イエローナイフ・オーロラ旅行の2日目は、待ちに待ったオーロラの初鑑賞です。
街はずれのラッサム島にて、いわゆる「ノーザンライツ」(northern lights。「北の光」の意)を初めて見ることができました。
空港からラッサム島へ
初日の深夜イエローナイフ空港に到着したわたしたちは、宿泊先のあるラッサム島までタクシーを利用して移動しました。
イエローナイフ空港には公共の交通手段(バスや電車など)がありません。
一部のホテルでは利用客向けにシャトルバスが用意されていますが、B&Bに宿泊する場合はタクシーが唯一の移動手段になるでしょう。
ただ、帰りにイエローナイフ空港へ向かう際に利用客でなくてもシャトルバスに乗れましたので、空港発のシャトルバスも乗車OKなのかもしれません(自己責任でご判断ください)。
さて空港発のタクシーのほうは、空港の出口付近で空車を待つことになります。
深夜便で現地に到着したので、タクシーを待つ間かなり寒かったです。
(ちなみに夜空にはオーロラがまだ見えていませんでした。)
10分くらいで空きタクシーに乗車でき、運転手さんに行き先を説明。
英会話に自信はありませんが、宿泊地の住所と地図を見せたので無事に目的地に着くことができました。
(宿の外観の写真も用意しておくと車窓から見つけやすくなりますよ。)
空港から宿まで約15分間のタクシー利用の料金は日本円で3000円弱もしました。
カルガリーのときも同じくらい取られたんですが、カナダのタクシー相場はわりと高いのでしょうか。
ラッサム島の北端へ
タクシーを降り、宿泊先のB&Bにチェックイン。
オーナーのカナダ人女性が温かく迎え入れてくれました。
大型犬も室内にいて雑音恐怖症のわたしとしては嫌だったんですが、それを差し引いても滞在中は快適に過ごせたように思います(宿泊の感想は3日目の記事でまとめています)。
オーナーとのあいさつを終えると、時間はすでに午前1時ちかく。
オーロラ観賞の時間が無くなってしまうので、部屋に荷物を置いてすぐに外へ出かけました(移動に疲れた妻は部屋で就寝)。
依然として上空にオーロラは出ていませんが、可能性を信じてラッサム島の北端へ向かいます。
Googleマップやストリートビューで下調べをした結果、そこが絶好のオーロラ鑑賞スポットだと考えたからです。
しかしラッサム島北端までの道のりは、なかなか大変なものでした。
舗装された道路が途中から無くなり、そこから先は岩場や湿地しかありません。
岩場には斜面があって登るのに苦労しますし、湿地は長靴でなければ足が泥水で濡れてしまいます。
夜に歩くとなれば、足元を照らす懐中電灯は必須です。
私は登山靴しか持っていかなかったので岩場を登って行ったのですが、この日は前日に雨が降ったのか斜面が濡れており、何度か足を滑らせました。
また岩場のあちこちに水たまりが出来ており、そこにも何度も足を突っ込み靴が水浸しに…。
後日、帰り道に岩場を降りる際、勢い余って目の前の湿地にドボンと落ちて膝まで汚してしまったこともあります(苦笑)。
ただ、わたしの読みどおりこの北端は絶好の鑑賞スポットだと感じました。
いざ島の端に到達してみると、目の前に広がるのは広大なグレートスレーブ湖。
視界が開け、うしろの森林を除けば周囲270°くらいは何も遮るものがありません。

建物の光はほとんどなく、 広々とした夜空の下でオーロラを鑑賞できました。
また、歩行到達困難な場所のため周囲に人がまったくおらず、気兼ねなく鑑賞・写真撮影できたのも良かったです(対人恐怖症の身としてもありがたい)。
ファースト・ノーザンライツ
ラッサム島の鑑賞スポットに着くまで予想外に苦労したため(苦笑)、撮影環境が整ったころには午前2時を過ぎていました。
夜空はそこそこ晴れていたものの、まだまだオーロラは出現しそうにありません。
海外のオーロラ予報サイトによれば、この日のオーロラ活動のレベルは最弱の「1」。
オーロラ経験者なら翌日以降に期待してもう寝るでしょうが、オーロラ初心者のわたしは少しのオーロラでも見られればと徹夜で待ち続けました。
……するとしばらくして、湖の対岸にうっすらと白い霞のようなものが見えてきているではありませんか!

ファースト・ノーザンライツ(初めてのオーロラ)にしては、めでたい感じがしない地味な見た目ですね(笑)。
しかも低レベルのオーロラの場合は肉眼で見るとこのような緑色には見えず、薄い雲とほとんど変わりません。
よくあるオーロラ写真のあの色合いは、カメラの夜景撮影モードのおかげなのかもと思ってしまいます(苦笑)。

しかし弱いオーロラであっても、初めて生で見られたことにわたしは大満足でした。
本当にオーロラが存在していたんだと、自分の目で確かめられた意義は大きいです。

このあとも明け方ちかくまで、たまに現れては消えていくオーロラを観賞しました。
途中から霧がなくなってきたことで予報より少し強めのオーロラが見られた瞬間もあり、初ノーザンライツとしては上々の出来だったんじゃないかと思っています。


ラッサム島を引き続き探検
オーロラ鑑賞を終えてからは、宿へ戻りながらラッサム島を少し散策しました。
ほかに良い鑑賞スポット・撮影場所があるかどうかの調査です。
結果としては、ラッサム島の沿岸部については島北端ほどの絶景スポットは見つかりませんでした。
ところどころグレートスレーブ湖の湖畔まで近づける場所がありますが、どれも民家周辺のため夜間にうろつくと不審人物と思われそうな気がします。
カナダは銃社会・アメリカの隣国なので、犯罪者と間違われて銃殺される危険もなきにしもあらず…でしょう。

また、ラッサム島の北側のエリアは南側と違い古びた住居が目立っていました。
学校らしき建物もどこかさびれており、スラム街とまでは言いませんがそれに近い場末な雰囲気を感じたのは否めません。
このあたりでオーロラを見たい場合は、防犯にも十分に注意した方が良さそうです。
運良く、オーロラ初挑戦の日にして肉眼でもオーロラを観賞できました。
ラッサム島のあの穴場スポットも、(対人恐怖症の)わたしにとっては最高の場所だったと思います。