軽井沢旅行へ行った10月末ごろ、同じ町内にある小浅間山をひとりで登ってきました。
1年前の宝篋山以来、ひさびさの登山となります。

小浅間山の標高は1655メートルですが、標高差は250メートルほどしかありません。
とはいえ山頂までの斜面の傾斜が急で、甘く見ていたら痛い目にあいました…。
午後に登ったのも原因のひとつです。

車で小浅間山の登山口へ

小浅間山の登山口は日本ロマンチック街道と白糸ハイランドウェイの交差点ちかくの場所にあるので、アクセスは良好だと思います(近くにバス停もあります)。
「峰の茶屋」という飲食店が目印です。
わたしは日本ロマンチック街道から登山口に向かったので、店は右手に見えました。

写真:日本ロマンチック街道から見た小浅間山(秋)
「白糸の滝入口」交差点から見た小浅間山(右)
写真:小浅間山登山口そばの「峰の茶屋」
「峰の茶屋」

ただ、登山口の駐車場は「峰の茶屋」ではなく、その反対側にある空き地です。
緑っぽい屋根の避難小屋が目印となっています。

写真:「峰の茶屋」の避難小屋
避難小屋(左)

空き地はとてもせまく、普通自動車なら5台くらいしか駐車できなさそうでした。
ゴールデンウィークなどの行楽シーズンは混雑するでしょうね。
「峰の茶屋」利用者なら店の広い駐車場に停めて良いみたいですが、登山のみが目的で駐車する場合は2千円も取られるらしいですよ(汗)。

登山口の手前には、登山時の注意点を説明した案内や警告が掲示されています。
わたしが訪れたときの浅間山噴火警戒レベルは1で、小浅間山の頂上まで登ることが可能でした。

写真:小浅間山の登山案内板
登山案内板
写真:小浅間山登山の警告表示
2018年10月末の噴火警戒レベルは「1」

人がほぼ皆無の登山道

小浅間山へ入山すると、すぐ登山道の右手には「浅間火山観測所」があります。
東京大学地震研究所の関連施設だそうですが、この日は土曜日だったからか人の気配はまったくありません。

写真:浅間火山観測所(東京大学地震研究所)
浅間火山観測所

そのまま登山道を歩いていても、二組の登山客にしか遭遇しませんでした(対人恐怖症の人間としてはラッキーだったりするんですが苦笑)。
しかもどちらも下山中の方たちで、やはり午後から山に登ろうとする人は少ないのでしょうかね。

写真:小浅間山の登山道(秋)
秋の小浅間山登山道

道ぞいの木々は色づいているものもありましたが、10月末ですでに紅葉はほとんど終わっていたようです。
樹木の下のほうにはシダ植物が多く、小浅間山が土壌が火山性のものだることをうかがわせます。

写真:小浅間山のシダ植物
登山道に沿って生えるシダ植物

10分くらい歩いていくと、だんだんと道の傾斜が急になっていきます。
ふだん1日30分のウォーキングをしているわたしでも息が上がってくるほどの勾配(こうばい)です。

日が傾いてきたせいもあり、少し薄気味の悪さも感じてきました。
こんなところで熊にでも遭遇したら命は無いかもしれません。

写真:小浅間山の午後の登山道
なんとなく不気味な登山道

正規ルートでない西峰から登る

入山してから30分後くらいで、コースの分岐に到着します。
左手をまっすぐ行ったほうが簡単で、右手の道なき道を登っていくのが頂上までの最短距離だそうです。

写真:小浅間山登山道コースの分岐
登山道の分岐地点

すでに息を切らしながら登っていたわたしはもちろん左を選択(笑)。
そこから10分くらいで「小浅間山山頂」の標識を発見しました。
小浅間山には西峰・東峰のふたつの頂上があり、標識に従って登ると東峰にたどり着けます。

写真:「小浅間山 山頂」の標識
山頂を示す標識

しかし矢印の先を見てみると、かなりの急勾配なんですよ…。
それに地面は砂利で、一歩一歩しっかり歩みを進めないと滑落してしまいそうです。
これはもう立派な登山なんじゃないかというレベル。

写真:小浅間山山頂までの急な斜面
急角度かつ砂利の斜面

たじろいだわたしは、正規ルートとは別の道を進んでみることにしました。
ところがその先を進んでいくと藪だらけで、行き止まりといっていい状況だったのです(ほら見たことか苦笑)。

右手を見れば、そこは険しい斜面の西峰…。
岩がゴロゴロ転がっていて道らしき道がなく、明らかに東峰より難易度が高そうに見えます。
一瞬さきほどの標識まで引き換えそうと考えましたが、すでに日が傾き始めていたのでやむを得ずそのまま登ることを決意。

この決断が大失敗でした(汗)。
急勾配に加えて足場を見つけるのがとても難しい…。
加えて風が強く、斜面に手を付けて四足歩行で登らないと吹き飛ばされてしまいそうな恐怖感もあります。
「山をなめるな!」とはまさにこのような状況のことをいうのかもしれません。

写真:小浅間山西峰の斜面から見下ろす
下を見るとめちゃくちゃこわい

こうして格闘すること20分くらいで、なんとか西峰の登頂に成功…。
斜面に残っている数少ない足跡が、足場を探す際の頼りになりました。
人を避けて生きているわたしですが、やっぱり人なしでは生きていけないと痛感させられます。

山頂からの眺望はなかなかの絶景

小浅間山西峰の山頂からは、あの浅間山を近距離で見ることが可能です。
登山の時間帯が午後だったため日陰になってしまったのが残念でしたが、初めて間近で見た浅間山は感動ものでした。
横幅を広くして大きくそびえている姿に恐怖すら感じてしまいそうになります。

写真:午後に小浅間山の西峰から見た浅間山
浅間山(小浅間山西峰から)

このほか群馬県嬬恋村方面の山々や点在する街並みも眺望できました。
青空の下、遠くまで山が連なっている景色が壮観です。

写真:小浅間山の西峰から見た上信越高原
嬬恋方面の山々
写真:小浅間山西峰から見た「軽井沢おもちゃ王国」(観覧車)
「軽井沢おもちゃ王国」の観覧車

西峰周辺の風景をみたあとは東峰へ移動しました。
そのまま水平移動できるかと思っていたんですが、いったん斜面を下って東峰までまた斜面を登る必要があります。
西峰ほどではないものの傾斜がきつかったです。

写真:小浅間山東峰の斜面
東峰の山頂へ

東峰には山頂標識が設置されていたので、登頂の達成感を味わえました。
ただ、強風のためか標識が倒れていてちょっと悲しい…(笑)。

写真:小浅間山の東峰にある山頂標識
自分で立て直しました

東峰からも浅間山を見られますが、夕方ちかくのため完全に日陰になってしまってました。
やっぱり登山は午前中に行うものなんだろうと思い知らされます。

写真:午後に小浅間山東峰から見た浅間山
浅間山(小浅間山東峰から)

とはいえ反対側に視点を移せば、なかなかの絶景でした。
山頂から堪能できる360度のパノラマ(動画は後日アップします)。
周囲に登山客がいないこともあって、思わず「World is mine !」と歓喜の叫びをしたくなります(笑)。

写真;小浅間山の東峰から見た秋の景色
紅葉も見わたせました
写真;小浅間山の東峰から見た天丸山
天丸山方面(小浅間山東峰から)
写真:小浅間山の東峰から見た軽井沢市街地
軽井沢市街地方面

火山のため山頂周辺には木があまり無く、強風がすさまじかったです。
冬に登る際は防寒対策が必須なのではないでしょうか。

帰りはもちろん難易度の低い東峰からのルートを通りました(もう死ぬ思いはしたくない笑)。
それでも斜面が急なので滑落には要注意です。

登山口に到着したころにはすっかり夕方。
小浅間山登山の所要時間は往路が1時間ほどで復路が30分くらいでした。

初めてのひとり登山は充実感を得られましたが、学びも多かったです。
初心者は素直にルートに従っておくべきですね(苦笑)。

小浅間山の登山は、頂上付近の傾斜や強風をふまえると「ハイキング」というより「トレッキング」に近いと思います。
わたしのように甘い考えでなんとなく登らないようお気をつけください…。