年金制度のひとつである『個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ)』。
わたしも老後の資金計画の柱としてこの制度に加入しています。
メリットが多くデメリットがほとんどないので、資産運用の選択肢としておすすめです。

個人型確定拠出年金とは

簡単に言うと、個人型確定拠出年金(iDeCo)とは「投資信託型の年金制度」です。
毎月、一定額の掛け金を投資信託などで運用していきます。

「運用」といっても投資信託なので、加入者自身が行うのは運用商品を選ぶことくらいです。
実際の取引などは、投資信託運用会社が加入者の代わりに行ってくれます。
デイトレーダーのように日夜パソコン画面に張りついて取引をする必要はありません。

運用商品の種類としては、投資信託(株式、債権、不動産などに投資)、定期預金、個人年金保険が主流です。
それらに加えて、国内の株式に投資するのかそれとも外国の株式にするのかといった分類もあります。
国民年金と違い、ある程度は自由に年金資産を組み立てられるのもiDeCoの特徴です。

iDeCoで積み立てた掛け金は、その運用利益と合わせて60歳以上から受給できます。
もちろん投資信託なので利益どころか損が出る場合もあり、元本割れには注意が必要です。

とはいえ、そうしたリスクはiDeCoだけに限った話ではありません。
投資には必ずつきものであり、ある程度のリスクがあるからこそ高いリターン(利益)を得られます。
そしてiDeCOのような投資信託は、ほかの投資手法にくらべれば低リスクな方法です(株の直接売買やFXのほうがリスク高いです)。

老後の年金資産を大きく増やしたいなら、iDeCOは有力な選択肢だとわたしは考えています。
超低金利時代において、貯金や定期預金の利息だけでは老後資産を満足に増やせません(苦笑)。

iDeCOのメリット

老後資産を増やす

わたしはiDeCOに長いあいだ加入し続けていますが、現在もさまざまなメリットを感じています。
掛け金を拠出できる限り、今後も解約(退会)することはないでしょう。

いちばんのメリットは、「60才になったとき必ず年金がもらえる」という点です。
これは国民年金との大きな違いだと感じています。

国民年金の支給開始年齢はどんどん引き上げられていますよね。
この調子では支給される前に死んでしまう恐れもあるので、わたしは国民年金をほとんどあてにしていません。
iDeCoなら60才で必ず支給されるので、安心して老後資金の計画を立てられます。

2つめのメリットは、「自己判断で年金資産を貯められる」という点です。
景気の風向きが変われば、それに応じて運用商品を選び直せます。
厳密には前述のとおり投資信託運用会社が取引を代行しますが、それでもiDeCo加入者側にある程度の決定権があるといえるでしょう。

いっぽう国民年金の場合そうはいかず、政府側に年金の運用を100パーセントまかせなければなりません。
政府の運用手法に不満があっても、こちらからは何もお願いできないのです。
大切な年金資産を運まかせにしているようなものだと思っています。

3つめのメリットは、「税金の控除が受けられる」という点です。
iDeCoの掛け金の全額が、確定申告の際に所得控除の対象となります。

この仕組みはとてもありがたいです。
自分は毎月6万8000円を掛け金として拠出しているので、年間で81万6000円( = 6万8000円 × 12)の所得控除を受けられます。
かなりの節税効果ですよね。

ほかにも「運用利益に税金がかからない」、「制度破綻のリスクがない」などのメリットもあります。
少し専門的な話になりますが、「インフレ(物価上昇)の影響を受けにくい」というのもiDeCoのメリットです。
物価上昇率より高い利回りの運用商品(外国株式の投資信託など)を選んでおけば、物価が上がっても資産価値を減らさずに済みます。

iDeCoのデメリット

個人的には、お世辞抜きで言ってもiDeCoのデメリットはほとんどないです。
以下のふたつくらいかと思います。

  • 途中で解約すると1円も払い戻されない
    (いちおう「脱退一時金」という仕組みがありますが、条件が厳しいです)
  • 掛け金の金額変更が年1回しかできない

ただ、わたしの場合、解約する気はありませんし掛け金を変更する(減らす)つもりもありません。
デメリットは実質的にはまったくないと感じています。

なおiDeCoで資産運用をしていると手数料・信託報酬(投資信託運用会社に払うお金)などが定期的に発生しますが、将来期待できる運用利益の大きさを考慮すればデメリットには思えません。
とはいえ出費はできるだけ少なくしたいので、わたしは口座管理手数料がゼロの『楽天証券』でiDeCoに加入しました。

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、老後資産を貯める・増やす手段として欠かせない存在でしょう。
加入者のわたしからみてメリットばかりの制度で、デメリットはないに等しいです。

老後に備えて貯金しているという方は、単純に銀行口座へお金を預けているのではなくiDeCoへの加入も検討してみてください。
節税しながら年金資産を貯めていける制度はなかなかありませんよ。

もしまだiDeCoについて不安が残っているのであれば、無料の『お金の教養講座』への参加をおすすめします。
iDeCo以外の、老後不安をなくす選択肢が見つかるはずです。