わたしの人生で初めてのいじめられ体験談です。
記憶はあいまいなのですが、いじめられたという苦い思い出は今も頭のなかに残り続けています。

幼なじみたちによる集団でのいじめ

平屋建て貸家の玄関

自宅ちかくの幼稚園から帰ってきたあと、近所に住んでいる同年齢くらいの子どもたちとよく遊んでいました。
いわゆる幼なじみの付き合いですね。
そんななか、ある日いじめに遭ったのです。
なぜそうなったのかよく覚えていないんですが、記憶として強く残っている場面が1つあります。

幼なじみたちが集団でわたしを追いかけ、殴ろうとしてきたんです。
わたしは泣きながら全力で逃げ、自宅の玄関に飛び込みました。
引き戸のカギを急いでかけるも、戸をドンドン叩いてくる幼なじみたち…。
「開けろよー!」
「出てこいよー!」
「泣き虫ー!」
ドンドンドンドンと玄関を叩く音がすごくこわかった。
カギがかかっているにも関わらず、幼なじみたちは力づくで引き戸を開けようとしてきます。
引き戸が動かないよう、必死で引き手を押さえ続けるわたし…。
非力な幼稚園児にとっては絶体絶命のピンチです。
心臓がキューっと締め付けられた感じを覚えています。
すぐに母親が幼なじみたちをたしなめ事態は解決しましたが、わたしはしばらく泣いていたそうです。

生まれてはじめての恐怖体験

いじめられた理由は今でもはっきりわかりません。
おそらくわたしの見た目がおとなしそうだからでしょう。
大人になってもよく言われます…(不本意なんですが)。

その1件のあとは幼稚園でいじめを受けたことはありません。
いま思えば深刻ないじめというわけではなかった気もします。
しかしいじめを受けているさなか「こわい」と強く感じたのは確かです。

突然わけもわからず襲われる恐怖。
引き戸が開けられてしまおうものなら終わりという緊迫感。
生まれてはじめて感じた恐怖…いや、それまでにもこわいことはあったと思いますが、いまだに覚えている「はじめての恐怖体験」といえばこの出来事をまっさきに挙げます。

もしかすると、あのいじめが対人恐怖症の原体験なのかもしれません。
人間の攻撃的な部分をまざまざと見たことで、潜在意識のなかで「人はこわい生き物」という考えが湧いた気がしています。