現在も議論が進まない日本の夫婦別姓問題(厳密には選択的夫婦別姓制度の導入に関する問題)。
いつから制度が開始されるのか、そもそも実現可能なのか、まだまだわからない状況ですよね。
女性婚(夫が妻の姓を名乗る結婚)のデメリットを多く感じているわたしとしても、早く日本で夫婦別姓が認められてほしいと考えています。
そこで(選択的)夫婦別姓導入のムードが少しでも高まればと思い、ここ数年内の関連ニュースや新聞記事をまとめてみることにしました。
夫婦別姓の議論・判例や話題などについて随時、紹介していきます。
現状の把握、問題点の共有などにお役立ていただけたら幸いです。
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夫婦別姓をめぐる政治の動向
夫婦別姓への反対意見が多い印象の政界ですが、政党や政治家はどのような言動をしているのでしょうか(記事公開日の新しい順にまとめています)。
- 都議会が夫婦別姓法制化の請願採択
国政への発言力ある都議会で採択された意義は大きいです。ほかの地方議会でも似たような動きが広まりつつあります。 - 選択的夫婦別姓導入を 枝野氏
「なぜ選択すら許さず、自分の価値観を人に押し付けるのか。選択的夫婦別姓の導入を高く掲げたい」 - 選択的夫婦別姓導入、総裁選でも主張へ 野田総務相
「多くの人たちを困らせることでも不幸にすることでもない」 - 福田元首相「夫婦別姓、女性の働きやすさには必要かも」
「このことは、国会議員が決めなきゃいかんですよ。国会議員が議論して、どういう方法がいいのか国民に示して、国民の賛否を仰ぐ。」
夫婦別姓をめぐる裁判の動向
夫婦別姓に関する裁判事例は増えてきており、近年では以下の訴訟が起きています(記事公開日の新しい順にまとめています)。
- 夫婦別姓巡る訴訟、サイボウズ社長の請求棄却
残念ですが、まだこれからでしょう。最高裁での最終的な判断を待つことになると思います。 - 再婚・連れ子の弁護士夫妻「夫婦同姓は初婚しか想定していない」 別姓求め提訴
連れ子がいる場合の再婚では夫婦同姓の精神的苦痛が大きいとして国に対し損害賠償を求めた事例です。夫婦別姓が認められないままだと、夫婦だけでなくその子どもたちにも悪影響をおよぼすのですよね…。 - 「別姓の私たち、夫婦と認めて」映画作家・想田さん提訴
夫婦が別姓のままの状態で裁判所に婚姻関係の確認を求めた事例です。訴えが認められれば、判決書が戸籍謄本の変わるになる可能性があります。 - 夫婦別姓めぐり国を提訴 事実婚の男女
民法・戸籍法の夫婦同姓規定が「法の下の平等」を定めている憲法に違反ているとして国に損額賠償を求めた事例です。国側の法整備が進まないことへの怒りが高まってきていますね。 - 夫婦別姓選べず「戸籍法は違憲」 サイボウズ社長が提訴
戸籍法の整備不備は「法の下の平等」に反して意見であるとして国に損額賠償を求めた事例です。たしかに現在の戸籍法で、日本人同士の結婚についてのみ姓を選ぶ規定がないのは不公平だと感じます。 - 日大三中・高の女性教諭、旧姓使用裁判で和解 「自分本来の姓、嬉しい」
以前に旧姓を使えないことに関して職場側に損害賠償を求めた訴えが棄却されたんですが、その和解判決です。この判例が出来たことで、少なくとも職場での旧姓使用は市民権を得られるでしょう。 - 夫婦同姓「合憲」、女性の再婚禁止期間「違憲」 最高裁
夫婦同姓を求める民法の規定が憲法の「法の下の平等」に違反しているとして国を訴えた裁判の判決内容です。大変残念な結果でしたが、「国会で議論されるべき」と注文した点は評価したいと思います。しかしいまだに政界では本格的に議論されていません…。
夫婦別姓をめぐる社会の動向
夫婦別姓問題についての社会の対応状況や世の中の反応などをまとめました。
- 判決文や令状、旧姓OK 裁判官や書記官
それでもなお選択的夫婦別姓制度の導入が認められないのが不思議ですね…。 - 旧姓の使用範囲が拡大へ 住民票、パスポートなども
良い流れではありますが、銀行口座の名義変更などでは戸籍謄本が必要になる場合もあるわけなのでやはり民法・戸籍法の改正が早く実現してほしいところです。 - 夫婦別姓の法制化、意見書可決 中野区議会、陳情の動き全国へ
「陳情」は簡単にできるそうなので、ご興味のある方は「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」というサイトをぜひご覧ください。 - 仕事で旧姓容認の企業65% 93年の13%から拡大
大企業を対象とした調査結果ではあるものの、旧態依然の民法などとは違って現実社会は変化してきています。
- 夫婦別姓「容認」が4割超 法改正「不要」3割切る
やはり若い世代に容認派が多いですが、60歳以上の世代でも前回調査(2012年)より増えたそうです。 - 「男女が同じ選択肢を」 夫婦同姓、国連は改善勧告
国連が3回も勧告しているにもかかわらず日本政府は無視し続けています。 - 同姓義務、日本だけ 再婚禁止期間も廃止の流れ
先進国の日本が「文化後進国」といわれる理由のひとつでしょう。
以上、夫婦別姓問題に関しての日本の現状をまとめました。
今もなお議論がほとんど進まない状況であり、選択的夫婦別姓制度が具体的にいつから開始可能なのかまだ未知数といったところです。
旧姓使用ができず困っている身としては、いっこくも早く実現してほしいですね。
ほかにも紹介すべきニュース・新聞記事・文献などがありましたらSNSで教えてください。