イエローナイフ・オーロラ旅行4日目は、日中から市街地を歩き回りました。
夜には、その疲れが吹っ飛ぶくらいのオーロラ爆発に遭遇。
専門サイトでの「レベル2」の予報をだいぶ上回る「レベル7」のオーロラが出現したのです!

「Dancing Moose Cafe」へ

お昼前に目を覚まし、まずブランチをとりに「Dancing Moose Cafe」(ダンシング・ムース・カフェ)という喫茶店へ。
ラッサム島から橋を渡って左に曲がり少し歩くと店が見えてきます。

写真:イエローナイフ・ラッサム島の橋
ラッサム島に架かる橋

着いたのが昼めしどきだったため、30分くらい待ちました…。
ウェイターがおばさん一人で、回転率が悪いせいもあると思います。

ようやく席に案内され、名物のハンバーガーとコーヒーをわたしたちは注文。
意外と料理は早く出てきて、その料理も結構おいしく頂けました。

写真:イエローナイフ「Dancing Moose Cafe」の「Homemade beef burger」
「Homemade beef burger」(約14カナダドル)

北米らしい食べごたえのあるハンバーガーはやっぱり好きです。
値段はお高めでしたが、物流コストの高い地域なので仕方ないのでしょう。

イエローナイフ中心部まで徒歩移動

お腹が満たされたところで、今度はイエローナイフの中心部(ダウンタウン)まで歩いて移動しました。
日中なので公共バスも利用できますが、旅行気分を味わうためにあえて徒歩です。

道ぞいには頑丈そうなログハウスが点在し、寒冷地に来た実感が湧いてきます。
また、すでに木々が黄色に色づいており、日本より一足早く紅葉シーズンも味わえました。

写真:イエローナイフの郊外の街並み
イエローナイフ郊外の風景

また巨大な一枚岩に施されたアートペインティングやいくつかのイヌクシュクがあり、歩いていて楽しいです。
雑貨店もいくつか見かけたので、おみやげ選びにも便利そう。

写真:イエローナイフの「McAvoy Rock」
「McAvoy Rock」なるアートスポット
写真:イエローナイフのフランクリン・アベニュー沿いのイヌクシュク
イヌイット伝統のイヌクシュク

ただやはり徒歩移動は結構な時間がかかりました(苦笑)。
中心部まで一本道なので迷うことはないのですが、ずっと伸びる一本道が距離感を長く感じさせます。
楽しい散歩も途中から少し疲れてきたのは否めません。

ダウンタウンを少し散策

歩くこと30分くらいでようやくダウンタウンに到着。
イエローナイフのメインストリート「フランクリン・アベニュー」では、現地の人よりも観光客のほうが多く歩いていた印象です。

写真:YKセンターの気温表示電光掲示板
現在の気温を表す電光掲示板

まず訪れたのは、イエローナイフ市役所。
ここでは北緯60度線を超えた証明書に加え、記念バッジとポストカードが無料でもらえます。

市庁舎に入ると、観光客向けの受付窓口がすぐ見えるのでわかりやすかったです。
職員に証明書を手渡され、それに自筆でサインをして手続き完了。
あっという間に、証明書とおまけの記念バッジをゲットできました(笑)。

写真:イエローナイフ市の北緯60度越境証明書と記念バッジ
北緯60度を超えた証と、ナイフ形のバッジ
(バッジの台紙はポストカードになってます)

ちなみに市役所の周辺には公園や湖があり散歩も楽しめました。
湖の向こう岸には郷土資料館があり、イエローナイフの歴史や野生動物について学べるそうですよ。

さて次は、メインストリート沿いにある「Northern Images」「Aurora Emporium Art Gallery」といった人気おみやげ店めぐり。
伝統工芸品やオーロラ関連グッズなど、おみやげになりそうな物がそろっていました。

わたしのおすすめは、イエローナイフのナンバープレートを模したキーホルダー。
シロクマの形をしたナンバープレートがとてもかわいいです。

最後に向かったのは、YKセンター内にある「Glen’s Your Independent Grocer」というスーパーマーケット。
野菜・果物・魚・肉などはもちろん、惣菜、カップ麺などの加工食品、清涼飲料・酒類、日用品まで豊富にそろっており、イエローナイフ滞在時にとても重宝します。

この店で食料品やお菓子などを買いましたが、カナダ経験の多い妻によれば価格はバンクーバーなどの大都市とくらべて高いとのこと。
やはりイエローナイフのような僻地だと物の値段が上がりやすいようです。

買い物のあとは、重い荷物を持って徒歩で帰りました。
当初は公共バスで帰ろうと予定していたんですが、滅多に来ない街なので景色を目に焼き付けながら宿へ帰還。
夫婦ふたりで大きな買い物バッグをぶら下げながら歩くのも良い思い出です。

まさかのオーロラ爆発!

宿で自炊し夕食をとりおえ、今夜は3回目のオーロラ鑑賞。
これまでオーロラは深夜1時くらいに出現していたので、この日も0時くらいから出かける気でいました。
予報サイトを見てみるとこの日もオーロラ活動レベルは「2」で、窓の外を見ても真っ暗だったため期待を持たず部屋でだらだら過ごしていたのを覚えています。

ところが、すでに就寝中の妻が23時すぎくらいにふと起き出し「(部屋の)カーテンを開けて」と言い出したのです。
開けて空を見てみると、そこには大きなオーロラが!

写真:オーロラ(イエローナイフ・ラッサム島の宿の客室から)
客室から見えたオーロラ

よく見ようと駆け足で3階のバルコニーへ行ってみると、間違いなく結構な大きさのオーロラが出現していました。
ただ、リビングに居たオーナーに聞いたところ「よくあるオーロラ」だそうです(苦笑)。

写真:オーロラ(イエローナイフ・ラッサム島の宿のバルコニーにて)
バルコニーから見たオーロラ

しかしオーロラ初心者のわたしのテンションは下がらず、急いで防寒着に着替えて外へ。
興奮で目を覚ました妻も一緒に、例のごとくラッサム島北端に向かいました。

道中は頭上の空のあちこちにオーロラが出ていて、まさに「オーロラの街」に来たんだ!という感じです。
街の全体が緑や白の帯で包まれているのが肉眼でもわかります。

そして島の北端に到着すると、そこはオーロラのダンス会場。
グレートスレーブ湖の上空を縦横無尽にオーロラのカーテンが揺らめいていました!

写真:イエローナイフのレベル5オーロラ(グレートスレーブ湖のラッサム島から)
レベル5はありそうなオーロラ
写真:イエローナイフの弧状オーロラ(グレートスレーブ湖のラッサム島から)
大きな弧状オーロラ(オーロラアーク)
写真:イエローナイフのレベル5逆さオーロラ(グレートスレーブ湖のラッサム島から)
逆さオーロラもあざやか

またたく間にオーロラは姿・色を変えながら脈動し、やがて赤やピンクのような色味も帯びてきました。
こうした色のオーロラは高レベルでないと見られません。
激しい台風のような動きや空全体に広がる大きさも踏まえると、あの日のオーロラは「オーロラ爆発」だったと言って良いでしょう(タイムラプス動画は後日アップします)。

写真:イエローナイフの赤・ピンク色オーロラ(グレートスレーブ湖のラッサム島から)
赤・ピンクが混じったオーロラ
写真:イエローナイフのオーロラカーテン(グレートスレーブ湖のラッサム島から)
下から見たオーロラカーテン
写真:イエローナイフのオーロラ爆発(グレートスレーブ湖のラッサム島から)
空を覆い尽くさんばかりのオーロラ爆発

こうして約1時間以上、オーロラ爆発は続きました。
オーロラが少なくなってきたタイミングで、満足した妻は「もう眠い」と宿へ。
わたしは再度の爆発を期待してひとりで待機することにしました。

それからしばらくして深夜3時すぎ。
わたしも帰ろうと思い湖とは逆の方向へ視線をやると、一筋の長いオーロラの帯(アーチ)が空中にただよっていました。

写真:一筋のオーロラと星空(イエローナイフ・ラッサム島から)
左端の帯状オーロラが不思議と気になりました

たいした動きもありませんでしたが、変わったオーロラに思えてしばらく見ていると…。
突然オーロラカーテンと化して激しく揺らめき始めたのです!

あわててカメラと三脚を持ってオーロラの方向に走りましたが、岩場の浅いくぼみに落下してしまいました(滝汗)。
そのせいで万全な状態でカメラ撮影できなかったんですが、あのときのオーロラは本当にすごかった…。

写真:真下から撮影した コロナ状オーロラ(イエローナイフのラッサム島から)
渦のようなオーロラの内部

空から降り注ぐような光のカーテンが、ゆっくりと左から右に揺れていきます。
色合いは緑よりも赤やピンクが主体となり、青色も少し見えました。
わずか数分の出来事だったこともあり写真・動画にはうまく記録できていませんが、YouTubeの動画で近いものだとこんな感じです

無宗教のわたしでも神の存在を感じてしまうほどのオーロラでした。
対人恐怖症のため子作りしようか迷っているわたしにエールを送ってくれたような気もします(考えすぎか笑)。

……その後も明け方までオーロラは活発でした。
翌日レストランでカナダ人と会話を楽しんでいたときに判明したんですが、この日のオーロラは「レベル7」だったそうです。
予報サイトが後から修正したんでしょうか(苦笑)。

写真:明け方のオーロラ(イエローナイフのラッサム島から)
明け方でもオーロラが躍動

ちなみに夜明け近くのグレートスレーブ湖は、ものすごい霧に包まれていました。
オーナーに聞いたところによれば、朝方は湖の水が蒸気となって霧が発生しやすいんだとか。

写真:霧に包まれたグレートスレーブ湖(イエローナイフのラッサム島から)
神秘的な気もする霧のグレートスレーブ湖

4日目は日中ずっと外で行動し対人恐怖症者にはつらいスケジューリングだったはずですが、オーロラ爆発のおかげですっかり元気です。
宿への帰り際には、すれ違うカナダ人たちに「Good morning!」とあいさつ。
最高の1日になりました。