夏の終わりの8月末ごろ、妻の急な思いつきで山梨県と静岡県を夫婦で旅してきました。
数週間後には(おそらく移動で疲れるであろう)オーロラ旅行が控えていたので当初わたしは反対だったんですが、「そういえば今年は夏らしいことしてないなぁ…」と気づき旅行してみることに。
2泊3日の短い旅程ながらも夏を探し、見つけ、体感できたように思います。

今回は、その小旅行の前半にあたる山梨県東部(峡東地域、郡内地域)の旅行記です。
静岡県東部(駿東地域)の旅行記はこちらにまとめています。

「皆吉」でほうとうを実食

山梨観光でまず訪れたのは、ほうとうの人気店「皆吉」(みなき)。
峡東地域(甲府盆地の東側エリア)の甲州市に所在している、歴史ある名店です。

写真:「皆吉」入り口ののれん
入口にかかった「皆吉」ののれん

11時オープンで11時半ごろ現地に到着したのですが、すでに店の外には多数の客が空席を待っていました…。
視線恐怖症のわたしは、なんとか庭のほうへ目を向け続けながらジッと待機(汗)。
曇り空の下、蒸し暑さとセミの鳴き声が夏を感じさせます。

待つこと30分でようやく客席に案内されました。
店内は築130年の古民家ならではの風情ゆたかな作りです。
良い意味での古めかしさがあり、お盆に祖父母の家を訪れたときのような気分にもなれます。

写真:「皆吉」の店内
なつかしくなる雰囲気の店内

さて料理の方は、「野菜ほうとう」と「きのこほうとう」を注文してみました。
待っているあいだには地元・勝沼産のぶどうをいただくことができ、少し得した気分です。
そのあと15分くらいで料理が到着~。

写真:「皆吉」の野菜ほうとう
「野菜ほうとう」

皆吉のほうとうはとても素朴な味付けです。
慢性腎臓病になったこともあるわたしにぴったりの低塩分食だと思います(苦笑)。
味が薄すぎると感じる人は多いかもしれませんが、調味料が充実していなかった昔の人たちはこのくらい薄味の料理を食べていたのでしょう。

「ぶどうの丘」で甲州ワイン選び

次は同じ勝沼エリアの「ぶどうの丘」。
ここで山梨の名産品「甲州ワイン」をおみやげとして選んできました。

……と言っても私たちはワイン通ではないのでどれが良いのかわかりません(苦笑)。
説明書きと値段をざっと見てなんとなく赤ワイン・白ワイン1本ずつ選びました(笑)。

写真:山梨・ぶどうの丘で購入した甲州ワイン
甲州ワイン(赤)

ワイン選びを終えてからは、ぶどうの丘の展望台へ。
南アルプスの山々が見えるそうなんですが、この日はあいにく曇りで残念。
甲府盆地の景色も、よくある地方都市の風景という印象しかなかったです…。

写真:山梨「ぶどうの丘」展望台からの眺め
さびしげな景色…

猿橋で涼を楽しむ

甲州2大グルメを体験したあと、ここからは郡内地域(富士五湖エリア周辺)の観光です。
はじめに大月市にある猿橋を観光しました。
「日本三奇橋」といわれる橋であり、国の名勝にも指定されています。

写真:山梨県大月市の猿橋
普通の古い橋に見えますが…

実際に見てみると小ぢんまりとした橋なんですが、日本家屋の屋根を重ねたような構造がとてもユニークでした。
雨で木が腐らないよう屋根が付いているそうです。

写真:猿橋の構造
珍しい見た目には理由があったんですね

また、橋の脇の小道を下っていくと、橋の下を流れる桂川を近くで見られます。
橋の架かる峡谷と桂川が一体となった景色はなかなかの絶景といえるでしょう。

写真:桂川と猿橋ちかくの峡谷
猿橋の向こうに別の橋も見えますね

相変わらず曇りでジメジメした空気のなかでも、勢いよく流れる川の音を聞いていると涼しくなってきます。
これも夏の風情ですね。
平日のせいか観光客がほとんどおらず、対人恐怖症でもあるわたしはリラックスして観光を楽しめました。

河口湖畔で宿泊

猿橋観光へ移動と旅の疲れが溜まってきたので、夕方前に宿泊地の河口湖へ向かうことに。
途中、富士吉田市の地元スーパーでワインとおつまみを購入。
今夜は夫婦ふたりで部屋飲みです。

宿泊したのは、河口湖畔の「プライベートホテル麗」という宿。
河口湖がすぐ目の前にあり、その奥には富士山が見えるなかなかの絶景宿だと思います。

……が、天候が微妙なため、富士山の姿は見えてもその山頂は見えず…。
夜になるまで客室から様子をうかがっていましたが、ずっと雲に覆われていました。

写真:河口湖畔から見た富士山(夏の曇りの日)
雲の帽子をかぶったような富士山

ポジティブに考えれば(笑)、山頂の雲は雪化粧のようにも思えます。
旅行の計画段階で、わたしが「夏の富士山は雪化粧をしていないから見ても仕方ない。秋以降に行ったほうがいい」と言ったせいなのかもしれません。

さて宿泊レビューとしては、まず第1にやはり立地が良いです。
河口湖と富士山が見えるのはもちろんのこと、市街地や住宅地から離れたエリアに所在しているため静かな環境で宿泊できました。

客室は小ぎれいで、装飾などオーナーの奥さまのこだわりが所々に感じられる西洋風の部屋です。
プライベートの浴室は石造りの日本風で、ちょっとした温泉気分を味わえます。
また宿の周囲にヨーロピアンガーデンを思わせる庭園があり、建物のテイストも含めて以前パリ旅行で訪れたモネの家のようでした。

写真:「プライベートホテル・麗」の花たち
かわいらしい花がたくさん

学生時代以来ひさびさに民泊しましたが、オーナーは気さくな方で会話も弾み好印象です。
ほかの宿泊客たちとの交流も少しあり、民泊ならではの楽しさを体験できた気がします。

出発日の早朝には、宿から河口湖畔を少し散歩しました。
日の出前後の湖畔はとても静かで、心が清らかになりますね。

写真:河口湖畔の朝焼け
少し晴れてきました
写真:雲で覆われた富士山の山肌(夏)
まだ曇っていますが富士山の山肌が初お目見え

河口湖でボート漕ぎ

山梨旅行の2日目に入り早くも最後の観光スポットです。
河口湖でレンタルボートを漕ぎました。

「ボートハウス・ハワイ」という、ハワイ感ゼロ(汗)の店で小さなボートを1時間1000円でレンタル。
ボート漕ぎはおそらく人生初体験なんですが、スタッフのおじさんは漕ぎ方を教えてくれる雰囲気ではありませんでした(無愛想…)。

離岸するのにも一苦労だったものの、ようやくコツをつかみ湖の中心へ。
富士山や河口湖を取り囲む山々の景色は、水上だからこそ見られるものだと思います。

写真:雲に覆われた夏の富士山(河口湖上のボートから)
富士山は厚い雲に覆われてましたが…
写真:夏の河口湖畔の風景
河口湖周辺の天気は良好でした

この日は天気予報に反して青空が見られ、河口湖上空の太陽の光は初夏のようにまぶしかったです。
ようやく”夏らしいこと”ができ満足なんですが、日差しが強くて履いていたジーンズが焼けるように熱くなりました(笑)。

小学生のころ富士急ハイランドへ行ったとき以来25年ぶり(!)の山梨旅行。
1日目は夏休みの終わりのような物悲しさがあり、2日目は夏休み序盤のようなワクワクを感じました。

わたしたちは山梨県をあとにし、国道139号線を通って静岡県へ。
まだまだ夏成分が足りません!

写真:夏の西湖(車窓からの眺め)
道中、車窓から見えた西湖