前日に妻と大げんかしながら迎えたパリ旅行4日目。
事前予約したチケットを無駄にするのはもったいないと考え、お互い気を取り直してエッフェル塔の見学とセーヌ川クルーズへ。
当初は妻への怒りから「旅行なんてどうでもいい」と思いホテルの部屋でずっと寝ているつもりでしたが、気持ちの切り替えの早い妻の説得により観光へ行くことになりました。
(あんなにわたしに不満をぶつけていたのに気が変わるの早すぎでしょ…汗)
エッフェル塔を歩いて登る
エッフェル塔を登るには、エレベーター・階段のふたつの手段があります。
見学チケットを事前予約すれば、優先入場で(行列にあまり並ぶことなく)エレベーターを利用可能です。
階段の場合は、700段以上の階段を自分の足で登っていかなければなりません。
わたしたちは混雑の少ない午前9時半のエレベーターを事前予約していたのですが、前述のわたしのふて寝が原因で見学の予約時間をすっぽかしてしまいました(汗)。
遅刻してもチケットが有効なのか不安を抱えたまま、エッフェル塔の最寄り駅であるシャン・ド・マルス=トゥール・エッフェル(Champ de Mars – Tour Eiffel))駅へ。
滞在ホテル最寄りのパリ北駅からは、RERのB線でサン・ミッシェル=ノートルダム(Saint-Michel – Notre-Dame)駅に向かいそこでC線に乗り換えてシャン・ド・マルス=トゥール・エッフェル駅へ向かうのが最短です。
駅を出てエッフェル塔へ向かう観光客の群れについて行くと、公園の中にゲートのような建物が見えてきます。
そこはセキュリティーチェックのゲートで、すでに行列が出来ていました。
チケットが有効かわからず並ぶのは嫌だったので係員に聞いてみたんですが、「わたしはもう交代だから後の人に聞いて」という無愛想な対応…(フランス人らしいっちゃらしいんでしょうが)。
仕方なくセキュリティーチェックの行列に並び、15分くらい待って検査をくぐり抜けると目の前に巨大な鉄塔「エッフェル塔」が登場です。
期待を裏切らない、圧倒的なスケール感…!
どでかいエッフェル塔の真下を歩きながら、エッフェル塔エレベーターの入口に向かいます。
係員にチケットを見せ聞いてみると、「遅刻なのでエレベーターには乗れないけれど塔への入場は可能だから階段のほうを使って登って」とのこと。
階段利用かつ優先入場なしになってしまいましたが、チケット代がすべて無駄にならずに良かったです。
エッフェル塔の階段入口にも行列ができていて20分くらいの待ち時間でしたが、月曜日だったおかげか予想ほど混雑していたなかったように思います(エレベーター入口も45分くらいの待ち時間のようでした)。
しかも階段を登り始めると、人はほとんどいなくて周囲の景色やエッフェル塔の建築美をゆっくり楽しめました。
エレベーターは展望台まであっという間で外を眺める時間が少ないので、階段を使うことになって結果オーライだったと感じます。
300段くらい登り、1階の第1展望台に到着。
ここから見る風景もなかなかですが、窓ガラスが網目になっている場所があるので見晴らしは良くないかもしれません。
階段の登り疲れの休憩にはちょうど良いですが。
第1展望台からさらに300段ほど上がると、2階の第2展望台です。
第2展望台からは、パリ市街の絶景を堪能できました。
ミニチュアのような街並みと、おだやかなセーヌ川を見ていると紅茶でもすすりたくなります。
エッフェル塔には最上階の第3展望台(「サミット」と呼ばれています)もありますが、展望台から行くエレベーターにとても長い行列ができていたため時間の都合上あきらめました。
やはりエッフェル塔を観光するなら、朝早くから行動したほうが良いですね。
セーヌ川クルーズで名所を遊覧
対人恐怖症のため他人と一緒の乗り物が苦手なわたしですが、妻のリクエストでセーヌ川クルーズへ。
「バトー・パリジャン」という遊覧船の乗り場(発着場所)は、エッフェル塔をセーヌ川方面へ出ると見える橋(イエナ橋)の手前右側にあります。
お昼すぎだったせいか乗り場にはすでに大勢の観光客がいて、乗船時にはオープンエアの2階席は満杯。
室内の1階席に座ることになりましたが、外のように寒くないし乗客も多くないしで快適でした。
やわらかい座席でくつろぎながらセーヌ川クルーズがスタート。
以下、バトー・パリジャンで遊覧した名所や風景の写真をピックアップしてご紹介します。
こうして約1時間くらいかけ、セーヌ川沿いの景色をゆったりと観光できました。
セーヌ川の河岸は世界遺産に登録されているだけあって、周辺は歴史的な建造物が豊富で見どころ満載です。
たくさんの名所、建物、橋を通過するので一時も目が離せません(ちなみに凱旋門は船から見えませんのであしからず)。
この日は天気も回復してきて、船の1階外のテラスに出てみると日光があたたかく風も気持ち良かったです。
パリの街をゆっくり眺めながら日光浴をしているなんて、とてもぜいたくな体験だと感じます。
夫婦仲も元に戻り、エッフェル塔を背景にふたりで記念撮影ができたのは良い思い出です。
パリへ旅行する際は、ぜひセーヌ川クルーズのオプショナルツアーに参加してみてください。
波はほとんどなく船の速度も遅いので、船酔いの心配はないかと思います。
名所を見逃さないよう、食事なしのプランがおすすめです。
シャイヨー宮殿の周辺を散策
クルーズを終えてイエナ橋に戻ってからは、その橋をわたってシャイヨー宮殿のほうへ歩きました。
エッフェル塔全体をパノラマで鑑賞でき、写真撮影のベストスポットとしても有名な場所です。
宮殿に向かう途中にはトロカデロ庭園が広がっていて、森林浴や日光浴を楽しめます。
しかし坂の上にあるため意外と体力を消耗するかもしれません(苦笑)。
シャイヨー宮殿中央の高台に到着してうしろを振り返ると、たしかにエッフェル塔の全体をきれいに鑑賞できました。
宮殿に挟まれた塔を180度のパノラマで見ていると、それが絵画の作品のようにも思えてきます。
残念なことに工事中のクレーン車が眺望の邪魔になっていましたが、これもまた人生です。
自分の日々の行いと運の関係について少し考えながらトロカデロ広場のほうへ。
もう午後3時すぎでお腹が空いていたので広場そばの「le wilson」(ル ウイルソン)というカフェ・ブラッセリーに立ち寄り食事をとりました。
おどけた仕草を見せてくれた店員もいる雰囲気の良いカフェだったんですが、肝心の料理は微妙でした。
牛ステーキの肉が硬くて、味付けも薄すぎて正直おいしくありません…。
前菜で頼んだニース風サラダはボリュームがありすぎて、食べている途中に吐きそうになりました(汗)。
おいしいエクレアを求めて…
当初の旅行計画では、昼食後に近くのトロカデロ(Trocadero)駅からメトロ(6号線)とRER(C線)を使ってサン・ミッシェル・ノートルダム駅まで行ってノートルダム大聖堂などを観光する予定でした。
しかしトロカデロを出発したのは午後4時半ごろ。
サン・ミッシェル駅に着くのは午後5時すぎで、ノートルダム大聖堂が閉まる午後6時半まで十分な観光時間がないことに途中で気づきました(汗)。
わたしのふて寝で行動が遅れた時点で計画を修正しておくべきだったと反省しています。
急きょ予定を変更し、サン・ミッシェル・ノートルダム駅からRER(B線)でパリ北駅へ帰還。
ただ、そのままホテルに戻るのはもったいない気がしたので、駅構内でわたしのお目当てのエクレアを探しました。
エクレアは昔からわたしの大好きなスイーツのひとつであり、その発祥の地・パリに来たからには名店の味を堪能せずにはいられません!(笑)。
ところが、予想以上に店を探すのに苦労しました…。
パリ北駅の構内にはエクレアの有名店がいくつか出店しているはずなんですが、駅のフロアマップが充実しておらず場所が全然わからないのです。
道行く人やほかの店の店員に聞いてみても(競合であろう別のスイーツ店の店員にまで…苦笑)、ほとんどヒントが得られません。
たたでさえヨーロッパ第一の利用客数であるパリ北駅は人が多くて疲れますし、妻もだんだんイライラしてくるしで仕方なく駅を出ることに…。
…とあきらめかけていたら、南口の出口ちかくに「レクレール・ドゥ・ジェニ」(L’ECLAIR DE GENIE)の文字を発見!
エクレアの専門店にやっと出会えました。
レクレール・ドゥ・ジェニは、フランスの新聞紙の特集で「パリのエクレアランキング」第7位になった店です。
店内のショーケースにはカラフルなエクレアが並んでいて、いろいろな風味のエクレアを味わえます。
並んでいる商品を見ているだけで、まるで宝石店にでもいるようです(おっさんの女子力に引かないで~)。
テイクアウトしてホテルの部屋で食べてみましたが、うーん…甘すぎる(笑)。
日本のエクレアが控えめと思えるくらい、鼻血が出そうになるほど甘いのです。
見た目のおしゃれさと、小ぶりな形のかわいらしさが評価されているのかもしれません。
レクレール・ドゥ・ジェニで買い物したあと調子に乗って同じ駅構内にあるらしい「メゾン・プラディエ」(Maison Pradier)にも立ち寄りたかったんですが、妻のお怒りに触れ断念…。
専門店のエクレアは高いですし(ひとつ5ユーロ以上の価格)、再び夫婦仲を悪化させたくないのであきらめました。
エクレア探しの続きは後日におあずけです。
エッフェル塔見学、セーヌ川クルーズ、シャイヨー宮殿周辺の散策を通じて、パリのシンボルをいろんな角度で観光できたと思います。
クルーズも予想以上に楽しくて、この日はパリ旅行で一番か二番に思い出深い日となりました(前日に夫婦げんかがあったぶん余計に…苦笑)。