パリ旅行の後半に入った5日目は、待ちに待ったホテル移動日です。
そのため余裕を持って行動したいところですが、前日の計画に狂いが生じたため多数の観光スポットをまわりました。
ノートルダム大聖堂、コンシェルジュリー、サント・シャペル、サンルイ島、サンマルタン運河などなど、見どころ盛りだくさんです。
ノートルダム大聖堂の内部を見学
まずは前日に時間の都合で行けなかったノートルダム大聖堂へ。
早めにホテルのチェックアウトを済ませ、フロントに荷物を預けた状態でパリ北駅から電車移動(RERのB線に乗車)。
サン・ミッシェル=ノートルダム駅で降りて地上に出ると、すぐに大きな建物(ノートルダム大聖堂)が視界に入ります。
訪れたのは平日の午前9時半ごろで、まだ観光客の数は多くなくラッキー。
わたしたちの旅行計画では大聖堂の塔に登るためのチケット(予約制)を事前に入手しておくだけのつもりでしたが、予定を少し変えて内部見学を最初に行っておくことにしました。
大聖堂の内部は、声を出すのをためらってしまくらい荘厳な雰囲気です。
キリストやマリアの石像、宗教画、彫像、祭壇、ローソクの火などを見ていると、教徒でないわたしでも神秘的な気分に包まれてきます。
壁には美しいステンドグラスやシャンデリアがきらめき、天井のドーム式建築も美しいものでした。
とくにステンドグラスは朝日に映えて大変きれいで、前日の午後に行かなくて正解だったと思います。
そのほか、大聖堂の歴史や建築についての展示もありました。
展示の説明文はフランス語または英語ですが、日本語対応のオーディオガイドを利用すれば問題ないでしょう(入口近くでレンタルできます)。
こんな感じで大聖堂の見学を終え、塔のチケット発券所へ。
発券所は、大聖堂の正面向かって左側にありました(行列が出来ているのでわかりやすいです)。
ノートルダム大聖堂の塔に登れる予約時刻はお昼すぎだったので、それまでの2時間くらいは周辺の観光スポットを見て回りました。
コンシェルジュリーを見学
コンシェルジュリーには、ノートルダム大聖堂から徒歩で行けます。
パリ警視庁に向かって右の角で曲がりシテ(CITE)駅前の広場を歩ていくと、最高裁判所の隣にある建物がコンシェルジェリーです。
コンシェルジュリーは牢獄であるため、内部に入ってみると暗い空気がただよっているように感じました(妻は早く出たがっていました笑)。
建物内の礼拝堂はかつてマリー・アントワネットが幽閉されていた独房でしたが、そこにある彼女の絵画や追悼碑を見ているだけで悲しい気分になってきます。
他者に運命を振り回される人生はつらすぎる…。
サント・シャペルを見学
しんみりした気持ちのまま、コンシェルジェリー隣のサント・シャペルへ。
ノートルダム大聖堂より小さな教会堂ですが、入口には観光客の行列が出来ていました。
たしかに内部に入ってみると、訪れる価値のある場所だなと感じます。
1階の天井のデザインは大聖堂と違った色彩があり、2階のステンドグラスは大聖堂のものより美しいといえるかもしれません。
壁のほとんどがステンドグラスになっていて、神秘的な陽の光に包まれていると身が清められるようです。
ただ、サント・シャペルは1階も2階も部屋がせまいので観光客でぎゅうぎゅう詰めに近い状態…。
対人恐怖症のわたしには少しストレスを感じる場所でもありました。
ちなみにサント・シャペルの外は、最高裁判所の敷地内になっています。
案内看板に従って進むと、裁判所の正門出口です。
「BRASSERIE LES DEUX PALAIS」で休憩
最高裁判所を出ると、道路を挟んで向かい側にカフェらしき飲食店が。
塔の予約時刻までまだ時間があったので、休憩をかねてそこで軽食をとることにしました。
「BRASSERIE LES DEUX PALAIS」(ブラッセリー・レドゥー・パレ)という店です。
すでにホテルで朝ごはんを食べていたんですが、いちばん値段の安い朝食セットとカフェラテを注文。
朝食セットは、トースト、フランスパン、目玉焼き、オレンジジュースといったシンプルなものでした。
カフェラテには表面にハート型のアートがホイップされており、フランスでもやるんだなぁと思ったしだいです。
味については特筆すべきものはありませんが、居心地の良い店だと感じました。
店内から見える最高裁判所周辺の風景は上品ですし、店内は活気があって店員さんも愛想が良く楽しかったです。
ただ値段設定は高めで、上記の注文内容で合計4000円以上しました(汗)。
ノートルダム大聖堂の塔に登る
小腹を満たして再びノートルダム大聖堂に戻ると、聖堂前の広場には観光客の長蛇の列…。
やはり午前中に見学をしておいて大正解でした。
行列を横目に、大聖堂の塔に登るため前述の発券所で予約時刻まで待ちます。
周辺は日陰でかなり寒く、9月とは思えないほどでした。
ガクガクが震えながら待つこと15分くらいで、ようやく塔の内部へ。
内部に入ると、ひたすら階段の連続です。
らせん状の階段を300段以上のぼらなければなりません(古い建物なのでエレベーターなどはありません!)。
階段の途中でひと休みする外国人観光客を何人か抜き去りながら、ひたすら足を動かし続けます。
そしてなんとか高層階にある回廊部分に到着。
ようやく外の景色が見られました…といっても網状の柵がちょっと邪魔かもしれません。
回廊には多様なキマイラ(架空の怪物)の石像がありユニークでした。
また回廊から南塔に入ってみると中に大きな鐘があるなど、見どころが多かったです。
南塔からは大聖堂の頂上にも登れます。
ここでは柵が少なく、パリ市街の絶景を見わたすことが可能です。
ただ通路が狭いので、わたしのような小心者は後方の観光客集団のプレッシャーを感じてゆっくり観光できませんでした(苦笑)。
塔を降りて出口を抜けると、ノートルダム大聖堂の南側へ出ます。
こちらの側面も見ごたえがあり、バラ窓などの建築美を外側から堪能できました。
サンルイ島やサンマルタン運河を散策
ノートルダム大聖堂の南側を歩いていくと、その先はサン=ルイ島です。
ここからほとんど徒歩で移動し、サンマルタン運河などを散策しながらパリ北駅に向かいました。
サン=ルイ島では観光スポットに訪れていませんが、散歩しているだけでも十分に楽しかったです。
セーヌ川の景色を見ながら、パリの秋を満喫できたように思います。
サン=ルイ島の散歩を終え、シュリー橋をわたってアンリ・キャトル大通り(Boulevard Henri IV)へ。
ここを歩いて、バスティーユ広場の最寄り駅であるバスティーユ(Bastille)駅からジャック・ボンセルジャン(Jacques Bonsergent)という駅にメトロ5号線で移動しました。
ジャック・ボンセルジャン界隈でのお目当ては、パリ屈指のパンの名店「Du Pain et Des Idées」(デュ・パン・エ・デジデ)です。
駅を出てランクリー通り(Rue de Lancry)をサンマルタン運河のほうへ進み八百屋さんの角で右に曲がりイヴ・トゥディック通り(Rue de Yves Toudic)を進んだ突き当りにあります。
小さなお店ですが、ひっきりなしにお客さんがやって来るので店内は行列でした。
パリのコンクールで何度も受賞歴がある店は地元でも大人気のようです。
わたしたちはクロワッサン、チョコデニッシュ、パヴェ(中身はベーコンとチーズ)、アップルパイなどを買いました。
パリの店にしては値段が高くありませんし、味はどれもおいしくてコスパの良いベーカリーだと思います。
パンの購入後は、店の横のマルセイユ通り(Rue de Marseille)を歩いてサンマルタン運河沿いのヴァルミー 通り(Quai de Valmy)へ。
ゆっくりと流れる運河と周辺の風景を楽しみながら北へ進みました。
こんな感じで運河を散策すること30分くらいで、突き当りのルイ・ブラン通り(Rue Louis Blanc)に出ます。
そこを西方向に進んでいき、ラ・ファイエット通り(Rue La Fayette)との交差点で左に曲がるとパリ北駅エリアまでまっすぐです。
そしてようやく午後4時近くにホテルへ帰還。
結局サン=ルイ島から合計1時間半くらい徒歩で移動してきたので、くたくたに疲れてしまいました。
フロントで荷物を受け取り、疲弊した体にムチを打ちながら次の宿泊ホテルへ…。
ふたつめの宿泊ホテル「オテル・デュ・リオン」
ふたつめに宿泊したホテル「オテル・デュ・リオン」(Hôtel du Lion)も駅から近いです。
ダンフェール=ロシュロー(Denfert-Rochereau)駅そばのジェネラル・ルクレール大通り(Avenue du Général- Leclerc)沿いに立地しているので、簡単に見つかります。
しかしわたしは、パリ北駅からB線でダンフェール=ロシュロー駅に向かうさなかに体調の悪化に気づきました。
日本からの長距離移動、寒空の下でのバスツアー参加などもあいまって疲労から風邪を引いてしまったのです…。
ホテル到着後に熱を測ったら38度以上の高熱が(汗)。
「オテル・デュ・リオン」については良いホテルでした。
予約サイトで紹介されている部屋の写真よりも内装や家具が新しく、古くささが全然ありません。
浴室は大きなバスタブ付きで快適ですし、無料WiFiのスピードも遅くないと思います。
期待していた部屋からの眺望はなかなかで、バルコニーからエッフェル塔やモンパルナスタワーをはじめパリの街並みを楽しめました。
さすがに近くでは見られませんが、朝・昼・夜にわたっていろんな表情のエッフェル塔を堪能できます。
1時間に1度のシャンパンフラッシュが何度も見られて大満足です(動画は後日アップします)。
このホテルでただひとつ残念だったのは、湯沸かしポットやティーセットが無い点です。
作り立てのコーヒーや紅茶を飲みながらパリの景色を眺めたかったものですが、宿泊料金をふまえるとぜいたくな要望かもしれません。
ちなみに夕食は近くの「ASIA FOOD」という中華料理店でテイクアウトして部屋で食べました。
疲労もありましたし、なにより洋食に飽きてきたからです(笑)。
この日はパリの中心部(ノートルダム大聖堂やサント・シャペルなど)→北部(サンマルタン運河)→南部(ダンフェールロシュロー)といったように各地を歩き回ったので、心身ともに相当なストレスがたまってしまったようです。
観光中は楽しんでいましたが、ホテルに到着して一気に疲れが出てしまいました。
やはりホテル移動日に観光予定を詰め込むのは避けるべきですね。