対人恐怖症でも可能な仕事はネット上に多くありますが、資格を取得すれば就職の選択肢はさらに広がります。
具体的にどんな資格が就職に役立ちそうか、対人恐怖症視線恐怖症であるわたしの目線でまとめてみました。

なお、資格を活かせる仕事は外で働いたり人と接する場合が多いため、対人恐怖症的なストレスは在宅での仕事より増えそうです。
この点を覚悟してでも就職のチャンスを広げたいという方向けの記事になります。

また、対人恐怖症でもできる仕事として有名な工場作業・清掃に関する資格については当記事で取り上げていません。
これらの仕事は関連資格(フォークリフト運転技能者、ビルクリーニング技能士など)を取得していなくても正社員として就職可能です。
資格勉強に時間を割くより、就職して実務経験を積んだほうが転職時などに役立つかと思います。

1. パソコン系資格

パソコン系の資格を持っておけば、ネット上で仕事を探す際に幅広い求人に応募できるでしょう。
具体的には、Office系資格(Word、Excel、PowerPoint)やデザイン関連スキル(Photoshop、Illustrator、Dreamweaver)などが役に立つはずです。

たとえば『クラウドワークス』などのクラウドソーシングサイトなら、ビジネスサポート系の仕事(文章・図・資料などの作成)や、写真加工・イラスト作成・サイト制作などの仕事を請け負えるようになります。
当記事でまとめているほかの資格と違って、完全にネット上でのみ仕事ができるのは魅力ですね。

ただ、こうした仕事は厳密にいうと「就職」(どこかの組織に所属して給料をもらって働く)ではなく、あくまで「請負」(単発の仕事成果に対して報酬をもらう働き方)という形が多いです。
そのため定期的に求人を探し続けなければなりません。

2. 運転免許

トラック車

運転免許を取得し、トラック運転手や宅配ドライバーとして働くという方法もあります。
とくに運送・配達の仕事はひとりで車を運転する場合が多いので、対人恐怖症者におすすめです。
いまは人手不足といわれているので、就職成功の確率も高いでしょう。

普通運転免許だけでなく、中型免許や大型免許も取得したほうが当然に就職先が増えます。
また二輪免許(バイクの免許)も取っておけば、さらに多様な求人に応募できますね(デリバリー(出前)、バイク便など)。

車やバイクの運転免許は通勤にも便利です。
万が一、会社で人に囲まれて働く羽目になっても、職場まで電車通勤するよりは精神的疲労が小さくなります。

3. 設備系資格

設備系資格も対人恐怖症者の就職に役立ちそうです。
たとえば電気工事士、ビル管理技術者、消防設備士、ボイラー技士、危険物取扱者といったものがあります。

電気工事士はおもに一般家庭の配線工事、ビル管理技術者・消防設備士はオフィスビルのメンテナンス、ボイラー技士・危険物取扱者は工場の点検などを担当します。
こうした仕事はひとりで黙々と従事できる場合が多いようです(たしかに家の電気工事を頼むと業者さんがひとりで作業していたりしますね)。

基本的には会社に所属して働く形なので、社内での仕事や人づきあいが多少はあるでしょう。
それが嫌であれば独立するしかないですが、自営の場合は顧客獲得の営業などで対人スキルが必要になります。

4. 士業系資格

士業系資格とは、 弁護士、司法書士、行政書士、税理士、公認会計士、社会保険労務士などの「~士」と名の付く資格のことです。
こうした士業で独立開業をして個人事務所で働けば、会社勤めよりは対人ストレスが少なくなるはずです。

ただ、士業は顧客がいてこそ成り立つ職業ですので人づきあいは多いでしょう。
デスクワークはひとりでも可能ですが、新規顧客を獲得するための営業や相談業務では人を避けるわけにいきません。

とはいえ事務所のホームページを立ち上げたりすれば、集客や打ち合わせはネット上でもできるようです。
たとえば行政書士で、さまざまな公的手続きの代行サービスをネットで運営している方は多く存在しています。

5. 心理系資格

心理系資格には、公認心理師、臨床心理士、メンタルケアカウンセラー、メンタルケア心理士、不登校訪問専門員、ひきこもり支援相談士などがあります。
残念ながら心理関連の正職員求人は需要の割に少なく、これらの資格を取得しても必ず就職に役立つわけではありません。
とくに公認心理師・臨床心理士は大学院卒業や実務経験必須条件であり、資格取得のハードルと就職率が見合わない気がします。

しかし対人恐怖症者は、同じ心の病気を持つ人の痛みがわかるという強みを持っているはずです。
この長所に加えて前述の各資格をアピールすることで、就職が有利になる可能性はあるでしょう。

具体的にはフリースクール(不登校児の学習施設)や引きこもり支援施設で働く際に、メンタルケアカウンセラーやメンタルケア心理士などの資格が役立ちます。
独立開業という道もありますが、食べていけるようになるには相当の努力が必要になるようです。

以上、5種類の資格・免許をまとめてみました。
これらの資格を持っておけば、対人恐怖症でも就職の選択肢が広がるでしょう。

ただ、前述のとおり資格を活かして働く場合は対人ストレスが多少なりともあります。
取得後に後悔しないよう、資格勉強とあわせて適度に外出したり人と接しておいたほうが良いでしょう。
(わたしの場合、資格ではありませんが、対人恐怖症のまま公務員試験を突破したものの採用後わずか半年でクビになりましたので…。)