パリ旅行はとうとう最後。
7日目の後半では、サン=ジェルマン=デ=プレ地区を散策しながらスイーツ店めぐりへ…。
そのあと予定外で凱旋門・エッフェル塔の夜景鑑賞をしたんですが、良くも悪くも貴重な経験となりました。
サン=ジェルマン=デ=プレ周辺を散策
オルセー美術館の見学を終えたわたしたちは、妻のリクエストでサン=ジェルマン=デ=プレの有名カフェへ向かうことに。
メトロ4号線のサン=ジェルマン=デ=プレ駅(Saint-Germain-des-Prés)周辺には、文学作家や哲学者などに愛された「レ・ドゥー・マゴ」(LES DEUX MAGOTS)、「カフェ・ド・フロール」(Café de Flore)といった老舗が多く立地しています。
現地に着いてみたら、ちょうど夕食が始まる時間帯でもあったせいか大変に混んでいました。
どちらの店でも給仕(ウェイター)の方たちは忙しそうで、声をかけてみるもなかなか対応してくれません。
ヴェルサイユ宮殿の大混雑や過密スケジュールで疲れていたのもあって、結局は空席を待たずにあきらめました…。
ちなみに「レ・ドゥー・マゴ」のすぐ近くには、サン=ジェルマン=デ=プレ教会があります。
西暦542年ごろに建てられた、パリでもっとも古い教会だそうです。
思いがけず3つ目となる「パリでいちばん○○」なスポットに出会えて少し元気に(笑)。
お次はこれまた妻の要望でシティファルマ(City Pharma)というドラッグストアに行きました。
サン=ジェルマン=デ=プレ駅からは、ボナパルト通り(Rue Bonaparte)を南に進んでふたつめの角です。
この店は日本でいうマツモトキヨシのような所で、妻はコスメや美容品などを買っていました(日本で売っているフランス製品を安く購入できます)。
シティファルマのあとは、ボナパルト通りをそのまま進んでサン=シュルピス教会へ。
サン=シュルピス通り(Rue Saint-Sulpice)にも面するこの巨大な建築物は、ノートルダム大聖堂に次いでパリで2番めに大きい教会堂なんだとか。
こちらも教会とあわせて、いつかじっくり観光してみたいスポットです。
スイーツ店めぐりのはずが…
サン=ジェルマン=デ=プレでは、おみやげも兼ねてスイーツ店(パティスリーショップ)をめぐることにもしました。
まず訪れたのは、ボナパルト通り沿いにある「ピエール・エルメ・パリ」(PIERRE HERMÉ PARIS)。
日本でも有名なパティスリーショップの本店がここです。
予想外に小さな建物で驚きましたが、店内はたくさんの客で大にぎわい。
紳士なおじさん店員が名物のマカロンについて客の好みを聞きながら、気さくに対応してくれます。
わたしたちもマカロンをテイクアウトしましたが、小さいのに価格が高い(1個3ユーロ前後)ので4個しか買っていません(苦笑)。
味は正直に言って「ふつう」で、食感がサクッとしている以外に特筆すべきものはないです…。
フレーバーが豊富で見た目もカラフルなので、おみやげ用には良いのではないでしょうか。
ふたつめに行った店は、エクレアを目当てに「アルノー・ラエール」(ARNAUD LARHER)。
サン=シュルピス教会ちかくのセーヌ通り(Rue De Seine)沿いに店を構えています。
ここのエクレアはフランス紙のエクレアランキングで第6位に選ばれました。
店内ではマカロンやケーキなども売っていたんですが、わたしは好物のエクレアのみを注文(しかも値段が高かった(ひとつ6ユーロ)ので1個だけ笑)。
ホテルの部屋で実食してみて、以前に食べた「レクレール・ドゥ・ジェニ」のエクレアより満足度が高かったです。
味は濃厚でありながらビターなので甘ったるくなく、表面に乗ったパリパリの板チョコとふわふわの生地との食感も楽しめます。
サイズもわりと大きめで食べごたえがありました。
さてここまで順調のスイーツ店めぐりですが、ふたたび大きなトラブルが発生…。
「スイーツストリート」といわれるバック通り(Rue du Bac)を目指して歩いているときに、妻とはぐれてしまったのです(滝汗)。
わたしが先頭に立ってガイドブックの地図を見ながら妻を誘導していましたが、ふと後方を振り返ると妻の姿が見えません…。
突如として見知らぬ街にポツンと取り残されることになり、前日に凱旋門に登る・登らないで揉めた記憶が頭をよぎりました。
「またしても俺を置き去りにしやがって…」という怒りもこみ上げてきます。
仕方なくスイーツストリートへひとりで行こうと決心しましたが、あいにく妻に金銭を預けていることに気づきなんともやるせない状態に…。
夕暮れ時のもの悲しい雰囲気もあいまって少し泣きそうになりましたよ(苦笑)。
しかし妻にあとで話を聞いたところ、わたしを置いてけぼりにするつもりではなかったとのことでした。
むしろ逆で「わたしにまかれた(撒かれた)」と思ったらしく、うしろをいっさい振り返らず早足で歩き街角で消えていったわたしに対して彼女のほうも怒りや悲しみに満ちていたようです(汗)。
ちなみに妻のほうは、ホテルへ戻る際にちゃっかりスイーツ店めぐりもしています。
サン=ジェルマン=デ=プレ界隈(ボナパルト通り)の「ラデュレ」( Ladurée)でマカロンを、「ア・ラメール・ド・ファミーユ」(À la Mère de Famille)でチョコレートを買っていました。
ラデュレもマカロンが名物ですが、正直ピエール・エルメと味の違いがわかりません(笑)。
ア・ラメール・ド・ファミーユはまったく知らない店でしたが、なんとパリでもっとも古い菓子屋なんだそうです(1761年に創業)。
シンプルな見た目のチョコレートは濃厚でありながらしつこくない味で、老舗らしい一品だと感じました。
2大シンボルの夜景を鑑賞
妻の心情を察せずパリの路地に座ってしばらくふさぎ込んでいたわたしですが、気持ちを切り替えて対人恐怖症にも関わらずひとりで夜景鑑賞することにしました。
もう少しで凱旋門やエッフェル塔のライトアップ開始時間(9月末は午後7時)だったので、このチャンスを見逃すわけにいきません。
さっそくメトロを乗り継いで凱旋門へ。
夜景スポットとして最初に凱旋門を選んだのは、門の西側のほうから見ればエッフェル塔が背景になるからです。
シャルル・ド・ゴール=エトワール駅(Charles de Gaulle – Étoile)を出てシャルル・ド・ゴール広場外側の歩道をカルノ通り(Avenue Carnot)の横断歩道の手前まで歩きました。
するとちょうど凱旋門に明かりが!
そしてエッフェル塔のシャンパンフラッシュ(ダイヤモンドフラッシュ)もスタート!!
2大シンボルのライトアップの瞬間を一度に見られて感無量です(動画は後日アップします)。
続いて凱旋門のライトアップや周辺の夜景をいろんな視点から撮影しました。
マジックアワー(日没後すぐの時間帯)に見た一連の景色は一生の思い出です。
シャンゼリゼ通りの中央分離帯は一種の撮影スポットになっていて、そこからは凱旋門正面のライトアップを撮れます。
撮影後うしろで三脚のセッティングをしていた白人のおじさんに「Sorry」と謝ったら相手が親指を立てながら「Good picture ? (良い写真は撮れたか?)」と聞いてきたので、わたしも親指を立ててて「Yes!」と笑顔で回答。
ひとり旅での人との交流を楽しんだ瞬間でした。
凱旋門の夜景鑑賞のあとは、いよいよエッフェル塔です。
シャルル・ド・ゴール=エトワール駅からメトロ6号線でトロカデロ駅(Trocadéro)に向かい、そこから徒歩でシャイヨー宮殿の高台へ。
旅行4日目に訪れたときはクレーンが邪魔でしたが、今度はエッフェル塔をきれいに鑑賞できました。
金色に光るエッフェル塔は本当にきれいで、おっさんでもうっとりする美しさがあります(笑)。
シャイヨー宮殿を後にしてからはトロカデロ庭園を通ってエッフェル塔のそばまで歩いてみることに。
周囲には観光客がたくさんいて精神的にしんどかったんですが、エッフェル塔や近くのメリーゴーランドを見ながらの散歩は夢の中にいるようでもあります。
エッフェル塔のすぐそばでは、この日2回目のシャンパンフラッシュを間近で見られました。
本当は塔の敷地内で見たかったんですが、入口で張っている黒人の売り子に声をかけられるのが面倒だったので入口そばの茂みから鑑賞(笑)。
忙しくキラキラと点滅するイルミネーションの様子を目の前で堪能でき満足です(動画は後日アップします)。
シャンパンフラッシュの終わりを見届けながら、エッフェル塔そばのシャン・ド・マルス公園へ。
夜の公園は薄暗く治安が心配になりましたが、売り子がしつこいだけであとは外国人カップルに写真撮影を頼まれたくらいです(人への警戒心が強いのにこの日はよく声をかけられました)。
個人的には、この公園で夜景鑑賞することをおすすめします。
シャイヨー宮殿周辺にくらべると観光客が多くなく、静かな雰囲気でエッフェル塔のライトアップを楽しめるでしょう。
芝生に寝そべりながらゆっくりするのも良いですね。
シャン・ド・マルス公園のそばには、ガラスで作られた「平和の壁」や旧陸軍士官学校(エコール・ミリテール)などの観光スポットもあります。
このあたりは人がほとんどおらず、対人恐怖症のわたしとしては大変リラックスしながら夜景鑑賞できました。
昼間もさほど混んでないようですし、穴場の絶景スポットだと思います。
徹夜でパリを出発
大満足の夜景鑑賞を終え、ひとりで街歩きをした自信とともにホテルへ午後10時すぎに帰還。
妻・わたしの勘違いも解け、あとはパリ最後の夜をまったり満喫するだけと思いきやまたもトラブルが…。
帰る途中にipod touchを盗まれてしまったようなのです(汗)。
メトロの改札ちかくまでipod touchをいじっていた記憶はあるので、おそらく電車内で盗難に遭ったのだと考えています。
あろうことか車内で立ったまま居眠りをしていた自覚が残ってるんです…。
ホームにいた少しあやしげな白人グループにそこを狙われたのかもしれません。
幸いにも盗まれたのがもう1台のスマホのほうじゃなくて助かりました(そちらには旅の写真が撮りためてありますので)。
ipod touchについてはカメラが壊れていてバッテリーも劣化していたため、今回の盗難は大きな損害ではないです(強がっているわけではないですよ笑)。
ただ、自分の無防備ぶりは猛反省しています。
いままでの旅行中は盗難防止用のスマホストラップを常に付けていたのに、なぜあのときだけ外していたのか…。
「ひとりで夜景鑑賞する」という目的を達成して油断していたんだと思います。
盗難が発覚したあとは、ひたすら部屋で不正利用対策。
ipod touchにも入っていたアプリのパスワードやIDなどを可能な限り別のものに変更しました。
もともと徹夜しようと予定していました(飛行機が午前10時半の出発だったため最後までパリの時間を有意義に過ごしたいと考えていました)が、まさかこんな形で徹夜する羽目になるとは…。
こうして夜が明け、旅行8日目の朝8時ごろホテルから空港へ出発。
帰りの便もエティハド航空です。
ウェブチェックインを利用したので、遅刻せずスムーズに搭乗手続きができました。
経由地のアブダビに向かう機内では、徹夜と長旅の疲れで風邪がぶり返してしまいました。
咳・咳払い恐怖症であるわたし自身が頻繁に咳き込み、周囲に迷惑をかけるという状況です(汗)。
機内食のワインも体の調子が悪いときに飲むものではありませんね(酔いがまわって何度も吐き気がしました)。
アブダビから成田への機内では、自分のパスポートを隣の席に置いたままにしてしまうミスもやらかしました(汗)。
座ろうとした乗客のおばさんに「これあなたのではないですか」と拾ってもらったから良かったものの、もし相手が悪人だったら盗まれていたかもしれません。
妻に怒られ、あきれられながら日本に帰国したのでした…。
(最終日の午後1時に成田空港到着)
今回のパリ旅行は最後の最後まで本当にトラブルが多かったです。
サン=ジェルマン=デ=プレ周辺で妻とはぐれ、夜景鑑賞の帰りにすられ、飛行機の中でパスポートを一瞬なくすという注意散漫ぶり。
少しずつひとりで観光できるようになってきましたが、ひとり旅をするにはまだまだ修行が足りませんね。