パリ旅行の3日目は妻からのリクエストで、午前中にパリ郊外の「モネの家と庭園」を観光してきました。
午後は市内に戻り、「LAZARE」でお昼を食べてから「パレ・ガルニエ」を見学。
その足で「モノプリ」へ買い物に行ってきました。
ジヴェルニーに位置する「モネの家」
印象派の著名画家「クロード・モネ」が生涯の半分を過ごしたジヴェルニー。
この小さな村には、モネの家と庭園が当時のままの姿で残されています。
パリ市内からジヴェルニーへ行くには、サン・ラザール(Saint-Lazare)駅から国鉄(SNCF)でルーアン方面の列車に乗るのが定番です。
サン・ラザール駅を出発して約50分でヴェルノン(Vernon)という駅に着くので、そこで降りて直通バスでジヴェルニーへ向かいます。
バスは列車の到着に合わせて運行しており、待ち時間が少なく便利でした。
最寄りのバス停から徒歩10分くらいで、モネの家と庭園に到着。
入口を抜けて庭の奥へ進むと、かわらしい外観の「モネの家」が姿を現しました。
家の中には、実にたくさんの作品がコレクションされています。
有名な絵画のほとんどは複製画(レプリカ)だそうですが、世界中の美術館で人気の画家なので仕方ありませんね。
そのほか、モネが熱心に収集した浮世絵も多数展示されていました。
モネの家では各部屋に家具などの調度品も残されていて、彼の当時の生活に思いをはせることもできます。
家の窓、壁、テーブルや外のベンチに青緑色が多用されているのはモネの好きな色だからでしょうか。
「モネの庭園」を散歩
モネの家の目の前には、庭園も当時を忠実に再現して残されています。
自然ゆたかな色とりどりの庭が広がっていて、ゆったり散歩を楽しめました。
こうしたさまざまな庭園風景がモネの作品のモチーフになったんでしょうね。
敷地内には庭師の方がいて、彼らが現在も庭の景観を保ち続けているそうです。
庭の奥へ進むと、名作『睡蓮』の元である「水の庭」が見えてきます。
睡蓮の池とそこに枝を垂らす柳の木々がとても風流…。
曇り空の天気が逆に『睡蓮』の世界観とマッチしていて居心地が良く、近くのベランダで1時間くらいボーッとしていました。
水の庭の近くには竹やぶなどもあって、モネが日本にとても興味を持っていたことがうかがえます。
遠く離れた異国でこんなにも関心を持ってもらえたのは日本人としてうれしいです。
ビストロ「LAZARE」で昼食
モネの家と庭園の見学を終え、再びパリ市内へ。
サン・ラザール駅へ向かう列車内で通路を挟んで隣に座った中東系青年がめちゃくちゃ咳しまくっていて、咳・咳払い恐怖症でもあるわたしには大変こたえました…。
もしかしたらこのとき菌をもらったから、のちに大かぜをひいたような気もしています。
さてサン・ラザール駅へ着き、時間は午後2時ちかくだったのでお腹はペコペコです。
駅1階の「LAZARE」(ラザール)というビストロでお昼を食べました。
パリの三つ星シェフがプロデユースする人気店だそうで、高級フレンチとは違った庶民的なフランス料理を味わえます。
わたしたちがメインに注文したのは、19ユーロほどの日替わりランチ。
この日は鴨肉のソテーとスイートポテト(イチジク添え)で、付け合せに大きなフランスパンも付いてきました。
ソテーのソースはオレンジ風味でしたが鴨肉とよく合いますし、甘いスイートポテトやイチジクとの相性も意外と良かったです。
合わなそうな食材をうまく融合させるのがフランス料理なのかもしれない…と素人のわたしは感動したのでした(笑)。
おかげでオプションで頼んだワインもグイグイ進みます(少し酔いました)。
追加で頼んだデザート(パフェ)はとても甘かったですが、付け合せのエスプレッソを飲みながらおいしく頂けました。
しかし会計を見てびっくり、なんとこれら3品だけで70ユーロ(9000円くらい)。
日本のファミレス感覚で注文したら大変なことになりますね…。
ビストロはフランス国内では大衆食堂のような位置づけらしいですが、その話はユーロ圏外の外国人旅行者には当てはまらないのかもしれません。
「パレ・ガルニエ」の内部を見学
ほろ酔い気分で上機嫌のまま、フランス随一の歌劇場「パレ・ガルニエ」(ガルニエ宮)へ。
サン・ラザール駅から徒歩で向かおうと地上に出たら土砂降りの雨で、一気に酔いが覚めました(笑)。
……といってもパレ・ガルニエの観光は内部見学なので天気は問題ありません。
館内へ入れば、雨を忘れるくらい華やかな世界が待っています。
まずは入り口すぐの大階段。
個人的に歌劇場といえば、この大きな階段も思い浮かびます。
期待を裏切らないスケールで天井画(音楽にまつわる歴史画)もダイナミックでしたが、予想以上に観光客が多すぎて撮影にも一苦労です(対人恐怖症的にもしんどい)。
階段を上って各部屋に入れば、どこもかしこも内装がゴージャス極まりありません。
「ガルニエ宮」との名のとおり、王様の宮殿のような建物ですね。
そしてメインとなる舞台も圧巻の作りです。
映画などで見たことのある、ヨーロッパの歌劇場がそこにはありました。
オペラ鑑賞をしなくても十分に格式の高さを体感できたように思います。
「モノプリ」で買い物
パレ・ガルニエを見学したあとは、同じオペラ座エリアにある「モノプリ」(MONOPRIX)で翌日の朝食を買うことにしました(ほかのエリアにも多数の店舗があります)。
店の入口に警備員がいて手荷物のセキュリティチェックを受けたのはテロ対策の影響だと思われます。
モノプリはフランス国内の(わりと)高級なスーパーだそうですが、店内には上等品だけでなくお手頃な食品や日用品も多数そろっていました。
なかでもチーズなどの乳製品、ワイン、ハムの種類が大変に豊富で、さすが「美食の国・フランス」といったところでしょう。
わたしたちは予算と相談しながら、カマンベールチーズ、ヨーグルト、サラダ、生ハムなどを購入。
どれも日本の一般スーパーと変わらない、安定のおいしさです。
チーズと生ハムは前日にモンマルトルで買ったフランスパンに挟んでみたんですが、朝食用としてなかなかイケましたよ。
おみやげ用にも買ったクレープやワッフルのお菓子もおすすめです。
こういう生もの系の菓子類は日本になかなか無いのではないでしょうか。
パリ滞在中にモノプリへは何度か足を運び、おかげで食費の節約につながりました。
フランス料理に興味がないのなら、こうした食事の仕方もアリだと思います(本格的に自炊をしたいならキッチン付きのホテルが便利ですね)。
ちなみにパリのスーパーではレジ袋が存在しないため、買い物の際はエコバッグを持って行きました。
レジ会計の流れも日本と少し違っていて、自分で買い物カゴから商品を取り出しベルトコンベアに並べていく必要があります。
なお3日目の夕食は、こちらも食費節約のためテイクアウト(マクドナルド)です。
可能ならモノプリで済ませたかったんですが、滞在ホテルに電子レンジなどの調理器具が不十分だったため止めにしました。
ただ、パリ北駅そばのマクドナルドは微妙かもしれません。
ハンバーガーは少し冷めているし、ポテトの量も日本とくらべて不十分でした(これでひとり10ユーロは高い…)。
3日目はサン・ラザール駅を起点に効率よく観光ができました。
午前中にモネの家と庭園へ行く場合は、午後にサン・ラザール周辺のスポットをめぐると時間を無駄にしないでしょう。
……が、妻にはこうしたプランが不評だったらしく、ガチでマジギレされてしまいました(滝汗)。
わたしの時間ピッタリの観光スケジュールに疲れてしまったようで、彼女は移動中ずっと機嫌が悪かったようなのです。
「スタンプラリーみたいでつまらない」と言われましたが、「旅行計画をまかせたのはそっちでしょ」とわたしも反論。
(以下、痴話げんかのような話が続きます苦笑)
妻「長旅で疲れているのに朝早く(午前7時半)から行動するのはおかしい」
わたし「ジヴェルニーは遠いから早出になるのは仕方ない。リクエストしたのはそっちでしょ」
妻「そもそも旅というのは、気の向くままに自由に街歩きするものじゃん」
わたし「それでは渡航費用がもったいない。自分の行きたい所を事前に決めてプラン通りに観光したい」
妻「明日は何時から行動なの?」
わたし「朝8時半からだけど」
こう答えた瞬間、妻が思い切り枕をぶつけて来たのでわたしも枕で反撃(汗)。
お互いヒートアップし、イライラしながら眠りにつく羽目になりました…。
わたしからすれば「いままで計画の相談を何度もしていたのに当日に不満を言うなよ」という気持ちだったので、本当に腹が立って離婚してやろうかとも考えたしだいです。
妻もわたしの不親切さ(旅疲れの人を気遣わない態度)に嫌気がさし、同じく離婚についてスマホで調べていたようでした。
……こんな最悪なムードでパリ旅行4日目を迎えることになります。