厚労省などが「咳エチケット」を推進していますが、わたしは「咳払いエチケット」も普及してほしいと考えています。
咳払いエチケットを導入すべき例や、エチケットの具体的な方法についても書きました。
咳払いエチケットとは
現時点では正式な定義ではありませんが、咳払いエチケットの意味について説明してみます。
咳払いエチケットとは、人前で咳払いを控える気くばりのことです。
他人の咳払いを聞いて、不快感や嫌悪感を抱く人は少なくありません。
SNSやネット掲示板などをみてみると、他人や知人・家族の咳払いに対して「うるさい」「うざい」「気持ち悪い」などと感じている人が結構います。
なぜそう感じるのか理屈はわかりませんが、咳払いの音は人間にとって耳ざわりなものといって良いでしょう。
こうした不快な咳払いを人のいる空間では控えよう、というのが咳払いエチケットです。
咳エチケットのほうは風邪・インフルエンザの感染予防を目的としているそうですが、「エチケット」の本来の意味( 「相手の気分を害さない配慮」という意味)からすれば咳払いエチケットもあってしかるべきと思います。
とくに職場での咳払いは人の集中力をそぎ、会社全体の生産性をも低下される恐れがありますからね。
また、世の中には咳・咳払い恐怖症で苦しんでいる人が少なくありません。
わたしのように、人の咳や咳払いの音に対して異常な恐怖心・警戒心を抱いて日常生活に支障をきたしている人がいるのです。
この点でも、咳払いエチケットが知れわたるべきと感じています。
咳払いエチケットを導入すべき例
人前で絶対に咳払いするなと言いたいわけではありません。
故意に行っているならエチケット違反ですが、生理現象としての咳払いは仕方のないものでしょう。
しかし以下のような例では、たとえ生理現象だとしてもできる限り咳払いを控えるべきと考えています。
それが良識ある人のエチケットであるはずです。
接客業
接客業(販売業も含む)は客と直接的に接する仕事なので、いち早く咳払いエチケットを導入すべきでしょう。
客の前で遠慮なく咳払いするのは失礼だと感じます。
たとえばコンビニで店員の咳払いを何度も聞くと、「うちの店に来るな」と言われていようで落ち着いて買い物ができません。
レストランでの店員の咳払いも、聞くたびに料理がまずくなり食事を楽しめなくなります。
また窓口業務や対面営業などでも、受付や営業の人が平気で咳払いしているとその会社の品格すら低くみえてしまうものです。
そのほかバス運転手や警備員など直接的な接客が少ない仕事についても、客がいる空間では咳払いをできるだけ控えてほしいと感じます。
ひとりでも客の気分を害しているなら、それはエチケット違反にあたるのではないでしょうか。
テレビ・ラジオ
テレビ番組やラジオ番組でも咳払いエチケットは必要だと思います。
とくにラジオは耳で聞くメディアなので、いっそう配慮してほしいところです。
ニュース番組では気をつけているようですが、ほかのジャンルの番組では軽視されているようにみえます。
音声を伝えるという点ではどちらも同じであるはずです。
アナウンサーだけでなく、芸能人などほかの出演者にもエチケットを周知すべきでしょう。
スピーチ・プレゼン
スピーチやプレゼンなど人前で話す場合も、咳払いエチケットを心がけたほうが親切です。
緊張で痰がからまりやすい人は結構いますが、あまりにも頻繁な咳払いだと聞いているほうは話に集中できなくなります。
話す内容以外の部分もスピーチ・プレゼンの一部と考えなくてはいけません。
聴衆にしっかり伝えたいなら、可能な限り咳払いは控えたほうが賢明でしょう。
映画館・コンサート会場
映画館やコンサート会場ではさまざまなマナーがありますが、咳払いエチケットがないのが不思議です。
咳払いの音で話や演奏に集中できなくなったりしますので、迷惑行為に当てはまると思います。
先に述べた3つの例にくらべれば、エチケットを守るのは簡単であるはずです。
観賞中に人と会話することはほとんどないでしょう(おしゃべりもマナー違反です)から、咳払いを我慢しようと思えばできるのではないでしょうか。
咳払いエチケットの方法
咳払いエチケットの具体的方法については、事前に咳止めを服用しておくのがもっとも効果的かつ簡単です。
CMでもおなじみの『龍角散』ブランドからのど飴などの商品がいろいろと販売されています。
他人の前でどうしても咳払いせざるを得ないときは、いったん「失礼します」などと言って断ってから咳払いすると相手への配慮が伝わるはずです。
または咳払いをしたあと、軽く謝れば相手を不快にしません。
こうした行為がためらわれる場合は、口をおさえながら咳払いするだけでもエチケットになります。
テレビやラジオではカフボックスを普及させる手もあるでしょう。
このやり方なら出演者にエチケットを強いる必要がありません。
一般の会議室・教室などでも、予算があるなら演台にカフボックスを設置すると良いでしょう。
上記のような方法とは逆に、周囲の人が咳払いエチケットを守らない人に対して注意するのも有効です。
現時点ではそういう慣習がないので指摘しづらいかもしれませんが、不快なものは不快だと意思表示することはエチケット普及のためにも大切だと思います。
SNSなどをみていると、最近は人の咳払いに対して殺意のような嫌悪感を示す人が増えてきている気がしなくもありません…。
ギスギスした社会にならないためにも、咳払いエチケットが普及してほしいです。