高校入試のときは第一志望の学校に合格できましたが、大学入試では第一志望の一橋大学に二度も落ちました(結局、第三志望の慶應義塾大学商学部に入学)。
原因はあきらかで、高校生のとき視線恐怖症という心の病気にかかってしまったからです。
さらに浪人時は目標のズレも不合格につながりました。
現役時代と浪人時代とにわけて、大学受験失敗の原因を振り返りながら受験生へのアドバイスを書いてみます。
現役時代の大学受験失敗
現役高校生のとき大学受験に失敗した大きな原因は、視線恐怖症(脇見恐怖症、他者視線恐怖症、自己視線恐怖症)です。
センター試験は低い点数(7割3分くらいの得点率)に終わり、志望した一橋大学や早稲田大学・中央大学の入試も不合格となっています。
高校2年生の後半くらいに脇見恐怖症になってから、学力はどんどん下がっていきました。
試験中はもちろん授業中も集中できないわけなので当然です。
それでもなんとか成績を上げようと自宅では必死に勉強していたんですが、それがストレスをさらにためてしまったんでしょう。
脇見恐怖の症状が悪化して自己視線恐怖症を発症したり、他者視線恐怖症までも発症することになってしまいました。
高校3年生のころは授業にまったく集中できない状態になってしまい、いつも寝たふりです。
定期テストのときも他者視線恐怖症のせいで周囲が気になってしまって、目の前の問題に意識をそそげません。
さらに授業中は、自己視線恐怖症のため先生のほうを見て話を聞いていられませんでした。
そんな自分の病状に嫌気がさしたためか、受験シーズンのころはすでにあきらめモード…。
センター試験本番のときは「なんで自分はここにいるんだろう?」と思ったほどです。
もう完全に病気のことばかりを考えていて、心ここにあらずの状態だったわけですね。
いま思うに、現役時代に高校の部活をやっていれば良かったなと後悔しています。
視線恐怖症になったのは、もともとの気質だけでなく受験のストレスも原因だったと思うからです。
部活に参加して定期的に息抜きをしていれば、イライラがつのって心を病むことはなかったかもしれません。
運動部に入れば心身ともにリラックスできたでしょう。
部活をやらずにまっすぐ家に帰り椅子に座ったまま勉強し続けていたら、そりゃ気が滅入りますよ…。
これから高校に進学するなら、ぜひ部活(とくに運動部)に入ってみてください。
勉強時間は減るかもしれませんが、メリハリがついて逆に学力が伸びるはずです。
わたしの高校の同級生たちをみると、運動部の人のほうが難関大の現役合格率が高くなっています。
すでに高校生で部活に入るのがもう無理なら、自分で運動する習慣をつけましょう。
筋トレよりウォーキングやランニングをおすすめします。
足を動かしたほうが心や脳の健康に良いそうですので。
浪人時代の大学受験失敗
現役時は受験に対してあきらめの気持ちがありましたが、浪人時代では合格へのやる気がみなぎっていました。
大学受験に失敗したという事実が自分をふるい立たせたんでしょう。
あいかわらず視線恐怖症に苦しんでいたものの、毎日12時間くらいは勉強していた気がします。
しかし目標がズレていたために、またも一橋大学に落ちることになりました。
偏差値を上げることばかり考えていたからです。
志望大学に受かることが目標なのに、模試で高い偏差値を出すことが目標になってしまっていました。
大手予備校の模試では、成績優秀者の一覧が発表されますよね。
あれに載るのがとてもうれしかったんです(汗)。
現役時代に一度も載れなかったくやしさから、成績優秀者として認められることが受験勉強の大きなモチベーションになっていました。
偏差値が高いほど志望大学の合否判定結果も良くなるので、偏差値を上げることに迷いはなかったです。
高偏差値を出すために得意教科(英語と日本史)の勉強ばかりをしていました。
やはり得意な教科のほうが偏差値を伸ばしやすいですからね。
しかしわたしの得意教科は、受験した一橋大経済学部の入試ではさほど重要ではなかったんです(滝汗)。
また出題傾向もかなり独特なもので、模試によく出る標準的な問題ばかりを解いていた人間からすると歯が立ちませんでした。
こうして自分の偏差値は高かった(最高偏差値は5教科平均で75.8)にも関わらず、入試で不合格になったわけです。
ちなみに併願先の慶應大経済学部の入試では、得意科目を選択せずあえて一橋大と同じ出題科目(数学)を選び不合格になっています。
志望大に受かるための予行演習と考えたのが失敗原因です。
素直に得意科目(日本史)で受験しておけば、志望順位の低い慶應大商学部へ通わずに済んだことでしょう…。
センター試験についても、偏差値へのこだわりが判断の誤りにつながりました。
予備校のセンター模試で良い結果を残していた(いつも偏差値70前後)ので、過去問はあまりやらなくても大丈夫だろうと勘違いをしてしまったんです。
センター独特の出題形式への慣れが不十分だったため、本番ではまたも低得点(7割6分くらいの得点率)でした。
受験勉強は、偏差値を上げるトレーニングではありません。
志望大学に受かるために行うものですよね。
目標を履き違えてしまうと、わたしのように失敗してしまいますよ…。
模試の偏差値が上がるより、志望大学の過去問がどのくらい解けるようになったかのほうが重要です。
たとえ偏差値が志望大の合格基準に届いていなくても、その大学の傾向と対策ができていれば合格できます。
偏差値は自分の学力が伸びているかどうかを知るバロメーターのひとつにすぎないと知っておきましょう。
まず過去問を解いてみて出題傾向を知り、似ている問題で演習をする。
そしてまた過去問を解き、自分の合格力を測ってみる。
こうした作業の繰り返しが大学受験の戦略です。
視線恐怖症のような心の病気になってしまうと、やはり大学受験失敗の恐れがあります。
がむしゃらに勉強しがちな人は、部活や運動などを意識的に行いストレスを発散しましょう。
そして偏差値に踊らされてはいけません。
志望大学に合格するという目標を見失わないことが大切です。