ソウル旅行の初日(1日目)は、人生初の海外旅行の日でもあります。
日本を出発して韓国に入国したあと、ソウルの街を散策しました。
明洞(ミョンドン)を散歩しつつ三角地(サムガクチ)でテグタンを食べ、最後は南山公園へ。

生まれて初めて日本を出国

対人恐怖症になってから近所に外出することすら恐れているわたしですが、なんと日本を出て海外へ行くことになりました。
再会した元彼女(現在は妻)との交際のなかで、ソウル旅行の誘いに乗ってしまったからです。
人の頼みごとをつい引き受けてしまうわたしの悪い癖だなと反省…。

彼女には普段から世話になっているので、今回の旅行はドタキャンするわけにはいきません。
決死の覚悟で玄関のドアを開け、彼女が運転する車でお昼ごろ成田空港へ向かいました。
生まれてから30年以上が経って初めての海外旅行です。

免税店の近くに飾ってあったクリスマスツリー

成田空港に着いてからは初体験の連続でした。
航空会社の搭乗手続き、税関での手荷物検査、出国審査、免税店、飛行機への搭乗などなど。

ドラマなどで空港内の風景をみたことはありますが、「こうやって飛行機に乗るんだなぁ」と実際の手順を経験できました。
手荷物としてペットボトルの水すら持ち込み禁止とは驚きです(どうやら液体が持っていけないものに該当するようです)。

そんな新鮮な体験をしながらも、対人恐怖症の悩みはあい変わらずでした。
日曜日の空港内は人で混み合っていたため早くも「家に帰りたい…」と強く後悔。

機内の座席配置についても、不運なことに彼女と通路を挟んでバラバラになってしまい落ち着きません。
まともな精神状態で日本に帰ってこれるのか、とても不安になりながら韓国へ出発しました。

行き先の仁川(インチョン)国際空港までのフライト時間は2時間半ちょっとですが、対人恐怖症のわたしにとってはその何倍もの時間に感じます。
他人に囲まれた状態で長時間じっと座り続けるのはつらい…。

暇をつぶそうと彼女と会話しようにも通路をへだてて大声で話すのは恥ずかしいですし、脇見恐怖症他者視線恐怖症でもあるので読書にはあまり集中できません。
フライト時間の大半を寝たふりで過ごすしかありませんでした。

ちなみに今回のソウル旅行で利用した航空会社は『チェジュ航空』です。
格安航空会社(LCC)であるせいか、機内食は提供されずお茶だけでした(お金を払えば弁当、パンや飲み物などを機内で買えます)。

そのぶん(?)、FUNサービスという謎のイベントがあってCA(客室乗務員)さんがマジックを披露したりジャンケン大会を開いたりしていました。
CAさんたちはイケメン・美女の韓国人が多く、とくに男性CAはみんな背が高くて男のわたしでも見とれてしまうレベルです(汗)。

仁川空港に到着、ソウル市内へ

長時間のフライトに耐え、無事に午後3時ごろソウル市近郊の仁川空港に到着。
入国審査や税関を無事に通過し、初めての海外・韓国に入国しました。
とはいえまだ空港の中なので実感はほとんどありません(笑)。

入国手続きを終えると、『HIS』の送迎バスが待つ場所へシャトル・トレインで移動します。
空港内を列車が走っているとは驚きです。
成田空港ではバス移動しかありませんからね。

列車を降り、空港の外へ出るやいなや寒い寒い…。
ヒートテック・ダウンジャケットなど防寒対策はある程度したつもりでしたが、それでも韓国の冬は寒すぎました。
冷たい冬風に吹かれながら急いで送迎バスに乗り込みます。

するとさっそく韓国人のガイドさんが「アニョハセヨ~」とお出迎え。
ソウル観光の注意点やアドバイスを日本語で説明してくれました。

バスの車内にはカップルや女子大生っぽい若者など日本人観光客が多く乗っており、さすが女性に人気のソウルという感じです。
いっぽう中年男性2人✕ギャル2人という年齢の釣り合わないグループもいて、A◯の撮影かと思いました(笑)。

対人恐怖症の身としてはバスは苦手ですが、このときは車窓からインチョン市やソウル市の景色をみて気分をまぎらわせていたのでそれほど苦痛ではなかったです。
同じアジアの国だからか日本の東京近郊の風景と似ているものの、標識や看板はハングル文字なので異国情緒があります。

ソウル市内に入ると同じ色・形の高層マンションが立ち並び、日本より「すし詰め」感がひどいかもしれないと思ったり(苦笑)。
走っている車がヒュンダイ製のものばかりなのも気になりました。

こうしてソウルの景色を眺めていること約1時間、送迎バスはソウルの中心部・市庁(シチョン)エリアへ。
高層ビルやデパートが立ち並び、日本でいう新宿に近い気がします。
まだ時刻は午後5時くらいでしたが、冬なので外はもうすっかり夜の雰囲気です。

ここでいったん送迎バスが停車し、『東和免税店』という免税デパートへ立ち寄りました。
免税店ショッピングは安いツアーには付きものですが、ブランド物や高級化粧品に興味がないわたしにとっては退屈で仕方ありません。
移動の疲れでメンタルが限界に迫っているなか、彼女の買い物にしばらく付き合わされましたよ…(韓国コスメを衝動買いしていました)。

明洞(ミョンドン)のクリスマス・イルミネーション

免税店を出て送迎バスに戻ると、今度こそ宿泊先の『ジェイヒルホテル』へ直行です。
明洞のメインストリート・中央路(チュンアンロ)の入り口でバスから降り、そこから歩いてホテルへ向かいます。
クリスマスシーズンだったので、通りのあちこちにはクリスマスイルミネーションやツリーが見られました。

明洞から三角地へ行きテグタンを実食

ホテルに着いてさて一息…とは残念ながらいきません。
夕食付きプランではないので、晩ごはんのテグタン(タラ鍋)を食べに再び外出です(わたしにとってはまさに修行…)。

明洞(ミョンドン)の屋台

夜の明洞は人ごみだらけで、お祭りのような雰囲気でした。
食べ物の屋台や洋服・アクセサリーの露店が立ち並び、路上ライブをしている人やクラブミュージックを流して踊っている若者もいます。
日本の渋谷のような感じで、対人恐怖症が原因で東京を離れたわたしにとってはなつかしいような嫌な気分です(苦笑)。

そんな明洞の人混みを通り抜け、わたしたちは明洞駅へ。
ソウルメトロ(地下鉄)の4号線に乗って三角地駅に向かいました。
改札が日本と違って手動でバーを回さなければならずめんどくさかったです。

三角地(サムガクチ)駅

三角地に着き駅を出ると、テグタンの店はすぐそこ。
細い路地にいくつかのテグタン料理店が集まっており、わたしたちは『元(ウォン)テグタン』という店に入りました。
このエリアは古い建物が多く路地裏の道は未舗装で、昭和初期のような雰囲気です。

お店に入ると、いかりや長介に似たおばちゃんが無言でテーブル席へ案内してくれました。
店内は決してきれいではなく、料理の味が心配になります…。
注文したのは、もちろんテグタンとそしてビール(たしか青島ビール)。

待つこと5分くらいで、おばちゃんが具材の入った鍋を持ってきました。
いや~見るからに豪快です。
タラの身や白子、ニラ・もやし・大根などの野菜がてんこ盛り。
まさに韓国のソウルフードって感じがしました(ソウルなだけにソウルフードと言いたいわけではありません笑)。

ガスコンロの火にかけ鍋がグツグツ煮立ったらいよいよ実食です。
韓国ならではの鉄製の箸を使って、タラの白身をひとつかみ。
ホクホクとした食感とピリ辛の味つけが癖になります。
白子はプリプリ、野菜もシャキシャキでおいしいです。

具材をひととおり食べ終えると、おばちゃんがまたやってきて鍋にご飯・ネギ・セリ・のりなどを投入!
お玉を使って慣れた手つきでそれらの材料を炒めていきます。
出来上がったのはポックンパというチャーハンみたいな料理。
韓国でも鍋の締めはあるんですね~。

このポックンパが今回のソウル旅行で一番の絶品でした。
テグタンのスープがご飯によく絡まっていて美味。
おこげがほどよく付いているのもたまりません。

良い意味で、店に入ったときの第一印象を裏切られました。
おばちゃんは無口だけどやさしさが伝わってきてなんか癒やされましたし。
店内は観光客より地元の韓国人のほうが多く、これぞまさに「知る人ぞ知る名店」でしょう。

なお食レポとは関係ありませんが、彼女いわく韓国の食事マナーとして食器を持つのはNGだそうです。
お椀やお皿を持って食べているとすぐ日本人だとバレてしまうんだとか。
小心者のわたしは、反日の韓国人にバレるのが嫌で必死にマナーを身につけましたよ(日本人だとわかったところでトラブルになることはないと思いますが…苦笑)。

夜の南山公園を散策

Nソウルタワーと月

お腹いっぱいになったところで、今度は南山(ナムサン)公園を散策することになりました。
明洞ちかくにある南山という数百メートルの山に作られた公園で、山頂ではソウルの夜景がみられるほかNソウルタワーに登ることもできます。

わたしたちは三角地駅から明洞駅へ戻り南山公園に向かいました。
明洞の繁華街とは逆方向の細い坂道(このあたりは住所的には「toegyero」というようです)を歩いていくと、南山ケーブルカーの駅を発見。
どうやらこのあたりから南山公園のようです。

駅からケーブルカーに乗って山頂に着くと、あたりは展望公園のようになっていました。
明洞・東大門・南大門エリアの夜景はもちろん、漢江(ハンガン)という大きな川の向こう側にある江南(カンナム)地区の高層ビル群もみえます。

ソウルはやはり気温が低いぶん、日本よりも夜景がきれいにみえるようです。
いやいやながら旅行に連れて行かれたわたしですが、ソウルに来て良かったかもなと少し感じました。
初めてソウル旅行をするなら行くべき場所だと思います。

ソウル・南山(ナムサン)公園のクリスマスツリー

園内にはNソウルタワーや、八角亭(パルガッチョン)、峰火台(ポンファデ)といった歴史的建造物も楽しめました(Nタワーに登るとさらに高い位置から夜景を見られますよ)。
どの建物も美しくライトアップされていてロマンチックなムードです。
巨大なクリスマスツリーもあり、イルミネーションが派手に光っていました。

こういうスポットだとやはりカップルの数は多いです。
韓国人のカップルは平気で人前でイチャイチャする気がします(苦笑)。

…というより街を歩いていても感じたんですが、韓国人の男性は女性をしっかりエスコートするのかもしれません。
いっぽうわたしは人の多さと寒さで帰りたい気持ちでいっぱいで、彼女のことはほとんど考えられませんでした(だめだこりゃ)。

滞在先のホテルに戻ったのは夜10時ころ。
長旅の疲れが一気に出て、泥のように眠りました。

生まれて初めての海外旅行でしたが、初日からソウルの街を動き回りメンタル的にきつかったです。
明洞とその周辺を観光しただけなんですけどね。
2日目はさらに広範囲を旅することになります…。