零細の個人事業主であるわたし(現在30代なかば)は、20代後半からiDeCo(個人型確定拠出年金)を運用しています。
当記事では、iDeCo加入を検討している(または加入している)個人事業主・自営業者の方むけに、わたしの運用例をまとめてみました。

アセットアロケーションの考え方

資産を育てる

アセットアロケーション(資産配分割合)については、40代いっぱいまでは外国株式(日本以外の先進国株式)のパッシブ型が100%です。
債券だとリターン(運用利回り)があまり期待できませんので、ある程度のリスクをとって高収益を目指しています。

国内株式に投資しないのは、1990年代~2000年代の不況をみてきてどうしても日本株に投資する気分になれないからです。
また、依然としてアメリカが世界経済をリードしており、ヨーロッパ先進国のほうは元気がないもののトータルでみると先進国株式が高リターンだと考えています(可能なら米国株のみにも投資したいんですけどね)。
新興国株式のほうは株価の値動きが不安定なので考慮していません。

外国株式にはパッシブ型(市場の平均収益を目指す)とアクティブ型(市場の平均収益以上を目指す)がありますが、わたしはパッシブ型を選んでいます。
パッシブ型のほうが低リスクでありがらも、アクティブ型にくらべてさほどリターンは見劣りしません。
後述しますが、パッシブ型の運用商品には低コストのものが多いのも魅力です。

REIT(不動産投資)という選択肢もあり、こちらは20代後半ころに海外REITへ30%分散投資していました。
しかし外国株にくらべると国内も海外もREITは市場が不安定で、リターンも微妙だったため途中で外国株式に切り替えています。
いっぽう先進国株式の株価は、長期的にみて順調に右肩上がりで伸びており安心です。

さて50代に入った段階では、資産配分割合を外国株式50%・外国債券50%くらいにしようと計画しています。
外国債券は外国株式より低リスク・低リターンであり、国内債券よりは高リスク・高リターンです。
iDeCo満期の60歳時点を見越して、少しずつ資産配分全体のリスクを下げていきます。

50代後半からは、外国債券50%:国内債券(日本国債)50%という資産配分にする予定です。
満期を控えて国内債券100%または定期預金100%にしたいところなんですが、そうした配分だと収益をほとんど増やせませんのでギリギリまで多少のリスクは取ろうと考えています。

とはいえ資産の配分変更やスイッチング(運用商品の買い替え)は簡単にできるので、そのときの経済状況をふまえながらアセットアロケーションを調整していくつもりです(スイッチングは商品によってはコストがかかるので注意が必要ですが)。
世界経済が好調なら満期まで外国株式100%のままにしておこうと思います。

ポートフォリオの組み方

ポートフォリオ(具体的な運用商品の組み合わせ)については、現在は「ニッセイ外国株式インデックスファンド」のみです。
わたしはiDeCoの運用管理機関として楽天証券を利用しており、そこで選べる外国株式パッシブ商品のうち一番コストが低くなっています。

iDeCoは60歳までの長期投資なので、やはり運用コストはできるだけ抑えたいですからね。
楽天証券を選んだのも、手数料が業界最安の水準だからです。

ご参考までに、現在までに選んだことのある運用商品(とその資産配分割合)を時期別にまとめてみます。

2011年5月~2013年7月

※このころは、低コスト商品が充実している琉球銀行を運用管理機関として利用していました(楽天証券は手数料が安かったものの商品ラインナップが微妙でした)。

  • 野村DC外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI (70%)
    選んだ理由:パッシブ型で信託報酬が安い
  • 野村世界REITインデックスファンド(確定拠出年金向け)(30%)
    選んだ理由:分散投資

2013年8月~2017年5月

※このころも琉球銀行で運用していました。

  • 野村DC外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI (100%)

2017年5月~

※運用管理機関を楽天証券に移管しました。

  • ニッセイ外国株式インデックスファンド (100%)
    選んだ理由:パッシブ型で信託報酬が安い

運用方法

iDeCoの運用方法については、基本的に放置の姿勢でいます。
資産配分割合の変更(リバランス)やスイッチングはほとんど行っていません。

前述のとおりiDeCoは長期の投資であるため、頻繁に調整を行っても意味が無いからです。
景気は循環するものなので、途中で変動があっても長期的には落ち着くところに落ち着きます。
直近の景気状況に左右されて行動するのは長い目で見ると無意味であり、むしろ損(時間の無駄づかい)でしょう。

ただリーマン・ショックのような大恐慌が起こったときは、さすがに調整しますけどね。
スイッチングをして利益確定したりしておかないと、大きな損を抱えてしまうことになります。
恐慌であまりにも損が大きくなると、いくら「景気は循環する」といっても持ち直すのが難しいかもしれませんので。

そのため日々の「運用」は放置ですが、経済ニュースなどには最低限のアンテナを張っています。
ほかにも『モーニングスター』というサイトのポートフォリオ機能を使って、定期的に運用状況などをチェックしたり資産配分を見直したりしています。

また、これも前述しましたが、50代中盤を過ぎて満期が迫ってきたら慎重に運用する予定です。
どのタイミングでハイリスク・ハイリターンからローリスク・ローリターンに切り替えるか、タイミングを見極めないといけません。

わたしは零細個人事業主でありながらも毎月コツコツ満額の掛け金(6万8千円)を積み立て続け、現在はiDeCoの総資産が1000万円以上になりました。
いまのところは上記のような運用のやり方で問題ないです。

もし今後アセットアロケーションやポートフォリオに変更があった際は、随時更新していきます。