館でも2千円未満の料金で入館できますし、凱旋門やノートルダム大聖堂(の塔)には千円未満で入場可能です(エッフェル塔は高かった(大人ひとり3千円以上)ですけれど)。

写真:ルーヴル美術館

わたしたちも利用した「パリ・ミュージアム・パスicon」を使えば、固定料金でパリ市内の大半の美術館や施設を楽しめるのでお得ですよ。
前述したように日程縛りのデメリットもありますので注意は必要ですが、ほとんどの観光スポットで行列に並ばなくて済むのもメリットです。

パリ現地での所持金

フランスではクレジットカード決済が主流となっていますが、わたしたちは時間の節約を考えて現金も持っておきました。
万が一お店でカードが使えないとなった場合、近くの両替所を探してユーロに交換する手間が発生してしまうからです。
たとえば人気の老舗パン屋で、行列に並んだのにレジでカードが使えないとなったらとても面倒ですよね…。

円からユーロへの両替は、日本国内の空港ですませておきました。
レートは良いものではありませんが、パリ現地で両替所を見つける時間も惜しかったのです。
ただ、パリの空港にある両替所のレートは明らかに悪いのでおすすめしません。

写真:アレクサンドル三世橋

わたしたちの場合は、日本円で2万円をユーロに両替しました。
現金が必要とはいえパリではスリが多いので、あまり持ちすぎるのも危険だと思います。
現金とクレジットカードの二刀流なら時間節約と防犯のバランスをうまく取れるでしょう(クレジットカードの場合は盗まれてもカード会社に連絡すれば不正使用を停止できます)。

財布は持たないほうが良いです。
街中で財布を出し入れしていると、いつどこでスリのターゲットになるかわかりません。
わたしたちは現金を薄型のセキュリティポーチにしまい、服の上着で隠して他人から見えないようにしていました。

パリ旅行の持ち物リスト

参考までに、9月末(秋)にパリへ旅行する場合の持ち物をリスト化しました。

これらのほか体調管理のためマスクを持っていきましたが、妻によれば「フランスでマスクを着けていると感染症などの重病患者だと思われて奇異の目で見られる」そうなのでパリ市内では使う勇気がなかったです(苦笑)。
また観光時の街歩きでは紙の地図・路線図・ガイドブックや防寒具をしまうためリュックも使いましたが、防犯用のカラビナをチャックに噛ませておいたので一度も中身を盗まれていません。

華の都パリの初体験はとても思い出深いものになりました。
トラブル続きで対人恐怖症的なストレスもあったにも関わらず、全体的には旅を楽しめて良かったです。
やはり世界中の人を惹きつける魅力がパリには存在するのでしょう。

フランスないしヨーロッパにあこがれを抱いているなら、一度はパリに行くべきですよ。
9月は鉄道ストライキ・航空ストライキの影響がほとんどないですし、とくに9月末は天気の良さも含めて旅行におすすめの時期のひとつだと思います(パリ旅行のベストシーズンは気候的には4月~9月といわれているようですが、4月~6月はストが多いようですし7月・8月はヨーロッパのバカンスシーズンなので観光地は激混みです)。