パリ旅行はとうとう7日目。
8日目と最終日(9日目)はほとんど移動のみでしたので、実質的には7日目が最後の観光です。
7日目の前半はヴェルサイユ宮殿、ロダン美術館、オルセー美術館などに行きました(後半の旅行記は次の記事でまとめます)。
大混雑のヴェルサイユ宮殿と庭園
ヴェルサイユ宮殿の最寄り駅はC5線の終着駅でもある「ヴェルサイユ=シャトー=リヴ=ゴーシュ」(Versailles Château Rive Gauche)です。
わたしたちはB線でサン・ミッシェル=ノートルダム駅(Saint-Michel – Notre-Dame)に向かい、そこでC5線に乗り換えました。
行き方は簡単なんですが、列車の接続が悪いようで乗り換えの際に30分ほど待たされる羽目に…。
また午前10時すぎくらいの出発だっせいか電車内がとても混んでいて、対人恐怖症のわたしにとっては見知らぬ人とボックス席に座らなければいけないのもストレスでした。
そんなC5線に乗ること約40分でヴェルサイユ=シャトー=リヴ=ゴーシュ駅に到着。
ホームに降りた時点でたくさんの観光客がいて、悪い予感しかしません(苦笑)。
駅からヴェルサイユ宮殿へは、改札を出て右へ歩いていくと突き当たるパリ通り(Avenue de Paris)を西に進めばOKです。
セキュリティゲートを通過してヴェルサイユ宮殿の敷地内に入ると、案の定ものすごい行列が…。
今回の旅で訪れた観光スポットのなかでもっとも長い待ち時間となり(1時間くらい)、わたしはもちろん妻もイラつき始めてしまいました(汗)。
優先入場(団体入場)ができるオプショナルツアーを利用したほうが良かったかなと後悔しています。
さてようやくヴェルサイユ宮殿の内部に入れたかと思うと、やはりここも大混雑。
館内では行列に流されるように進まなくてはならず、ゆっくり見学できません。
しかもパンフレットを見ても館内の構造がよくわからず、道に迷うわ人に酔うわで大変でした。
ただ、大人気の観光スポットというだけあって見どころは多いと思います。
壁・天井・廊下・階段などの内装から家具・調度品に至るまでのどれもが豪華すぎて、当時の平民たちの暮らしぶりが心配です(苦笑)。
旅行3日目に訪れたパレ・ガルニエと少し雰囲気が似ているようにも感じました。
宮殿の見学を終えてからは、宮殿の裏にある庭園などを見に行きました。
広大でありながらも整然とした庭園と樹林をながめていると、時のルイ14世の権力の強さを思い知らされます。
あまりに広すぎるので、歩き疲れた様子の妻にはベンチで休んでもらってひとりで少しだけ散歩しました。
そのほか庭園のその先にはマリー・アントワネットが住んでいたトリアノン領有地や巨大な公園・水路もあり、周遊バス(プチ・トラン)で行けるそうです。
可能ならそうした名所も見て回りたいところでしたが、すでに時計は午後2時を過ぎていてスケジュールに余裕がなかったため庭園の一部しか見ていません。
ベルサイユ周辺の観光には最低でも1日かかると考えておいたほうが良いんでしょうね(リサーチ不足でした…)。
ヴェルサイユ宮殿とプチ・トリアノンなどを訪れるオプショナルツアーに参加すれば効率よく観光できると思います。
「Léon de Bruxelles」でムール貝を堪能
ヴェルサイユからパリ市内へ戻ったあとは、シャンゼリゼ通り沿いの「Léon de Bruxelles」(レオン・ド・ブリュッセル)でムール貝を食べました。
最寄りの駅は、メトロ1号線のフランクラン・D・ローズヴェルト駅(Franklin D. Roosevelt)またはジョルジュ・サンク駅(George V)です、
フランスではムール貝が秋の旬の食材といわれていて、ぜひともパリで堪能したいと考えていました。
といってもこの店は名前のとおりベルギー発祥のチェーン店なんですけどね(笑)。
注文した「ムール貝のワイン蒸しセット」はボリューム満点。
鍋いっぱいのムール貝に、食べ放題のフライドポテトとパンが付いてきます。
ムール貝はなかなか美味で、貝の旨味が出たスープはコクがあって何度も飲めました。
いっぽうでムール貝を食べ続けていてだんだん飽きてきたのも確かです(笑)。
ポテトやパンも食べているとすぐお腹いっぱいになり、おかわりする気持ちにはなれませんでした。
値段は立地にしてはリーズナブルで、ひとり15ユーロほど。
ただ、混んでいる店であるせいか料理が出てくるまで20分以上は待たされたと記憶しています。
勘違いしていたロダン美術館…
午後は6日目の美術館めぐりの続きです。
まずは『考える人』で有名なロダン美術館へ行きました。
メトロ13号線のヴァレンヌ駅(Varenne)からは、アンヴァリッド通り(Boulevard des Invalides)を南へ少し進みヴァレンヌ通り(Rue de Varenne)との交差点を左に曲がってすぐの場所にあります。
ロダン美術館の敷地内には庭園があり、さっそく『考える人』の銅像を鑑賞できました。
日本のいくつかの美術館にもオリジナルが所蔵されていますが、パリで本家本元を見られて感慨深いです。
『考える人』は、正確には「見ている人」と評されています。
この作品はロダンのもうひとつの代表作『地獄の門』の一部であり、地獄に落ちていく罪人を「見ている」さまを表現しているのだとか。
ついつい考えすぎなわたしは勝手にシンパシーを感じていたんですが、どうやら勘違いでした(笑)。
そして妻にとってはまったく興味も抱けない作品だったようで、またしても「早く帰りたい」と機嫌が悪化(汗)。
わたしもロダン美術館で見るべきものは『考える人』のみだと思い込んでいましたし、また観光のスケジュールが押していたため本館を見学せず帰りました。
しかしいま記事を書いていて知ったんですが、館内には『地獄の門』などの有名作品も所蔵されているんですね…(観光スポットについての予習はしておくものなんでしょうな…)。
オルセー美術館は素人でも楽しい
お次はオルセー美術館、今回の旅で最後の美術館です。
RERのC線のミュゼ・ドルセー駅(Musée d’Orsay)のすぐそばに建っているので入口も簡単に見つけられました。
「パリ・ミュージアム・パス」を使って、優先入場専用のC入口から館内へ。
オルセー美術館の建物はもともと駅舎だったらしく、たしかに内部はパリのターミナル駅のような作りとなっています(サンラザール駅やパリ北駅の郊外路線発着ホームと似ていると感じました)。
ルーヴル美術館よりも現代的なインテリアになっているのも特徴です。
またオルセー美術館のフロア構成は普通のデパートのように単純なので、ルーヴルより迷いにくいと思います。
しかも著名な作品は地上階と2階に集中しているため、自分が見たいものをスムーズに鑑賞できました。
有名な作品以外にも興味の惹かれる作品が多かったです。
この日は偶然にもピカソ特別展(「Bleu et rose」)の期間中で、ピカソのいわゆる「青の時代」に描かれた作品をまとめて鑑賞できラッキーでした。
その展示コーナーはさすがに大勢の人で混んでいて視線恐怖症でもある立場からすると大変でしたが…。
オルセー美術館の所蔵作品は芸術素人のわたしでも知っているものが多く、また宗教画が少なめだったのでルーヴルより楽しかったです。
実家や親戚の家にレプリカが飾ってある作品の実物をいくつか目にすると思わず鳥肌が立ちます(笑)。
統合失調症をわずらっていたとされるゴッホの作品には、同様の対人恐怖症をもつわたしの胸に迫るものがありました(機会があればゴッホが人生の最後を過ごしたオーヴェル・シュル・オワーズ村も訪れてみたいです)。
ヴェルサイユ宮殿は予想以上に大混雑で、また想像以上に広大な観光地でした。
実質的な旅行最終日ということでスケジュールを詰め込んでしまい十分に観光できなかったので、ロダン美術館も含めてもう一度チャレンジしたいと思っています。
この日はオルセー美術館の夜間営業日(木曜は21時まで営業)だったのですが、それを忘れていたのも反省点です(スケジュールの最後に持っていけば良かった…)。