日本への外国人観光客が増えてから「ヌーハラ」(ヌードルハラスメント)が話題になっていますね。
また「クチャハラ」(クチャクチャハラスメント。くちゃくちゃという咀嚼音による迷惑行為)は、昔から問題視されているようです。

しかし同じようなマナー問題でいえば、「咳ハラ」(咳・咳払いハラスメント)も注目されるべきとわたしは考えています。

咳ハラとは

「咳ハラ」とは、故意に咳や咳払いを何度も繰り返して人に迷惑をかける行為のことです。
わざとらしい咳・咳払いを指し、風邪や病気によるそれらは除きます。

咳ハラ(咳・咳払いハラスメント)は迷惑

なぜ迷惑なのかというと、咳(咳払い)を聞いた側が不快になるからです。
単純に耳ざわりですし、自分のパーソナルスペースに踏み込まれた気分にもなります。

とくに、中年男性・年配男性(おじさん・おじいさん)のそれらは音量が大きくうるさいです。
口をおさえず口内の菌や口臭をまき散らしている人などは明らかなマナー違反でしょう。
頻繁に咳(咳払い)をするならマスクくらい付けろよと思います。

仕事中や勉強中での咳ハラはさらに迷惑な行為です。
不快なだけでなく、目の前の作業に集中できなくなります。
そのせいで退職に追い込まれたり、受験に失敗する人も少なくありません(わたしも公務員をクビになりました)。

とくにわたしのような咳・咳払い恐怖症の人間にとって、咳ハラは傷口をえぐられているようなものです。
咳や咳払いを聞くたび精神がすり減っていき、さらに症状が悪化してしまいます。
咳ハラは、足を骨折した患者に対してその足を何度も蹴っているのと同じことなのです。

ヌーハラ、クチャハラより迷惑

むしろ咳ハラのほうがヌーハラやクチャハラよりも迷惑だと感じるのはわたしだけでしょうか。
あまり問題視されないことに疑問を抱いています。

ヌーハラ、クチャハラは基本的に飲食店でしか発生しません。
いっぽう咳ハラは飲食店だけでなく、電車、バス、学校、会社、スーパーなどさまざまな場所で発生するのです。
食事中の咳ハラだけならまだ我慢できますが、日常の至る所で被害をこうむるのは精神的にこたえます。

またヌーハラもクチャハラも、咳ハラほど耳ざわりなものではありません。
ズルズルとすする音や、クチャクチャと噛む音には一定のリズムがあるからです。
しかし咳や咳払いは、いつ・どこで聞こえてくるかわからず、そのランダム性が神経をさかなでします。
(わたしなんかは、しばらく咳が聞こえていないとき急に大きな咳払いが聞こえるとかなりビクついてしまいます。)

そのほかヌーハラやクチャハラは、咳ハラのように菌や口臭をまき散らしたりはしません。
食事をする場所で迷惑な行為がどちらなのかは明らかだと思います。

そもそもヌーハラについては仕方のない現象です。
そばやうどんはすすって食べるもの(のどごしを味わうもの)なんですから、それをうるさいと言うのは「逆ハラ」(逆ハラスメント)だと思います。
クチャハラにしたって、歯を治療中の場合など仕方なく咀嚼音を出すときがあるでしょう(わたしの父が昔そうで、固い物を食べる際はクチャクチャ咀嚼していました)。

この点をふまえても、やはり咳ハラのほうが迷惑です。
故意の咳・咳払いは、止めようと思えばいくらでも止められますからね。
人が不快に感じるものをわざと行っていれば、それは「ハラスメント」と断言できます。

ヌーハラやクチャハラが問題視されるなら、咳ハラも話題になるべきではないでしょうか。
全部まとめて「音ハラ」(雑音で人に迷惑をかける行為)として注目されてもいいです。
咳・咳払い恐怖症になってしまう人が増えないためにも、世の中のマナー意識がもう少し高まれば良いなと思っています。

(繰り返しになりますが、病気が原因で出る咳や咳払いは迷惑行為ではありません。)