対人恐怖症だと、虫歯が痛かったり歯周病がひどくなったりしても歯医者になかなか行けないですよね。
さらに引きこもりにもなっていると、歯医者に行きたくない気持ちは相当なものです。
わたしも対人恐怖症で引きこもり体質なので、できれば歯医者に通いたくありません。

しかしいっぽうで、このまま虫歯や歯の痛みを放っておくのも苦しいことかと思います。
そこで当記事では、対人恐怖症でも歯医者に行ける方法を6つほど考えてみました。
いくつかは実際にわたしが近所の歯科へ通う際に実践してきた方法です。

1. 行かなかったらどうなるか考える

歯医者に行かないとこんなふうになる

うすうすは気づいているでしょうが、いま歯医者に行かなかったらどうなるか再度よく考えてみましょう。
おそらく現在よりもさらにつらい、恐怖の毎日を過ごす羽目になるはずです。

たとえば虫歯を放置すれば常に歯の激痛や頭痛に悩まされますし、さらには虫歯菌が歯の血管を通って脳に達し脳梗塞を引き起こすリスクがあります。
歯の異常をそのままにしておくと死んでしまう危険があるわけです。

また一般的には、虫歯や歯周病を放置するほど治療期間・通院期間は長くなります(実際わたしは虫歯と歯周病の治療で、歯科に月2回のペースで2年ちかく通う羽目になりました…)。
対人恐怖症者にとっては避けたい事態ですよね。

いま歯医者に行くことの恐怖と、行かないでおくことのリスクを天びんにかけてみてください。
わたしも「歯医者にもう通いたくない…」と感じたときは、虫歯・歯周病放置のリスクを再度よく考えるようにしています。

2. 訪問歯科を利用する

とはいえ長いあいだ引きこもっていると、歯医者に行くため外出することが恐怖ですよね(わたしもたまに強い恐怖感に襲われます)。
そうした場合は、訪問歯科の利用を検討してみると良いかもしれません。

訪問歯科とは、自宅へ歯医者が診察をしに来てくれるサービスのことです。
現在は全国対応ではありませんが、サービス利用可能地域は広がってきています。

ただ、精神的な障害を認められていないと(医師の診断書を持っていないと)利用できない場合があるため要注意です。
また、利用できても障害者向けの医療費助成が適用されず診察料金が高額になる恐れもあります(訪問歯科では患者の自宅へ歯医者を派遣する手間などがかかるため料金が高くなります)。

興味がある方は一度、地元の歯科医院・歯科クリニックなどに訪問歯科サービス(出張診療サービス)の有無を問い合わせてみてください。
以下のような訪問歯科あっせんサイトを使ってみるのもひとつの方法でしょう。

3. 障害者歯科を利用する

訪問歯科の利用が難しいのであれば、障害者歯科という選択肢もあります。
障害者歯科では、さまざまな精神障害に配慮をしてもらいながら診察を受けることが可能です。
外出しなければなりませんが、普通の歯医者に治療してもらうよりは良いでしょう。

障害者歯科を利用する際は、基本的に精神障害者手帳が必要となっています。
対人恐怖症の症状をくわしく説明すれば、手帳なしで利用できる場合もあるかもしれません。

障害者向けに治療を実施している歯科は全国に多数あるようですが、日本障害者歯科学会認定医のいる所を選んだほうが無難でしょう。
日本障害者歯科学会のページで探してみてください。
認定歯科衛生士もいる施設なら、歯の定期健診のときもさらに安心ですよ(定期健診は歯科衛生士が担当するのが一般的です)。

4. 親などと一緒に行く

訪問歯科や障害者歯科を利用できそうにないのであれば、やはり普通の歯科へ行くことになります。
それでも親や家族・友人と一緒なら、少しは恐怖感や緊張感がおさまるはずです。

わたしも対人恐怖症で家にほぼ引きこもっていたときは、母親の車で近所の歯科へ連れて行ってもらっていました。
待合室や診察室までは付きっ添ってもらいませんでしたが、車の送迎だけでも十分に心強かったです。

親と一緒にいることが恥ずかしいなら、平日の午前中に歯医者へ行くと安心でしょう。
患者はお年寄りの方が多く、家族に付き添われて来ている人もいたりしますので、恥ずかしさを感じにくいかと思います。

5. 少人数の歯科医院を探す

自分ひとりで歯医者に行きたいけど行けない…という場合は、まずは少人数体制の歯科医院を探してみてください。
できるだけ他人の少ないほうが、対人恐怖者にとっては安心できる環境だと思います。
歯科を探す際は「口コミ歯科・歯医者」などの検索サイトで、実際に利用した患者の感想などを参考にすると良いでしょう。

地域によっては、歯科医師のみで営業している歯科も見つかるかもしれません。
ただ、そうした歯科では治療の知識や技術が古い恐れもあるため注意は必要です。
評判の良い歯医者ほど歯科衛生士や歯科助手をきちんと配置しています。

かくいうわたしも昔、人目を避けたい一心で地元のさびれた歯科医院に行ってみたことがあるんですけどね(汗)。
予想どおりほかの患者が誰ひとりおらず、スタッフも歯科医とその奥さんだけでした。
しかし人気がない歯医者なだけに治療の出来がとても微妙で、いまでも少し後悔しています…。

6. 空いている曜日・時間帯に行く

もうひとつは、その歯科が空いている曜日や時間帯を狙うという方法です。
患者が少ない曜日・時間帯に行けば、対人恐怖症のストレスが小さくなります。

わたしのおすすめは平日の午前中です(休日前・休日明けの平日は除く)。
休日の前後、学校の長期休暇中や、放課後の時間帯以降は混む傾向にあります。
人気のある歯科の場合は、休業日の前後も避けたほうが無難でしょう。

可能なら歯科に予約を入れる際に、空いている曜日・時間帯を聞いてみてください。
対人恐怖症でなくとも待合室で待たされるのは嫌なものなので、そういった質問をしても全然おかしくないですよ。

予約・診察の流れ

「方法」ではありませんが、「歯医者の予約や診察(治療)の流れがわからないから不安で行けない」という方のために具体的な流れをまとめてみました。
わたしがいままで通ってきた歯科での例を掲載しています。

予約の流れ

予約については歯科医院・クリニックに電話をかけて「診察の予約をしたい」などと伝えれば受付の人が以下のような質問をしてくるので、それらに答えるだけで十分です。

  • 名前
  • 歯の状態、症状 (どの歯がどんなふうに痛いのか、など)
  • 過去の来院歴の有無 (初めての診察かどうか)
  • 予約の希望日時

電話予約することに抵抗がある場合は「電話恐怖症を克服するには?苦手意識とうまく付き合う方法」という記事をご参考ください。
上記の方法を実践しても電話ができないのであれば、4つめの方法と同じく親などに協力してもらいましょう。
最初は親に電話をかけてもらうだけでも緊張感がやわらぎます。

また、以前に受診をドタキャンしたたため再び予約しづらいという場合も、こわがる必要はありません。
歯医者をドタキャンする人は結構いるそうですので、きちんと謝れば相手は怒らないはずです。

診察の流れ

歯科医院に着いてからの診察の流れは以下のような感じです。

  1. 受付窓口で「予約をした◯◯です」と名乗って保健証を提示する (名乗るのが恥ずかしいなら「お願いします」と言うだけでもOK)
  2. 待合室で待つ (問診票(歯科からの簡易アンケートのようなもの)に記入を求められる場合もあり)
  3. 診察室へ呼ばれる
  4. 歯科医師による診察・治療 (簡単な治療・処置は歯科衛生士が担当する場合もあり)
  5. 待合室に戻って待機
  6. 受付窓口で会計、次回の診察の予約

初診でない場合は、上記の1.の手順のときに診察券もあわせて提示します。
2.の手順のとき問診票を書かされることはありません。

なお、治療回数については歯医者によってさまざまですが、虫歯なら平均3~5回、親知らずなどの抜歯なら平均2~3回くらいです。
対人恐怖症者には長期の通院は苦痛でしょうから、治療が長引くようなら別の歯医者に変えてみても良いと思います(わたしがいま通っている歯科は虫歯1本の治療に7回くらい通院しました…)。

最近では虫歯などの治療が短期間で終わる歯科も増えているようです。
たとえば「ブランパ銀座」では、わずか1日で治療が終わるそうですよ。

人間は緊張すると口の中が乾きやすい(唾液の分泌量が減りやすい)ため、わたしたち対人恐怖症者は虫歯や歯周病になりやすいと考えられます(参考:「唾液に秘められたパワー|協会けんぽ 健康サポート」)。
ぜひ上記6つの方法を参考にして、歯医者へ行くことの恐怖を克服してもらえたらうれしいです。

診察当日になって外出する決心がつかないときは、下記の記事もご参考ください。
対人恐怖心(「こわい」という感情)の落ち着かせ方・抑え方